自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
台本 土田英生
演出 茅野イサム
出演 土田裕一 鷲尾昇 上原健太 黒川薫 小須田康人
土田英生のこの作品は、東京でも数多くの上演がされている。流山児☆事務所、花組芝居と個性の強い面々が上演してもびくともしないものを持っている。しかし、男の話だよなあ。若い女性客が観客の98%以上をしめるパニッシュの公演で果たして受け入れてもらえるのだろうかと思っていたら全くの杞憂だった。それどころか、この作品の肝をキチンとあぶり出しながら、社会に対して側面攻撃をしながら時代と向き合う土田の作品の滲み出てくる毒をきちんと観客に届けていた。
観客は多いに笑い面白がっていた。小須田さんが登場するまでが鍵なんだよなあと思っていて見ていたら、冒頭から芝居はアンサンブルを大切に地道に積み上げて行った。決してスタンドプレーはなかった。いつもは、踊りやコント、そして、ミュージカルを楽しんでいるであろう観客から逃げずに、しかも、笑いはあるものの硬質なこの作品と向かい合い、その本質を届けていた。
最初の30分ほど、地道に積み上げて行く。すこしづつ引き込んで行く。役者にとって観客が受け入れているかはとても気になることで、孤独と不安に苛まれるものなのである。しかし、それを手に入れるために、決してなにか変わったことをして人目を惹こうとするような姑息な手段を、演出の茅野イサムはしない。させない。今までもそうだった。むしろ、役者が発するものを芝居の中に取り入れて行くことを大切にする。役者がやりたいこと、得意技を封印するようなことはしないのである。だからこそ、観客と舞台が一体に成るまでの時間を耐え抜くパワーが役者に持続するのである。
しばらくは、いつの時代でもあるおふざけの様な設定のシーン。その4人だけで見せる部分で客を引き込み、小須田さんの登場とともに一気にフルスルットルとなる。なぜ、鉄塔にこの若者はいるのか。何が起きているのか。どんどん、ヤバい種明かしがされるのであるが、客はそれで、それでとなってしまっていたのである。客が引き込まれているのだと確信したのは、しばらくして、パニッシュの二人が舞台から消えるシーンである。客の95%以上は、土屋と鷲尾を観に来ているのである。二人が消えた瞬間に集中力が途切れてしまう可能性があった。しかし、その時点で、客は芝居にのめり込んでいたのである。
シンプルで、しかし、必要なものは全部揃っている美術も良く出来ていて、円形劇場の高さを上手く利用した美術は良かったし、衣装も気が利いていた。上原健太も、先月の「トラオ」とは、芝居の方法論を上手くギアチェンジして、このアウェイな世界で上手く受け入れてもらえていた。
どこが茅野イサムの演出なんだと言う人もいるかもしれない。この王道感のある演出。これが茅野イサムなのである。しかし、作品にマーキングしたがる演出家が多い中で、この座組を生かす舞台を提供し、適切な選択をし、交通整理をすることのできる演出家は数少ないのではないか。演出家は数多くいる中で、最近、茅野イサムが売れっ子な理由が本当に良く分かる。
2008年4月27日
青山円形劇場
演出 茅野イサム
出演 土田裕一 鷲尾昇 上原健太 黒川薫 小須田康人
土田英生のこの作品は、東京でも数多くの上演がされている。流山児☆事務所、花組芝居と個性の強い面々が上演してもびくともしないものを持っている。しかし、男の話だよなあ。若い女性客が観客の98%以上をしめるパニッシュの公演で果たして受け入れてもらえるのだろうかと思っていたら全くの杞憂だった。それどころか、この作品の肝をキチンとあぶり出しながら、社会に対して側面攻撃をしながら時代と向き合う土田の作品の滲み出てくる毒をきちんと観客に届けていた。
観客は多いに笑い面白がっていた。小須田さんが登場するまでが鍵なんだよなあと思っていて見ていたら、冒頭から芝居はアンサンブルを大切に地道に積み上げて行った。決してスタンドプレーはなかった。いつもは、踊りやコント、そして、ミュージカルを楽しんでいるであろう観客から逃げずに、しかも、笑いはあるものの硬質なこの作品と向かい合い、その本質を届けていた。
