自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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現代最高のピアニストの来日。もう何回聞いたんだろう。日本で、ロンドンで、ニューヨークで。
10回じゃきかないし、もう20年以上聞いている。そのピアノ道のスゴさ。年齢を重ねて来たので一回一回が貴重です。
曲目 シューマン/ピアノソナタ第3番 幻想曲ハ長調 作品17
シェーンベルグ/6つのピアノ小品 作品19
ウェーベルン/ピアノのための変奏曲 作品27
ドビッシー/6つの練習曲(練習曲集第二集)
アンコール
ドビュッシー: 前奏曲集第1巻から 沈める寺
ドビュッシー: 前奏曲集第1巻から 西風の見たもの
リスト: 超絶技巧練習曲集から 第10番ヘ短調
前半にシューマンをおき、後半には、シェーンベルグ、ウェーベルンなどの現代曲をはさみ、最後にドビッシーで締めるという曲目。アンコールも沈める寺やリストの超絶戯曲などを配し素晴らしい演奏会だった。
この人のスゴいところは、一番魅力的に聞こえるのがシェーンベルグやウェーベルンになってしまうところだ。もちろんシューマンやドビッシーもいいのだが、現代の12音階のともすれば難解な曲が美しい光沢に輝く現代の名品。そう、美術は現代の不可思議な作品も受け入れる現代人なのに、何で音楽はだめなのだろうと思う。そして、ポリーニはその本質を見事にとらえ、我々に曲の魅力をあますところなく伝えてくれるのだ。
シューマンについて思ったこと。ポリーニといえば、すごく音の粒が際立ち、素晴らしい音を奏でるイメージなのだが、そういったものがすっかり影を潜め、音楽の本質に迷わず向かって行く、音の面白さや魅力だけでなくフレーズや音楽の構築の面白さ、魅力に迷わず向かって行く造形の深さを感じさせた。もちろん、そうはいっても音自体の魅力も兼ね備えているのだからスゴい。
空前絶後のピアニストの次の来日をまたまたまたまた楽しみにするばかりである。
2009年5月19日
サントリーホール
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
HP:
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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