自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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ロイヤルバレエは何回も見ているが、初めて見る英国バレエ団の永遠の二番手。演目は「真夏の夜の夢」をロイヤルバレエのエトワールだった吉田都で。そして、ダフニスとクロエも楽しみです。
「ダフニスとクロエ」
クロエ(羊飼い):ナターシャ・オートレッド
ダフニス(山羊飼い): ジェイミー・ボンド
リュカイオン(都会から来た人妻):アンブラ・ヴァッロ
ドルコン(牧夫):マシュー・ローレンス
「真夏の夜の夢」
オベロン:セザール・モラレス
タイターニア:吉田 都
パック:アレクサンダー・キャンベル
ボトム:ロバート・パーカー
指揮:フィリップ・エリス (「ダフニスとクロエ」)/ポール・マーフィー (「真夏の夜の夢」)演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
合唱:江東少年少女合唱団 (「真夏の夜の夢」)
◆上演時間◆「ダフニスとクロエ」 15:00 ― 16:00
【休憩】 25分「真夏の夜の夢」16:25-17:20
先ずはとても楽しかった。ラベルとメンデルスゾーンのおなじみの音楽。そのバレエは両方とも初めて見たのだ。そして、振付は両方ともイギリスバレエ界が心から敬愛するフレデリックアシュトンの見せ場と優雅さとユーモアのあるもの。会場が沸かないはずはない。「ダフニスとクロエ」は美術/舞台装置がピカソの若い頃の絵のような、ちょっとマチスと似ていた時代のピカソの絵の空気を出していた。それがこの幻想的な物語の枠組みを作るのにとても相応しい感じがした。それは、躍っている人達の衣装、特に色使いがとても美しかったのだ。冒頭に男女6人づつで躍るのだが、女性の衣装がパステル調の色なのだが微妙に違って、そのいろの配置が絶妙。覚えておきたかった。一方男性は、カーキ色のチノパンをはかせて、水色がかったシャツ。このダンスのシーンでこりゃいいなと思った。見ていると、アシュトンの振付けが、多くの人に影響を与えたことが良くわかる。あ、この感じは、ベジャールのギリシアの踊りでも見たなとか、マーサグラハム的だなとか思えるのだ。
最近の日本のオケの質の高さは本当に舌をまくのだが、東京シティフィルはまだまだというのが正直なところ。冒頭などは、楽団!といった感じで、ラヴェルの色気が出て来ない。それでも後半からはなかなか良くなって気にならなくなったけれど。
しかし、バレエの伴奏は、一時期ロイヤルオペラハウスが低迷していた頃に、ロンドンでみた「ロメオとジュリエット」のバレエで驚いた。本当に酷いオケだったからだ。それと比べると今日の東京シティフィルは悪くなかったけれども。
満員の観客のお目当ては後半の「真夏の夜の夢」である。そこに、昨年ロイヤルバレエ団を退団した吉田都が出演するからだ。僕は、美しいプリマドンナ。シルヴィギエムなどの名バレエダンサーが山ほどいるのに、なんでこんなに日本で人気が高いのかと思っていたら、数年前に初めてロンドンで吉田都の踊りを見て、すげー!と思った。そして、ロンドンでも物凄い人気だったのだ。
小柄なのだが、その技術力の高さ、優美さ、絶妙な具合に出してくる。力で攻めるようなことはしない舞台人としての見事さがあるのだ。メンデルスゾーンの音楽で55分間で「真夏の夜の夢」を表現するので、例えば職人などは明確に出て来ない。ハーミア、ライサンダーらの4人の話とタイターニアとボトムのロバとの恋の話が中心になる。
ここでも吉田都は本当に優美だった。会場中の視線が釘付けになっているのが分かる。このテンションの高さ!そして、パックのアレクサンダーキャンベルも見事な演技力と技術ですごかった。オベロンのセザールモラレスは7月に新国立劇場のバレエでも見る予定なので楽しみだ。
こちらでも最初のうちオケが気になって仕方なかったが後半からはそこそこ鳴ってくれた。バレエに音楽は大切だなと思った。
2011年5月29日 東京文化会館
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佐藤治彦 Haruhiko SATO
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男性
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演劇ユニット経済とH 主宰
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演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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