自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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振付 モーリスベジャール
「ダンス・イン・ザ・ミラー」(東京バレエ団初演)
男:木村和夫
ラ・ダンス 現代のためのミサ カンパニー、舞楽: 小笠原亮、高村順子、佐伯知香、長瀬直義、宮本祐宜 メロディーたち 未来のためのミサ、カップル ヘリオガバル:上野水香、柄本弾
パ・ド・シス バロッコ・ベルカント: 小出領子、佐伯知香、田中結子、松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜 高橋竜太 扇のパ・ド・トロワ:斎藤友佳理、井脇幸江、吉岡美佳 男性群舞 M:高岸直樹、後藤晴雄、小笠原亮、柄本弾ほか アタック 火の鳥:木村和夫 高橋竜太、松下裕次、氷室友、長瀬直義、梅澤紘貴 西村真由美、佐伯知香、奈良春夏 フィナーレ 未来のためのミサ:カンパニー全員
「チェロのための5つのプレリュード」吉岡美佳、高橋竜太「ボレロ」 後藤晴雄 松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜、柄本武尊
世代交代がすぐに必要な状況を如実に物語っていた公演
東京バレエ団は間違いなく曲り角を来ている。20年前のこのカンパニーの若手は貧弱だったし、その分、コーラスもイマイチだった。男なら高岸、木村といった人たちがこのカンパニーを引っ張っていた。いまは違う。充実の若手がこのカンパニーの魅力を支えている。それに反して、例えば今宵の木村和夫はどうだったろうか?20年前に踊り出した火の鳥。ベジャールやバレエの魅力に取り憑かれた男のような感じがある。それは欧州のベテランバレエダンサーにも似たような形相で、見ていてちょっと痛々しい。女性のプリンシパルの斎藤、井脇、吉岡といった人たちが自らの肉体と語り合いながら新しい世界を見出しているのに対して、肉体を痛み付け、若い頃の踊りにすごく執着しているような感じがしてしまう。それは、もはや後藤晴雄にもいえて、このカンパニーはこの二人をもっと違うところで起用する形にいますぐ変えるべきではないかと思った。何しろボレロの後藤も彼が十年前にもっていた沸き上がるエネルギーを爆発させて踊るといった感じではない。
何しろこのカンパニーは面白い人材がいっぱいいる.例えば、高橋竜太の存在はどうだろう。今宵も与えられた役回りで観客をもっていったけれども、もっとセンターで彼を使うべきではないだろうか?ベジャールの承認がなければ踊れないというボレロのメロディであるが、例えば高橋竜太が踊ったらどうだろうと、あの赤いテーブルの下で踊る高橋を見ながら思ってしまった。
そして、いまや東京バレエ団には柄本兄弟という実力も花もある最終兵器をもっているのだ。柄本兄弟のボレロは見て見たいと思う。それも5年後ではなくできるだけ早いタイミングで見たいと思わせる魅力を備えていた。
今宵、特に面白かったのは、ダンスインザミラーの冒頭のポップな音楽に併せて踊るラダンス、そして、強力なペアとなった上野水香と柄本弾がアフリカの民族音楽に併せて性の喜びをユーモア交えて踊るヘリオガバル、これは、もう奇跡のカップルといっていい。素晴らしい。柄本弾は由良の介を偶然に見てあれこんなスターがいたんだと思ったら、まだ21才。これから延びて行くんだろうが、非常に商業的にも価値のある逸材だ。日本でギエムと並ぶ名ダンサーの上野と二人で踊るものをもっと見てみたい。そして、扇のパドトロワでの斎藤友佳理、井脇幸江、吉岡美佳による美しく技術を感じさせない超絶な舞。そして、後半にサプライズとして付け足されたチェロである。全体を通して高橋のヒップホップなストリート系の技術を取り入れたダンスは非常にこの作品に魅力を加えていた。
ボレロは前述のように退屈だった。むしろ、下で踊っている人たちの方が面白かった。高橋竜太は椅子からひとりだけ後藤の踊りを見ていなかった。何かスゴく印象的であった。
高橋竜太はとにかく天才でユーモアもある日本にはいなかったタイプのダンサー、柄本兄弟はスター性充分な逸材、上野水香は日本人でギェムと並ぶ逸材でありながら日本で踊ってくれているエトワール。そして、驚いたのは出番は少なかったけれどもキング高岸直樹が堂々とその存在感を表していた。彼のすごいところは年齢に逆らっていないところだ。東京バレエ団、早く変化に対応して欲しい。そして、もう一段上に上がってもらいたい。いまやパリオペラ座と並ぶ世界の最高峰名バレエ団になりつつあるからだ。
東京バレエ団には、いいバレエダンサーがいるのに代替わりがないからか、辞めてしまう。逸材を逃してしまっているのだ。そりゃいい人材は、腐るよなあ。
シルヴィギエムのような力強い踊りをするエトワール 上野水香
これからの日本バレエ界のスター 柄本武尊(兄。国立劇場バレエ→東京バレエ団)
ノーブルながらヒップな感覚を持つ柄本弾(弟)
日本にはいなかったタイプの逸材 高橋竜太
今や世界でも指折りのメロディを踊る上野。そして、ここにいる3人のメロディで「ボレロ」を見て見たいなあ〜。東京バレエ団、いますぐ世代交代を!
