佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 パリオペラ座バレエ ベジャールへのオマージュ 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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モールスベジャール振付
ベロパーン指揮
パリオペラ座管弦楽団 

 これが死か? 火の鳥 春の祭典

マニュエルルグリ カールパケット ニコラリルッシュ ステファニーロンベルグ ほか



春の祭典が見られますが期間限定のはずなので、今すぐどうぞ!

 20世紀を代表する振付け師、モーリスベジャール!が亡くなって1年。年末のバスチーユでは追悼の公演と展覧会が行われていました。ベジャールのバレエから3作品が踊られるわけです。
 ライモンダの古典的な方はチケットが完売で当日ヘンテコな席しか取れなかったのですが、こちらは、パリ当日にボックスオフィスに行くと前から5列目の真ん中が残っていてみました。それも、バレエファンにとっては目もくらむ配役陣です。
 高校の時に大家政子さんからもらったチケットで見たパリオペラ座の「ジゼル」。その次にパリオペラ座の来日公演を見たのがベジャールプロでした。78年から80年のころの公演です。こちらは自腹で行きました。1階席の一番後ろ、NHKホールだったと思います。なぜか、シルヴィギエムがビデオカメラで舞台を撮影していたのを鮮明に覚えています。3本くらいやったと思いますが見たかったのは春の祭典。何しろ高校の体育祭の応援合戦でなぜか僕に何か考えてくれと頼まれて、龍と戦う日本古代の戦士の踊りってのを、ストラビンスキーの春の祭典に併せてやるってのをやったんですよ。僕の振付けで。信じられないですね。男子30人でやるんですわ。いま考えると何だかヘンテコですが。でも大評判だったんです。まあ、高校内でですけど。俺がやったのは龍の頭ですね。
 3日間近くの公園で夜集まって練習する。そんな感じでした。ヘンテコな高校生だったなあ、俺。
何で春の祭典にしたかっていうと、クラシック音楽ファンで、やっとこさストラビンスキーまで高校に入り辿り着いた僕は、ピーエルブーレーズの録音で、この変拍子の音楽を楽しんでいたのですが、コリンディビスがアムステルダムコンセルトヘボウ管弦楽団と録音したものが超話題になっていて、レコードですよ。そのジャケットがベジャール振付けの春の祭典の写真だったんです。何だこれ?とか思ってました。また、「愛と哀しみのボレロ」っていう長い長いフランス映画があって、観に行って本当に退屈したのですが、最後の最後にエッフェル塔の前で、ベジャールの振付、希代のダンサージョルジュドンでボレロを踊るってシーンがあって、そこだけ何だか面白かった。それは日本中で話題になっていたんです。
 それから、ディズニーの古いアニメ「ファンタジア」の中の「春の祭典」。これは恐竜の絶滅をアニメで春の祭典に併せてやっていた。この音楽は、何か自由な発想でできるなあと、採用しやったわけです。そんな思いから、本場物のベジャールの春の祭典はどんな振付けなのかが興味があって、パリオペラ座の来日公演を観に行ったんですね。何かあまりにも良く分からなくて。何だこれ!なバレエ公演でした。
 それから、30年近くたって、今度は同じバレエ団で同じ振付けでパリのバスチーユで最高のキャストで見ました。ベジャール振付けの「春の祭典」は日本の東京バレエ団も同じ振付けで踊っていて2回くらい見たかな。それはそれでいいのですが、ラテンの人たちはやはり肉感が全然違って、血がしたたっている野性味があった。面白かったです。懐かしさといろんな思いを思いながら見ました。
 日本ではこのような現代的な振付けの場合には、たいてい録音に併せて踊るのですが、こちらは生オケ。やはり迫力が違います。これが死か?はリヒャルトシュトラウスの音楽に歌手も生で舞台の上でダンサーたちとコラボレートしながら唄います。非常に哲学的で良く分かんなかったです。
 火の鳥は、パルチザンにしちゃってる有名な奴でして、東京バレエ団のそれの方がいいかな?とも思いますが、こちらはユーモアがありました。ベジャールの追悼の公演は日本では都合がつかずどれも行けていないのにパリでは見られて不思議でした。

 
これもベジャール振付けの春の祭典のラストの部分です。ただ、パリオペラ座のものかどうかは分かりません。いづれにせよ、今回の舞台の方がシャープだったなあ。



パリオペラ座バスチーユ(パリ)
2008年12月24日
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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