自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
フランツ・レハール『メリー・ウィドウ』
3幕のオペレッタ 台本:ヴィクトール・レオン、レオ・シュタイン
(アンリ・メイヤックの喜劇「大使館付随員」を原作とする)
Franz Lehár DIE LUSTIGE WITWE
Operette in drei Akten Text von Viktor Léon und Leo Stein
nach der Komödie "L'attaché d'ambassade" von Henri Meilhacr
指揮:エンリコ・ドヴィコ
Dirigent:Enrico Dovico
演出・美術:マルコ・アルトゥーロ・マレッリ
Regie und Bühnenbild:Marco Arturo Marelli
ミルコ・ツェータ:クルト・シュライプマイヤー
Baron Mirko:ZetaKurt Schreibmayer
ヴァランシェンヌ:ユリア・コッチー Valencienne:Julia Koci
ハンナ・グラヴァリ:アンネッテ・ダッシュ
Hanna Glawari:Annette Dasch
ダニロ・ダニロヴィッチ:ダニエル・シュムッツハルト
Graf Danilo Danilowitsch:Daniel Schmutzhard
カミーユ・ド・ロション:メルツァード・モンタゼーリ Camille de Rosillon:Mehrzad Montazeri
カスカーダ子爵:ミヒャエル・ハヴリチェク Vicomte Cascada:Michael Havlicek
ラウル・ド・サン・ブリオシュ:カール=ミヒャエル・エブナー
Raoul de St. Brioche:Karl-Michael Ebner
ボグダノヴィッチ:ヨアヒム・モーザー Bogdanowitsch:Joachim Moser
シルヴィアーヌ:リディア・ペスキ Sylviane:Lidia Peski
クロモウ:マルティン・ヴィンクラー Kromow:Martin Winkler
オルガ:ベアーテ・リッター Olga:Beate Ritter
プリチッチ:フランツ・ズーラーダ Pritschitsch:Franz Suhrada
プラスコヴィア:アレクサンドラ・クルーゼ Praskowia:Alexandra Kloose
ニェーグシュ:ロベルト・マイヤー Njegus:Robert Meyer
ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団、ウィーン・フォルクスオーパー合唱団
ウィーン国立バレエ団 Chor und Orchester der Volksoper Wien
Wiener Staatsballett
◆上演時間◆ 第1幕 Act 1 15:00-16:20 休憩 Inter. 25 min. 第2幕 Act 2 16:45-17:50
「ああ、残念、極めて」
これはオペラではないことは分かっている。オペレッタという洒脱な世界を味わいにいってることも分かっている。分かりやすい色恋話でお客さんも笑って喜んでいる人もいる。しかし、だ。リドやムーランルージュのキャバレーショーを観に来ているのではないのだ。
俺はそんな小芝居を見たくてきているわけではない。
ウィーンの洒脱な世界を、「小芝居でなく」「音楽で」味合わせてもらいたいのだ。
4万円くんだり払って、昼間から酒も飲まずに見ているわけで、陶酔させてくれる魅力が欲しい。オケは決して悪くない。美術も安普請だなと思うけれどもいい。演技もいいです。しかし、声が全然ない。歌が2級品ばかりなのだ。
つまり、「小芝居」にはオペレッタの面白さを感じられても肝心の「歌唱」に一級の味わいがまったくないのだ。これでは興ざめだ。ついでに、コーラスら人の動かし方が雑すぎる。
前回は「ボッカチオ」など変わったネタをやってくれたので、どうにか最後までそこそこ楽しんでみられた。今回も「ウィンザーの陽気な女房たち」は歌は下手だが取りあえず見られたけれども、この「メリーウィドウ」は、「ああ残念、残念な午後」と思ってしまったのだ。ウィーン、オペレッタという憧れの厚化粧の下には掠れた存在でしかなかったと、言い過ぎだが、これもS席で見た人間の悔しさの現れと思って頂きたい。もういいや、フォルクスオパー。俺は民衆じゃないのだ。
2012年5月26日@東京文化会館
3幕のオペレッタ 台本:ヴィクトール・レオン、レオ・シュタイン