最初の30分ほど、地道に積み上げて行く。すこしづつ引き込んで行く。役者にとって観客が受け入れているかはとても気になることで、孤独と不安に苛まれるものなのである。しかし、それを手に入れるために、決してなにか変わったことをして人目を惹こうとするような姑息な手段を、演出の茅野イサムはしない。させない。今までもそうだった。むしろ、役者が発するものを芝居の中に取り入れて行くことを大切にする。役者がやりたいこと、得意技を封印するようなことはしないのである。だからこそ、観客と舞台が一体に成るまでの時間を耐え抜くパワーが役者に持続するのである。
しばらくは、いつの時代でもあるおふざけの様な設定のシーン。その4人だけで見せる部分で客を引き込み、小須田さんの登場とともに一気にフルスルットルとなる。なぜ、鉄塔にこの若者はいるのか。何が起きているのか。どんどん、ヤバい種明かしがされるのであるが、客はそれで、それでとなってしまっていたのである。客が引き込まれているのだと確信したのは、しばらくして、パニッシュの二人が舞台から消えるシーンである。客の95%以上は、土屋と鷲尾を観に来ているのである。二人が消えた瞬間に集中力が途切れてしまう可能性があった。しかし、その時点で、客は芝居にのめり込んでいたのである。
シンプルで、しかし、必要なものは全部揃っている美術も良く出来ていて、円形劇場の高さを上手く利用した美術は良かったし、衣装も気が利いていた。上原健太も、先月の「トラオ」とは、芝居の方法論を上手くギアチェンジして、このアウェイな世界で上手く受け入れてもらえていた。
どこが茅野イサムの演出なんだと言う人もいるかもしれない。この王道感のある演出。これが茅野イサムなのである。しかし、作品にマーキングしたがる演出家が多い中で、この座組を生かす舞台を提供し、適切な選択をし、交通整理をすることのできる演出家は数少ないのではないか。演出家は数多くいる中で、最近、茅野イサムが売れっ子な理由が本当に良く分かる。
2008年4月27日
青山円形劇場
作 横内謙介
演出 杉田成道
出演 藤本美貴 山本亨 川西佑佳 高木トモユキ ほか
この作品は何回か観劇しているし、三木さつき、山中崇の初演が良かったと思っていたので、なかなかなじめなかったが、今回の上演はこの作品の良さと、そして、小劇場作品を大劇場で上演する場合の変更の仕方がとても上手くいっていて楽しめる作品となった。
主役のハカナのミキティの台詞廻しや演技について批判をする人が少なくない。確かに、彼女は彼女のままだし、少なくても明治以前の日本の女の雰囲気はほとんどない。ミキティが恋人に泣きついたり、ミキティが悲しんだり、愛したりするときのそのままでやっているのだろう。しかし、それでいいのである。彼女にこの舞台の稽古でスタイルを短い稽古期間で教え、トレーニングし演技してもらったら、気持ちの入らない型だけのものになってしまう可能性がでかい。そういう偽物を客は望んでいないのである。それよりは、ミキティのままで構わないから気持ち、感情を大切に演技を作ってもらう方がいいのだ。杉田成道さんの演出家としての選択の正しさがここに集約されている。そして、これは主役だけに許された特権だと思う。
一方、大口兼吾は台詞もスタイルもきちんとこなしていて、うまくミキティの相手役を務めたと思う。あっぱれだ。少し線が細いのが気になるが、あれだけ一本調子の分かりやすい演技をしながら、客に飽きさせないというのは大したものだ。昨年、新宿のシアターサンモールで、牧田明宏の不可思議な芝居をしていたのと同じ男が演技しているとは思えないほど、劇場というものを知っている。才能ってこういうことだろう。ベテランの山本亨や、村杉蝉之助といった俳優もこうした大劇場の舞台の溶け込み方をしっていてなるほどなあと思った。
こうした武器と制約のあるなかで、杉田成道さんの演出は王道で、美しかった。ホリヒロシの人形を導入したアイデアも秀逸だ。この作品はいつの間にか横内謙介の代表作として、何度も再演される演目に育ってきた。次はだれがどのような形で上演するのか、大変楽しみにしている。
2008年4月26日
明治座
演出 杉田成道
出演 藤本美貴 山本亨 川西佑佳 高木トモユキ ほか
