佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 音楽劇 ぼんち 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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わがぎえふ脚本 マキノノゾミ演出
出演 沢田研二 加納幸和 土居裕子 土田早苗 木下政治 有馬自由 野田晋市 小椋あずき



 こういう芝居を待っていた。王道の台本、現代の王道としての演出。華のある看板役者、個性的で芝居の上手い出演社たち、衣装も踊りも美術もよくて、そして、その上に音楽がある。
 昭和に消えた大阪船場の若旦那。二枚目、粋、格好良く遊ぶ、女にモテて女に優しい。義理人情にあつく、ちょいとのことではへこたれない。うるさい祖母と妻にライバルたち。かつて花登筺が書いた関西の商売ものの流れもあって、これ王道ものなのだ。もちろん作品は山崎豊子原作だし、こちらは、第二次世界大戦で破壊された大阪とそこから希望をもち再起を誓う姿で終わるところなどは、もうコテコテと言ってもいいくらいで、こうした小さな劇場で観られる贅沢さを感じるのだ。
 沢田研二は少し太ったかなと思うけれど、見事な歌唱と、志村けんさん風の肉体を使ったギャグを仕込んでお客さんに大サービス。大金持ちの旦那で加納さんが、品格ある立ち振る舞い。踊りも仕草も一日二日でできないものを披露している。わかぎえふさんだけに、加納さん、有馬自由さん、野田さん、木下さんの見せ場の作り方を心得ていらっしゃる。出演者全員が主要な役所がある暖かい台本だ。そして、それらは全部沢田研二さんが得になるようにできているのだ。
 土田早苗さんや、小椋あずきさんの見事な意地悪女の役も、細腕繁盛記の正子のように、微笑ましく楽しい。また、美術がキレイで、衣装が豪華で驚いた。
 2時間40分飽きさせない、日本の王道エンタティメントはここにある。
 

2008年4月15日
紀伊国屋サザンシアター

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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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