2011年2月4日@五反田ゆうぽうと大ホール
「ダンス・イン・ザ・ミラー」(東京バレエ団初演)
男:木村和夫
ラ・ダンス 現代のためのミサ カンパニー、舞楽: 小笠原亮、高村順子、佐伯知香、長瀬直義、宮本祐宜 メロディーたち 未来のためのミサ、カップル ヘリオガバル:上野水香、柄本弾
パ・ド・シス バロッコ・ベルカント: 小出領子、佐伯知香、田中結子、松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜 高橋竜太 扇のパ・ド・トロワ:斎藤友佳理、井脇幸江、吉岡美佳 男性群舞 M:高岸直樹、後藤晴雄、小笠原亮、柄本弾ほか アタック 火の鳥:木村和夫 高橋竜太、松下裕次、氷室友、長瀬直義、梅澤紘貴 西村真由美、佐伯知香、奈良春夏 フィナーレ 未来のためのミサ:カンパニー全員
「チェロのための5つのプレリュード」吉岡美佳、高橋竜太「ボレロ」 後藤晴雄 松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜、柄本武尊
世代交代がすぐに必要な状況を如実に物語っていた公演
東京バレエ団は間違いなく曲り角を来ている。20年前のこのカンパニーの若手は貧弱だったし、その分、コーラスもイマイチだった。男なら高岸、木村といった人たちがこのカンパニーを引っ張っていた。いまは違う。充実の若手がこのカンパニーの魅力を支えている。それに反して、例えば今宵の木村和夫はどうだったろうか?20年前に踊り出した火の鳥。ベジャールやバレエの魅力に取り憑かれた男のような感じがある。それは欧州のベテランバレエダンサーにも似たような形相で、見ていてちょっと痛々しい。女性のプリンシパルの斎藤、井脇、吉岡といった人たちが自らの肉体と語り合いながら新しい世界を見出しているのに対して、肉体を痛み付け、若い頃の踊りにすごく執着しているような感じがしてしまう。それは、もはや後藤晴雄にもいえて、このカンパニーはこの二人をもっと違うところで起用する形にいますぐ変えるべきではないかと思った。何しろボレロの後藤も彼が十年前にもっていた沸き上がるエネルギーを爆発させて踊るといった感じではない。
何しろこのカンパニーは面白い人材がいっぱいいる.例えば、高橋竜太の存在はどうだろう。今宵も与えられた役回りで観客をもっていったけれども、もっとセンターで彼を使うべきではないだろうか?ベジャールの承認がなければ踊れないというボレロのメロディであるが、例えば高橋竜太が踊ったらどうだろうと、あの赤いテーブルの下で踊る高橋を見ながら思ってしまった。
そして、いまや東京バレエ団には柄本兄弟という実力も花もある最終兵器をもっているのだ。柄本兄弟のボレロは見て見たいと思う。それも5年後ではなくできるだけ早いタイミングで見たいと思わせる魅力を備えていた。
今宵、特に面白かったのは、ダンスインザミラーの冒頭のポップな音楽に併せて踊るラダンス、そして、強力なペアとなった上野水香と柄本弾がアフリカの民族音楽に併せて性の喜びをユーモア交えて踊るヘリオガバル、これは、もう奇跡のカップルといっていい。素晴らしい。柄本弾は由良の介を偶然に見てあれこんなスターがいたんだと思ったら、まだ21才。これから延びて行くんだろうが、非常に商業的にも価値のある逸材だ。日本でギエムと並ぶ名ダンサーの上野と二人で踊るものをもっと見てみたい。そして、扇のパドトロワでの斎藤友佳理、井脇幸江、吉岡美佳による美しく技術を感じさせない超絶な舞。そして、後半にサプライズとして付け足されたチェロである。全体を通して高橋のヒップホップなストリート系の技術を取り入れたダンスは非常にこの作品に魅力を加えていた。
ボレロは前述のように退屈だった。むしろ、下で踊っている人たちの方が面白かった。高橋竜太は椅子からひとりだけ後藤の踊りを見ていなかった。何かスゴく印象的であった。
高橋竜太はとにかく天才でユーモアもある日本にはいなかったタイプのダンサー、柄本兄弟はスター性充分な逸材、上野水香は日本人でギェムと並ぶ逸材でありながら日本で踊ってくれているエトワール。そして、驚いたのは出番は少なかったけれどもキング高岸直樹が堂々とその存在感を表していた。彼のすごいところは年齢に逆らっていないところだ。東京バレエ団、早く変化に対応して欲しい。そして、もう一段上に上がってもらいたい。いまやパリオペラ座と並ぶ世界の最高峰名バレエ団になりつつあるからだ。
東京バレエ団には、いいバレエダンサーがいるのに代替わりがないからか、辞めてしまう。逸材を逃してしまっているのだ。そりゃいい人材は、腐るよなあ。
シルヴィギエムのような力強い踊りをするエトワール 上野水香
これからの日本バレエ界のスター 柄本武尊(兄。国立劇場バレエ→東京バレエ団)
ノーブルながらヒップな感覚を持つ柄本弾(弟)
日本にはいなかったタイプの逸材 高橋竜太
今や世界でも指折りのメロディを踊る上野。そして、ここにいる3人のメロディで「ボレロ」を見て見たいなあ〜。東京バレエ団、いますぐ世代交代を!
2011年2月4日@五反田ゆうぽうと大ホール
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
HP:
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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