自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
ジョージガ−シュイン音楽
マシューブロデリック キャサリンオハラ 主演
Estelle Parsons Judy Kaye Michel McGrath Jennifer L Thompson Robyn Hurder
「名うてのコメディアンの競演!」 新作ではあるが話はあまりにも古い。骨董品。「Me&Mygirl」や「Anything goes」と同じ成功を狙うプロダクションだ。
舞台は禁酒法時代の1927年のロングアイランド。金持ちのバカ息子のたわいのない恋と結婚の物語である。ガーシュインの名曲をたっぷり使って単純なおばかな設定の中で今ではありえない語が繰り広げられる。ストーリーに突っ込みを入れてはならない。この舞台を見ると決めたとたんから、ストーリーはどうでもよくなる。そこから解き放たれて、そのたわいのない話をものすごく腕のある役者陣の名演を楽しめばいいのだ。驚いたことに彼らが思った以上に遊びまくる。まだ幕が開いたばかりだろうから、毎日が発見なのだろう。脚本のジョーディピエトロはメンフィスの脚本で2010年にトニー賞をとったばかりの勢いの人である。そして、演出のアキャサリーンマーシャルは振付も兼ねている。こちらは2011年にエニシングゴーズの再演でトニー賞。まあ名うての喜劇役者にゆだねる部分も多いだろう。そんな作品である。
舞台上で遊びながら新しい発見をしながら芝居を完成の極みに作り上げているのだ。
マシューブロデリックは共演者の演技を本当に楽しそうに見ていた。この人の力の抜き方は大したものだ。上に書いた役者は僕は知らない人も、見ているけれども顔と名前が一致しない人もいるが、調べてみるとものすごい人ばかりだ。そして、うまい。みんな自分の見せ場が分かっていて、お客さんを楽しませることを喜んでいる。観客の年齢層は高めであるが、これこそ日本で上演するのにふさわしい作品かもしれないと思った。
しかし、この作品のブロードウェイでの上演はトニー賞でもとらない限り、1年も続かないだろう。というのも、この舞台、話で見せるものではなく、これだけの超一流の喜劇人の芸を見せるものだからだ。そして彼らは同じ舞台を1年以上は続けないと思うからだ。芸を見るものだから、この面子がいなければ成立しない。
僕はマシューブロデリックをブロードウェイで見るのは5回目。1995年の「努力しないで出世する方法」シリアスな「夜は確実にやってくる」ネイサンレインと組んだ傑作2本「プロデューサーズ」と名作「おかしな二人」に続くもの。ブロデリックも年齢を感じさせ、童顔で永遠の青年役という設定はそろそろきかなくなってきている。今後どう展開するのだろう?
ブロードウェイで作品の良しあしよりも、名うての喜劇役者の名人芸を見たい人にオススメ。
2012年4月9日@ブロードウェイ インペリアル劇場
マシューブロデリック キャサリンオハラ 主演
Estelle Parsons Judy Kaye Michel McGrath Jennifer L Thompson Robyn Hurder
「名うてのコメディアンの競演!」 新作ではあるが話はあまりにも古い。骨董品。「Me&Mygirl」や「Anything goes」と同じ成功を狙うプロダクションだ。
舞台は禁酒法時代の1927年のロングアイランド。金持ちのバカ息子のたわいのない恋と結婚の物語である。ガーシュインの名曲をたっぷり使って単純なおばかな設定の中で今ではありえない語が繰り広げられる。ストーリーに突っ込みを入れてはならない。この舞台を見ると決めたとたんから、ストーリーはどうでもよくなる。そこから解き放たれて、そのたわいのない話をものすごく腕のある役者陣の名演を楽しめばいいのだ。驚いたことに彼らが思った以上に遊びまくる。まだ幕が開いたばかりだろうから、毎日が発見なのだろう。脚本のジョーディピエトロはメンフィスの脚本で2010年にトニー賞をとったばかりの勢いの人である。そして、演出のアキャサリーンマーシャルは振付も兼ねている。こちらは2011年にエニシングゴーズの再演でトニー賞。まあ名うての喜劇役者にゆだねる部分も多いだろう。そんな作品である。
舞台上で遊びながら新しい発見をしながら芝居を完成の極みに作り上げているのだ。
マシューブロデリックは共演者の演技を本当に楽しそうに見ていた。この人の力の抜き方は大したものだ。上に書いた役者は僕は知らない人も、見ているけれども顔と名前が一致しない人もいるが、調べてみるとものすごい人ばかりだ。そして、うまい。みんな自分の見せ場が分かっていて、お客さんを楽しませることを喜んでいる。観客の年齢層は高めであるが、これこそ日本で上演するのにふさわしい作品かもしれないと思った。
しかし、この作品のブロードウェイでの上演はトニー賞でもとらない限り、1年も続かないだろう。というのも、この舞台、話で見せるものではなく、これだけの超一流の喜劇人の芸を見せるものだからだ。そして彼らは同じ舞台を1年以上は続けないと思うからだ。芸を見るものだから、この面子がいなければ成立しない。
僕はマシューブロデリックをブロードウェイで見るのは5回目。1995年の「努力しないで出世する方法」シリアスな「夜は確実にやってくる」ネイサンレインと組んだ傑作2本「プロデューサーズ」と名作「おかしな二人」に続くもの。ブロデリックも年齢を感じさせ、童顔で永遠の青年役という設定はそろそろきかなくなってきている。今後どう展開するのだろう?
ブロードウェイで作品の良しあしよりも、名うての喜劇役者の名人芸を見たい人にオススメ。
2012年4月9日@ブロードウェイ インペリアル劇場
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
HP:
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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