この作品は何回か観劇しているし、三木さつき、山中崇の初演が良かったと思っていたので、なかなかなじめなかったが、今回の上演はこの作品の良さと、そして、小劇場作品を大劇場で上演する場合の変更の仕方がとても上手くいっていて楽しめる作品となった。
主役のハカナのミキティの台詞廻しや演技について批判をする人が少なくない。確かに、彼女は彼女のままだし、少なくても明治以前の日本の女の雰囲気はほとんどない。ミキティが恋人に泣きついたり、ミキティが悲しんだり、愛したりするときのそのままでやっているのだろう。しかし、それでいいのである。彼女にこの舞台の稽古でスタイルを短い稽古期間で教え、トレーニングし演技してもらったら、気持ちの入らない型だけのものになってしまう可能性がでかい。そういう偽物を客は望んでいないのである。それよりは、ミキティのままで構わないから気持ち、感情を大切に演技を作ってもらう方がいいのだ。杉田成道さんの演出家としての選択の正しさがここに集約されている。そして、これは主役だけに許された特権だと思う。
一方、大口兼吾は台詞もスタイルもきちんとこなしていて、うまくミキティの相手役を務めたと思う。あっぱれだ。少し線が細いのが気になるが、あれだけ一本調子の分かりやすい演技をしながら、客に飽きさせないというのは大したものだ。昨年、新宿のシアターサンモールで、牧田明宏の不可思議な芝居をしていたのと同じ男が演技しているとは思えないほど、劇場というものを知っている。才能ってこういうことだろう。ベテランの山本亨や、村杉蝉之助といった俳優もこうした大劇場の舞台の溶け込み方をしっていてなるほどなあと思った。
こうした武器と制約のあるなかで、杉田成道さんの演出は王道で、美しかった。ホリヒロシの人形を導入したアイデアも秀逸だ。この作品はいつの間にか横内謙介の代表作として、何度も再演される演目に育ってきた。次はだれがどのような形で上演するのか、大変楽しみにしている。
2008年4月26日
明治座
作演出 田村孝裕
出演 田中直樹(ココリコ)小林隆 関川太郎 和田ひろ子 ほか
田村孝裕は既に大御所の域にあり、業界の注目やチェックも既にきびしいものになりつつある。業界は残酷だから、取りあえず持ち上げるところまでは持ち上げる。いまはその過程にある。そう言う中で、田村は、絶賛を受けた前回公演の「ゼブラ」のような作品など、向田邦子の世界を思わせる力作を書くかと思えば、そこに安住せずに、今回のような作品や、「パレード」のような作品も発表する。まだまだ、俺の守備範囲は広がるはずだと頑張っているのだ。その意気込みはスゴい。
今回は劇団公演ではあるが、表記の4人の出演者を中心に描かれる10数年の年月の話は、時に良く分からなかったりもするし、この作品って面白いのか?と思ったりもする。田村が書きたいことはこれなのだろうからそれでいい。もう観客に分かりやすく理解してもらうことだけを書く作家ではないのだ。特に劇団公演では。しかし、プロだからやり過ぎ、行き過ぎは抑えるのだろう。今回も、話がちょいだれそうになると、出番の少ない表記以外の劇団員がワンシーンづつ出てきて、渾身の力を込めてシーンを盛り上げて去って行く。素敵だなあ、劇団ってよーと思うのだ。
小林隆さんはパレードのような作品で見たかったなあとか、関川太郎には、もっとドロドロとした嫌な人間を書いてもらいたいと思うのだが、それはそれで、僕の希望というだけなのでどうでもいい。気になったのは、田中直樹の演技だ。もちろん、舞台人であるから、上手いのだが、時々演技者から芸人になってしまうことがあり、田中自身もぎりぎりのところでやろうと思っているのも伝わってくるのだが、ぎりぎりのところで留まりきれず、やりすぎてしまった部分があるような感じがして仕方がない。映画の場合は上手く編集されるけれど、舞台はそうはいかない。
引きこもりの役柄で、言わば自らを縛り付けるような、囲いの中に入って、そこから出て来ない窮屈な部分が大切なのだろう思うのだが、1時間50分、ほぼ出ずっぱりで演技している身としては、時々解放されてぇと思うのだろうなあ、と、思えて仕方がないのだ。それが、漏れてくるのはいいが、あからさまにしてしまってはいけないと思うのだが。どうだろう。的外れかな?
