自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
文学座 2012年3・4月アトリエの会
「父帰る」 作/菊池 寛
「おふくろ」作/田中千禾夫
演出/江守徹
出演/南 一恵、つかもと景子、秋山友佳、戸井田稔、植田真介、内藤裕志
「江守徹のユーモアのセンスが溢れた名舞台」
25分弱で終わる「父帰る」(1917年作)、1時間弱の「おふくろ」(1933年作)。2作品とも物理的に父親不在である。だからこそ、子どもの妻の心には夫への思いが強く存在する。愛憎相交じる家族劇だ。ということで、父親は心には少なからず存在しているが経済的には全く家族に貢献していない。2作品とも妻は針仕事をしながら話は進むのが面白い。そこで、妻は妻のままでいるのか、母の比重が強すぎてしまうのか、ふたつの作品は面白い提示をした。
特に「おふくろ」は1933年の作品ということで、約80年前の作品であるにもかかわらず極めて現代的で、観客は大いに笑っている。それが、ちゃぶ台やまるでトーキーになりたての白黒の日本映画の登場人物が話すような言葉と語り口であるのだから不思議な感覚になる。テネシーウィリアムズやアーサーミラーの作品は今でも現代に通じるクラシックとして上演されているわけだけれども、日本にもこんな作品があったのかと観客は発見したのではないか?
俳優では少し細かなリアクションが多すぎる感じがするが植田真介が2作品とも中心的な存在で「父帰る」では不実な父と、自らの心のうちの対立を、「おふくろ」でも母との距離を取りあぐねている青年を見事に演じた。女優3人はみな達者であり、80年も前の作品をユーモア溢れる現代の作品として見事に咲かせてみせた。普段の文学座の公演であまりお見かけしない方なのでこの劇団の層の厚さを再認識させられた。江守徹の演出は、シンプルなほぼ素舞台に近いところで見事に俳優の演技に観客が集中できるものであり、スピード感もありいやはやこれまた見事である。2012年3月31日@文学座信濃町アトリエ
「父帰る」 作/菊池 寛
「おふくろ」作/田中千禾夫
演出/江守徹
出演/南 一恵、つかもと景子、秋山友佳、戸井田稔、植田真介、内藤裕志
「江守徹のユーモアのセンスが溢れた名舞台」
25分弱で終わる「父帰る」(1917年作)、1時間弱の「おふくろ」(1933年作)。2作品とも物理的に父親不在である。だからこそ、子どもの妻の心には夫への思いが強く存在する。愛憎相交じる家族劇だ。ということで、父親は心には少なからず存在しているが経済的には全く家族に貢献していない。2作品とも妻は針仕事をしながら話は進むのが面白い。そこで、妻は妻のままでいるのか、母の比重が強すぎてしまうのか、ふたつの作品は面白い提示をした。
特に「おふくろ」は1933年の作品ということで、約80年前の作品であるにもかかわらず極めて現代的で、観客は大いに笑っている。それが、ちゃぶ台やまるでトーキーになりたての白黒の日本映画の登場人物が話すような言葉と語り口であるのだから不思議な感覚になる。テネシーウィリアムズやアーサーミラーの作品は今でも現代に通じるクラシックとして上演されているわけだけれども、日本にもこんな作品があったのかと観客は発見したのではないか?
俳優では少し細かなリアクションが多すぎる感じがするが植田真介が2作品とも中心的な存在で「父帰る」では不実な父と、自らの心のうちの対立を、「おふくろ」でも母との距離を取りあぐねている青年を見事に演じた。女優3人はみな達者であり、80年も前の作品をユーモア溢れる現代の作品として見事に咲かせてみせた。普段の文学座の公演であまりお見かけしない方なのでこの劇団の層の厚さを再認識させられた。江守徹の演出は、シンプルなほぼ素舞台に近いところで見事に俳優の演技に観客が集中できるものであり、スピード感もありいやはやこれまた見事である。2012年3月31日@文学座信濃町アトリエ
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
HP:
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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