佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 古澤巌 バイオリンコンサート 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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バイオリン/古澤巌  ピアノ/高橋悠治
ブラームス/バイオリンソナタ 第1楽章
フランク/バイオリンソナタ 第2・3楽章
シューマン/バイオリンソナタ第2番
  


古澤巌は近年、純粋なクラシック音楽の演奏よりもそれ以外の音楽活動に力をいれているように見えるが、この日は名ピアニスト高橋悠治を迎えてロマン派の渋いバイオリンの曲を並べたコンサートを行った。古澤は20年ほど前にはもっと鋭角な感じのする演奏をするイメージがあったが、近年のポップスやジプシー音楽などさまざまな演奏をしてきたことからか、音楽がいい意味で円みを帯び、ブラームスなど力のいれ具合が絶妙で驚いた。途中にMCを挟みながらのコンサートだった。
 ということで、ブラームスには変な重さがないし、フランクの歌心もとても良かった。いや丁寧で唄ごころのある演奏だった。ボウイングが丁寧で力が最後まで抜けていないから音がちゃんと響く。フレージングの中できちんとまとまり、それが全体の構成の1部として機能している。高音なんかがキーキー来ない。
 後半の大曲、シューマンのソナタは少しテクニック的に荒いかなあと思うところも散見されたが、高橋悠治とともに音楽を骨太にとらえる演奏はとても好感がもてた。古澤巌のクラシックの演奏会をききたい。ただし、MCは良くない。壊れた森進一のようなしゃべり方で、音楽の余韻もあったもんじゃない。聞く側の集中力が切れてしまう。ファンへのサービスというのは分かるが、話すのならきちんと戦略的にやってもらいたい。音楽がきちんとしているだけに、そこは素人のそれだった。
 また、当日のプログラムとしては、高橋悠治氏のソロ曲を20分くらいひとつ入れるともっと魅力的で集客にも良かったのではないかと思うのだけれども、どうでしょう?

2011年2月6日 白寿ホール
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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