(アンリ・メイヤックの喜劇「大使館付随員」を原作とする)
Franz Lehár DIE LUSTIGE WITWE
Operette in drei Akten Text von Viktor Léon und Leo Stein
nach der Komödie "L'attaché d'ambassade" von Henri Meilhacr
指揮:エンリコ・ドヴィコ
Dirigent:Enrico Dovico
演出・美術:マルコ・アルトゥーロ・マレッリ
Regie und Bühnenbild:Marco Arturo Marelli
ミルコ・ツェータ:クルト・シュライプマイヤー
Baron Mirko:ZetaKurt Schreibmayer
ヴァランシェンヌ:ユリア・コッチー Valencienne:Julia Koci
ハンナ・グラヴァリ:アンネッテ・ダッシュ
Hanna Glawari:Annette Dasch
ダニロ・ダニロヴィッチ:ダニエル・シュムッツハルト
Graf Danilo Danilowitsch:Daniel Schmutzhard
カミーユ・ド・ロション:メルツァード・モンタゼーリ Camille de Rosillon:Mehrzad Montazeri
カスカーダ子爵:ミヒャエル・ハヴリチェク Vicomte Cascada:Michael Havlicek
ラウル・ド・サン・ブリオシュ:カール=ミヒャエル・エブナー
Raoul de St. Brioche:Karl-Michael Ebner
ボグダノヴィッチ:ヨアヒム・モーザー Bogdanowitsch:Joachim Moser
シルヴィアーヌ:リディア・ペスキ Sylviane:Lidia Peski
クロモウ:マルティン・ヴィンクラー Kromow:Martin Winkler
オルガ:ベアーテ・リッター Olga:Beate Ritter
プリチッチ:フランツ・ズーラーダ Pritschitsch:Franz Suhrada
プラスコヴィア:アレクサンドラ・クルーゼ Praskowia:Alexandra Kloose
ニェーグシュ:ロベルト・マイヤー Njegus:Robert Meyer
ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団、ウィーン・フォルクスオーパー合唱団
ウィーン国立バレエ団 Chor und Orchester der Volksoper Wien
Wiener Staatsballett
◆上演時間◆ 第1幕 Act 1 15:00-16:20 休憩 Inter. 25 min. 第2幕 Act 2 16:45-17:50
「ああ、残念、極めて」
これはオペラではないことは分かっている。オペレッタという洒脱な世界を味わいにいってることも分かっている。分かりやすい色恋話でお客さんも笑って喜んでいる人もいる。しかし、だ。リドやムーランルージュのキャバレーショーを観に来ているのではないのだ。
俺はそんな小芝居を見たくてきているわけではない。
ウィーンの洒脱な世界を、「小芝居でなく」「音楽で」味合わせてもらいたいのだ。
4万円くんだり払って、昼間から酒も飲まずに見ているわけで、陶酔させてくれる魅力が欲しい。オケは決して悪くない。美術も安普請だなと思うけれどもいい。演技もいいです。しかし、声が全然ない。歌が2級品ばかりなのだ。
つまり、「小芝居」にはオペレッタの面白さを感じられても肝心の「歌唱」に一級の味わいがまったくないのだ。これでは興ざめだ。ついでに、コーラスら人の動かし方が雑すぎる。
前回は「ボッカチオ」など変わったネタをやってくれたので、どうにか最後までそこそこ楽しんでみられた。今回も「ウィンザーの陽気な女房たち」は歌は下手だが取りあえず見られたけれども、この「メリーウィドウ」は、「ああ残念、残念な午後」と思ってしまったのだ。ウィーン、オペレッタという憧れの厚化粧の下には掠れた存在でしかなかったと、言い過ぎだが、これもS席で見た人間の悔しさの現れと思って頂きたい。もういいや、フォルクスオパー。俺は民衆じゃないのだ。
2012年5月26日@東京文化会館
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
HP:
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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