僕はこの劇団員の演技がとても好きだし、好感をもってる。恩田隆一や冨田直美、冨塚智など、観る度に上手くなってる。スゴいなあと思うのだ。
2008年4月24日
THEATER TOPS
出演 田中直樹(ココリコ)小林隆 関川太郎 和田ひろ子 ほか
田村孝裕は既に大御所の域にあり、業界の注目やチェックも既にきびしいものになりつつある。業界は残酷だから、取りあえず持ち上げるところまでは持ち上げる。いまはその過程にある。そう言う中で、田村は、絶賛を受けた前回公演の「ゼブラ」のような作品など、向田邦子の世界を思わせる力作を書くかと思えば、そこに安住せずに、今回のような作品や、「パレード」のような作品も発表する。まだまだ、俺の守備範囲は広がるはずだと頑張っているのだ。その意気込みはスゴい。
今回は劇団公演ではあるが、表記の4人の出演者を中心に描かれる10数年の年月の話は、時に良く分からなかったりもするし、この作品って面白いのか?と思ったりもする。田村が書きたいことはこれなのだろうからそれでいい。もう観客に分かりやすく理解してもらうことだけを書く作家ではないのだ。特に劇団公演では。しかし、プロだからやり過ぎ、行き過ぎは抑えるのだろう。今回も、話がちょいだれそうになると、出番の少ない表記以外の劇団員がワンシーンづつ出てきて、渾身の力を込めてシーンを盛り上げて去って行く。素敵だなあ、劇団ってよーと思うのだ。
小林隆さんはパレードのような作品で見たかったなあとか、関川太郎には、もっとドロドロとした嫌な人間を書いてもらいたいと思うのだが、それはそれで、僕の希望というだけなのでどうでもいい。気になったのは、田中直樹の演技だ。もちろん、舞台人であるから、上手いのだが、時々演技者から芸人になってしまうことがあり、田中自身もぎりぎりのところでやろうと思っているのも伝わってくるのだが、ぎりぎりのところで留まりきれず、やりすぎてしまった部分があるような感じがして仕方がない。映画の場合は上手く編集されるけれど、舞台はそうはいかない。
引きこもりの役柄で、言わば自らを縛り付けるような、囲いの中に入って、そこから出て来ない窮屈な部分が大切なのだろう思うのだが、1時間50分、ほぼ出ずっぱりで演技している身としては、時々解放されてぇと思うのだろうなあ、と、思えて仕方がないのだ。それが、漏れてくるのはいいが、あからさまにしてしまってはいけないと思うのだが。どうだろう。的外れかな?
