自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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シューベルト Schubert
ピアノ・ソナタ ホ長調 D157 Sonate E-Dur, D157
12のドイツ舞曲 D790 Deutsche Tänze, D790
3つのピアノ曲 D459a Klavierstücke, D459a
ピアノ・ソナタ 変イ長調 D557 Sonate As-Dur, D557
即興曲集 D899 Impromptus, D899
「心に沁み入る理想的な一夜」
ベルリンフィルやウィーンフィル、超一流オペラハウスの来日公演のような大型の来日公演で3万円とか6万円といったチケット代を払う。家でCDで何回もきいた音楽を生で追体験する。熱狂の大拍手は、この音楽をこの演奏者で生で聞いたという充足感で満たされ熱狂する。それが理想的なコンサートと思っている人が多くないか。いや私もそういうコンサートを心のどこかで求めている事がある。
しかし、ゲルハルトオピッツのコンサートはそういうコンサートとは趣きが大きく違った。4年に渡って毎年2プログラムづつ、シューベルト作曲のピアノ曲を演奏する連続演奏会の3年目の3回目。オピッツは、協奏曲のソリストとして聞いた事はあるが、ソロコンサートは初めてだ。最後の即興曲集以外は普段聞くような曲でもない。だから、コンサートでこの誠実でドイツ音楽の王道の演奏によって聴衆は音楽と出会う。何と幸せな出会いだろう。ふたつのシューベルト初期のピアノソナタ、舞曲といった音楽を、ひとつひとつの音を異様なほど磨き挙げたり、粒を際立たせたりせずふんわりと大きく包み込むような、普通の演奏を淡々と演奏するオピッツの演奏で出会えたのだから。
ピアニストのソロコンサートでも、ポリーニやアルゲリッチ、ボゴレリッチ、キーシンといった超人気ピアニストや、ランランを始めとする人気のアジア人ピアニストの演奏と違って、60になろうとするこのオピッツの演奏は良質な普段着の良さがある。おいしく毎日食べても飽きないし安心できる家庭料理というか。
会場も異様な期待の中で始まるといった趣きではなく、素敵な音楽と普通に出会い心が緩んでいく幸せを感じる事のできる一夜だった。
これってきっとヨーロッパの地方都市で開かれる音楽会の趣きじゃないのか。どうもパシフィックコンサートマネジメントの演奏会はこのような演奏会が多い。今回も5000円という手頃な価格ということも関係しているのかな。ポリーニのようにソロピアニストの演奏会に25000円という価格は確かに異常だものな。
無料で配られる簡単なプログラムの最後に来年と再来年のこのコンサートの日程が書いてあった。僕は手帳に書き込んだ。
2011年12月13日 東京オペラシティコンサートホール
ピアノ・ソナタ ホ長調 D157 Sonate E-Dur, D157
12のドイツ舞曲 D790 Deutsche Tänze, D790
3つのピアノ曲 D459a Klavierstücke, D459a
ピアノ・ソナタ 変イ長調 D557 Sonate As-Dur, D557
即興曲集 D899 Impromptus, D899
「心に沁み入る理想的な一夜」
ベルリンフィルやウィーンフィル、超一流オペラハウスの来日公演のような大型の来日公演で3万円とか6万円といったチケット代を払う。家でCDで何回もきいた音楽を生で追体験する。熱狂の大拍手は、この音楽をこの演奏者で生で聞いたという充足感で満たされ熱狂する。それが理想的なコンサートと思っている人が多くないか。いや私もそういうコンサートを心のどこかで求めている事がある。
しかし、ゲルハルトオピッツのコンサートはそういうコンサートとは趣きが大きく違った。4年に渡って毎年2プログラムづつ、シューベルト作曲のピアノ曲を演奏する連続演奏会の3年目の3回目。オピッツは、協奏曲のソリストとして聞いた事はあるが、ソロコンサートは初めてだ。最後の即興曲集以外は普段聞くような曲でもない。だから、コンサートでこの誠実でドイツ音楽の王道の演奏によって聴衆は音楽と出会う。何と幸せな出会いだろう。ふたつのシューベルト初期のピアノソナタ、舞曲といった音楽を、ひとつひとつの音を異様なほど磨き挙げたり、粒を際立たせたりせずふんわりと大きく包み込むような、普通の演奏を淡々と演奏するオピッツの演奏で出会えたのだから。
ピアニストのソロコンサートでも、ポリーニやアルゲリッチ、ボゴレリッチ、キーシンといった超人気ピアニストや、ランランを始めとする人気のアジア人ピアニストの演奏と違って、60になろうとするこのオピッツの演奏は良質な普段着の良さがある。おいしく毎日食べても飽きないし安心できる家庭料理というか。
会場も異様な期待の中で始まるといった趣きではなく、素敵な音楽と普通に出会い心が緩んでいく幸せを感じる事のできる一夜だった。
これってきっとヨーロッパの地方都市で開かれる音楽会の趣きじゃないのか。どうもパシフィックコンサートマネジメントの演奏会はこのような演奏会が多い。今回も5000円という手頃な価格ということも関係しているのかな。ポリーニのようにソロピアニストの演奏会に25000円という価格は確かに異常だものな。
無料で配られる簡単なプログラムの最後に来年と再来年のこのコンサートの日程が書いてあった。僕は手帳に書き込んだ。
2011年12月13日 東京オペラシティコンサートホール
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
HP:
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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