佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 劇団新派 日本橋 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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作 泉鏡花 
演出 戊井市郎 斎藤雅文 
出演 波乃久里子 高橋恵子 市川段治郎 安井昌二 田口守 伊藤みどり 井上恭太 ほか



 劇団新派を見るのは何年ぶりかな。それも三越劇場という小さな空間で拝見するのは初めてのはず。高橋恵子が美しく、どこまでも魅力的に淡々と演じるのに対し、波乃さんの情念の出し方の素晴らしいこと。見事な演出。久里子さん、どんどん勘三郎さんと生き写し(?)であります。顔の表情、台詞の調子、声のイガイガになるポイントまで似ている。三越劇場という小さな劇場では小さな仕草や息の具合まで全部大切になってくるけれども、その感じが見事。きっと計算された訓練で到達されたものも多いのだろうけれど鳴りきられている感が非常に多いと思った。それは田口守さんにもいえて、まあ常人でない役柄をウソのない感じで。へえ、新派ってこういう役者も在籍していたのかという印象である。
 新派らしいのだけれども伊藤みどりさんのいいこと。ああいう演技をきちんとされる役者は昭和にはいたけれども今はいないから、拝見してすっかりファンになりました。伊藤さんの出ている三婆見て見たい。井上恭太は、大輪の花が開く予感のする俳優でした。この役者をどう育てるかによって新派の未来が影響されるのではないかなあ。そう思ったのであります。違っていたらゴメンナサイ。

1月18日 三越劇場
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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