僕はこの劇団員の演技がとても好きだし、好感をもってる。恩田隆一や冨田直美、冨塚智など、観る度に上手くなってる。スゴいなあと思うのだ。
2008年4月24日
THEATER TOPS
作/演出 中島淳彦
出演
福島まり子 小林美江 ほか
昨年に続いて二度目のハートランド。中島淳彦さんのお芝居はそれこそ何もおきないし、偉そうな台詞はないのに、人生の真髄がどかーんと伝わるし、笑いと愛情に満ちていて嬉しくなる。ものすごい技術とハートの凝縮である。しかし、この芝居は、名うての役者さんでないときっと見てられない。役者に高度な演技力とセンスを求める、とても難しい台本なのである。言ってみれば、フォアグラとか、イベリコ豚、インドマグロ。良く分からないけれど、最高の食材だが、上手に調理しないと、不味くて食えなくなってしまう。そんな台本なのだ。だから、中島淳彦の見事な台本と演出もスゴいのだが、役者さんたちのスゴさを上げたい。
先ずは、福島まり子がべらぼうに上手い。歩く、顔を向ける、息を止める。それぞれが、自然なのにべらぼうにナイスなタイミングと量である。もちろん小林美江さんもそうである。テーブルに隠れる。出てくる。その出る時のスピード。タイミング。どんな顔で出てくるか。全てが素晴らしい。もう本当にビーンズを早くやって欲しいなあ。
そして、大西多摩恵さん。高度に作り上げたキャラを一糸乱れぬ見事な力と心で演じきった。誰もが面白いと思っただろう。さすが永井愛さんの秘蔵っ子だ。素晴らしい、ホントに素晴らしい。
保谷果菜子さん、高橋亜矢子さんは去年を上回る見事な演技。保谷さんは大西さん同様にキャラを作り上げ、その人物を掘り下げた。高橋さんは、気持ちの切り替えのタイミングが気持ちよく、笑いを誘う。渡辺由紀子さんは、不思議な色気があって物語の中軸でスゴくいい仕事をし、神田繁子さんも不思議な女性を上手く演じていた。万引きした商品を差し出すところなんか、ただ洋服から隠した商品を出すだけ、それも、客はネタも分かっているのに笑える。スゴい!!!
江原里実のでかい声も間違うと毎回大しらけになる危険性があるのに、外さない。冒険をし成功した。本当に面白かった。本当に楽しかった。見事な役者さんの演技が本当にこの芝居を成功に導いたのだ!
美術は無駄もなく、レジの位置やカウンターの座席数。テーブルの位置や椅子の形状などに粋で微妙な配慮があって、美術が芝居の演技を大いに盛りたてた。衣装もこだわりもあって、それでいて華美になりすぎずにセンスの良さを感じさせた。
こういう一級の芝居はなかなか観られない。このメンバーなら、ぜひとも「8人の女たち」舞台版を見てみたいものだ。
ザスズナリ
2008年4月21日
出演
福島まり子 小林美江 ほか
昨年に続いて二度目のハートランド。中島淳彦さんのお芝居はそれこそ何もおきないし、偉そうな台詞はないのに、人生の真髄がどかーんと伝わるし、笑いと愛情に満ちていて嬉しくなる。ものすごい技術とハートの凝縮である。しかし、この芝居は、名うての役者さんでないときっと見てられない。役者に高度な演技力とセンスを求める、とても難しい台本なのである。言ってみれば、フォアグラとか、イベリコ豚、インドマグロ。良く分からないけれど、最高の食材だが、上手に調理しないと、不味くて食えなくなってしまう。そんな台本なのだ。だから、中島淳彦の見事な台本と演出もスゴいのだが、役者さんたちのスゴさを上げたい。
先ずは、福島まり子がべらぼうに上手い。歩く、顔を向ける、息を止める。それぞれが、自然なのにべらぼうにナイスなタイミングと量である。もちろん小林美江さんもそうである。テーブルに隠れる。出てくる。その出る時のスピード。タイミング。どんな顔で出てくるか。全てが素晴らしい。もう本当にビーンズを早くやって欲しいなあ。
そして、大西多摩恵さん。高度に作り上げたキャラを一糸乱れぬ見事な力と心で演じきった。誰もが面白いと思っただろう。さすが永井愛さんの秘蔵っ子だ。素晴らしい、ホントに素晴らしい。
保谷果菜子さん、高橋亜矢子さんは去年を上回る見事な演技。保谷さんは大西さん同様にキャラを作り上げ、その人物を掘り下げた。高橋さんは、気持ちの切り替えのタイミングが気持ちよく、笑いを誘う。渡辺由紀子さんは、不思議な色気があって物語の中軸でスゴくいい仕事をし、神田繁子さんも不思議な女性を上手く演じていた。万引きした商品を差し出すところなんか、ただ洋服から隠した商品を出すだけ、それも、客はネタも分かっているのに笑える。スゴい!!!
江原里実のでかい声も間違うと毎回大しらけになる危険性があるのに、外さない。冒険をし成功した。本当に面白かった。本当に楽しかった。見事な役者さんの演技が本当にこの芝居を成功に導いたのだ!
