佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 WICKED 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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作詞/作曲 スティーヴン・シュワルツ
脚本 ウィニー・ホルツマン
原作 グレゴリー・マグワイア
演出 ジョー・マンテロ

 この数年でもっとも感動した舞台作品のひとつが「ウィキッド」だ。2008年4月に劇団四季の舞台を観て驚いた。音楽、美術、ストーリー。何から何まで完璧な作品であり、現代的なのだ。誰が見ても楽しめる究極のエンタティメントであり、社会に対して牙をむき出すような強いメッセージ性もある。僕がいつか生み出してみたいのはこういう作品なのだ。
 ロンドンに行ったので見た。早くブロードウェイバージョンも見たい。オリジナルキャストで見られないのは残念だがとにかく見ておきたい。ロンドン版を見て思ったのは、ロンドンもオリジナルキャストではないので仕方ないのだが、劇団四季の水準の高さだ。アンサンブルの高さはもちろん、個々の出演者のカリスマ性まで一歩も譲らない。特に四季バージョンの表キャストで見たときは圧倒的だった。僕はミュージカルはとにかく音楽が良くないとダメなのですが、この作品は完璧です。緑の肌のエルファバをもってきて、アメリカの人種差別やマイノリティ差別、そして、それを越えるのはきっと法律とかじゃなくて、人が心から変わること。人を愛することでしかないことも訴える。きっと、それは、社会に突きつけられた問題でもあるのだけれど、ひとりひとりに突きつけられた問題なのだ。それをドかーンと示す。さらに、オズの魔法使いの単純な善悪の関係をひっくり返す。
 物事を単純に見ないことの大切さをも訴える。同時多発テロの後の異常なアメリカ社会に牙をむいた作品だったのだ。






こちらはトニー賞授賞式のときのパフォーマンスです。


2008年12月20日 アポロ劇場(ロンドン)

やっと見たニューヨーク版のウイキッド。もちろん素晴らしいのだけれど、エルファバの歌唱の迫力がいまひとつだった、技術的な問題よりも気持ちの込め方なんだと思った。最後のひとかけらが足りない感じなのだ。まあ、オープンして6年近く経っているわけで仕方のないことなんだけれど。

2009年1月21日 ガーシュイン劇場(ニューヨーク)



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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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