佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 五月大歌舞伎 夜の部 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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一、恋湊博多諷(こいみなとはかたひとふし)毛剃(けぞり)
 団十郎 菊之助 藤十郎 秀太郎 ほか
二、夕立
 菊五郎 時蔵
三、神田ばやし
 三津五郎 海老蔵 梅枝 
四、鴛鴦襖恋睦(おしのふすまこいのむつごと)おしどり
 海老蔵 菊之助 松緑

 都民劇場の歌舞伎サークルに入った。愛着のある歌舞伎座ともお別れなのでせいぜい多くのものを見ておきたいと思ったからだ。これなら一等席も1万円ちょっとで見られるわけで。今日は前から9列目。ほぼ真ん中の席で大満足。例年5月は団菊祭のはずなのに、そういう名前は外れたのかな?それでも、団十郎や菊五郎など大御所も顔を揃えた。実は今回拝見する四演目はすべて初見。歌舞伎座でこんなことは珍しいのでいやはや面白かった。おしどりだけは他でも見たこと会ったかも。
 団十郎が大病の後で、何かいろんなものが削げ落とされて良くなった感じがするのは僕だけだろうか。技術だけでなく一役一役大切に演じていることが良く分かるし、良い意味で力が抜けた。ご贔屓の亀蔵が毛剃と神田ばやしに出演しているのだが、何かどうでもいい役柄で勿体ない。
 夕立はとても美しい20分あまりの清元で菊五郎が良い意味で老けていい感じだった。神田ばやしは、目下若手男前歌舞伎役者ナンバーワンの海老蔵が馬鹿者を演じているのが面白い。三津五郎も老け役がとても美味く、最初はこれが三津五郎かと思ったくらい。梅枝って人の女形。最近ちょこちょこ見るのだが、市井の街娘をとても巧く演じるので感心してしまう。おしどりは平成の三の助勢揃いで豪華。もう海老蔵の二枚目ぶりがスゴくてこりゃファンが増えるのも当たり前だって感じ。菊之助が何か一段と良いですね。何かあったのかな?松緑さんは、ここでは相撲力士の役柄なんだけど、こういうのをやらせたら、現役トップのひとりになったなあ。口跡もとても良くなったと思うのだけれどどうなんだろ。
 歌舞伎はいつも大満足させてくれるので、とても嬉しいですな。

2009年5月3日
歌舞伎座

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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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