佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 牧阿佐美バレエ団 ノートルダム・ド・パリ 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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ローランプティ 振付
モーリスジャール 音楽
イブサンローラン 衣装
Dガルフォース指揮 東京ニューシティ管弦楽団

Mアレクサンドロワ/菊池研/中家正博/逸見智彦




「ボリショイの華、アレクサンドロワの圧倒感」
 何しろアレクサンドロワが圧倒的だった。バレエの舞台でこれほど美術も衣装にも凝ったもので素晴らしかった。しかし、期待していたモーリスジャールのオリジナルの音楽も含めて全てはアレクサンドリアが持って行った。
 何しろ彼女は成りきっているのだ。技術も、美貌も、演技力も、この舞台の中で誰も適わない。圧倒的な存在感だ。
 冒頭で群衆のダンスがあるのだが、何か学芸会を見ているような感じがした。誰もパリの人達に見えない。何か「トゥーラントッド」の冒頭かよ!とか思ってしまった。パリよりも北京という感じだ。それは、何か、体操のように見えるのだ。こういう振付けだからこう動いてます!みたいなね。心にパリの、身体に革命前夜の空気が何もないのだ。東京バレエ団の20年前のレベルだなあと思った。
 期待したモーリスジャールの音楽もイマイチ。映画音楽のような物は書かないぞっていう意識が強すぎて彼の良さが出ていない。頼んだ方も、アラビアのロレンス やら ドクトルジバゴ を知って頼んでいるはずなのに。管弦楽は彼が映画のために書いた域内にとどまり、メロディや魅力はそれ以下だった。ひとつ心に残るメロディか何かが欲しかった。菊池研のカジモドは健闘していた。アレクサンドロワが出ていなければ素晴らしかった!と言っただろう。出て来た瞬間にせむし男になっていた。ただね、エスメラルダへの愛情が内省的なものにとどまりすぎていて、もう少し発散させなきゃと思ったです。アレクサンドロワはちゃんと他の出演者に投げかけているし、他のダンサーを受けて踊っているのになあと思った。他の二人のメインのダンサーにも言えるけれど、技術は素晴らしいけれども、今ひとつ演じるというところではアレクサンドロワのすごさから盗んで欲しいなあと思った。演じるとは、演じるのではなく成るものなのです。
2012年2月18日@新国立劇場オペラハウス
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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