美術は無駄もなく、レジの位置やカウンターの座席数。テーブルの位置や椅子の形状などに粋で微妙な配慮があって、美術が芝居の演技を大いに盛りたてた。衣装もこだわりもあって、それでいて華美になりすぎずにセンスの良さを感じさせた。
こういう一級の芝居はなかなか観られない。このメンバーなら、ぜひとも「8人の女たち」舞台版を見てみたいものだ。
ザスズナリ
2008年4月21日
わがぎえふ脚本 マキノノゾミ演出
出演 沢田研二 加納幸和 土居裕子 土田早苗 木下政治 有馬自由 野田晋市 小椋あずき
こういう芝居を待っていた。王道の台本、現代の王道としての演出。華のある看板役者、個性的で芝居の上手い出演社たち、衣装も踊りも美術もよくて、そして、その上に音楽がある。
昭和に消えた大阪船場の若旦那。二枚目、粋、格好良く遊ぶ、女にモテて女に優しい。義理人情にあつく、ちょいとのことではへこたれない。うるさい祖母と妻にライバルたち。かつて花登筺が書いた関西の商売ものの流れもあって、これ王道ものなのだ。もちろん作品は山崎豊子原作だし、こちらは、第二次世界大戦で破壊された大阪とそこから希望をもち再起を誓う姿で終わるところなどは、もうコテコテと言ってもいいくらいで、こうした小さな劇場で観られる贅沢さを感じるのだ。
沢田研二は少し太ったかなと思うけれど、見事な歌唱と、志村けんさん風の肉体を使ったギャグを仕込んでお客さんに大サービス。大金持ちの旦那で加納さんが、品格ある立ち振る舞い。踊りも仕草も一日二日でできないものを披露している。わかぎえふさんだけに、加納さん、有馬自由さん、野田さん、木下さんの見せ場の作り方を心得ていらっしゃる。出演者全員が主要な役所がある暖かい台本だ。そして、それらは全部沢田研二さんが得になるようにできているのだ。
土田早苗さんや、小椋あずきさんの見事な意地悪女の役も、細腕繁盛記の正子のように、微笑ましく楽しい。また、美術がキレイで、衣装が豪華で驚いた。
2時間40分飽きさせない、日本の王道エンタティメントはここにある。
2008年4月15日
紀伊国屋サザンシアター
出演 沢田研二 加納幸和 土居裕子 土田早苗 木下政治 有馬自由 野田晋市 小椋あずき
こういう芝居を待っていた。王道の台本、現代の王道としての演出。華のある看板役者、個性的で芝居の上手い出演社たち、衣装も踊りも美術もよくて、そして、その上に音楽がある。
昭和に消えた大阪船場の若旦那。二枚目、粋、格好良く遊ぶ、女にモテて女に優しい。義理人情にあつく、ちょいとのことではへこたれない。うるさい祖母と妻にライバルたち。かつて花登筺が書いた関西の商売ものの流れもあって、これ王道ものなのだ。もちろん作品は山崎豊子原作だし、こちらは、第二次世界大戦で破壊された大阪とそこから希望をもち再起を誓う姿で終わるところなどは、もうコテコテと言ってもいいくらいで、こうした小さな劇場で観られる贅沢さを感じるのだ。
沢田研二は少し太ったかなと思うけれど、見事な歌唱と、志村けんさん風の肉体を使ったギャグを仕込んでお客さんに大サービス。大金持ちの旦那で加納さんが、品格ある立ち振る舞い。踊りも仕草も一日二日でできないものを披露している。わかぎえふさんだけに、加納さん、有馬自由さん、野田さん、木下さんの見せ場の作り方を心得ていらっしゃる。出演者全員が主要な役所がある暖かい台本だ。そして、それらは全部沢田研二さんが得になるようにできているのだ。
土田早苗さんや、小椋あずきさんの見事な意地悪女の役も、細腕繁盛記の正子のように、微笑ましく楽しい。また、美術がキレイで、衣装が豪華で驚いた。
2時間40分飽きさせない、日本の王道エンタティメントはここにある。
2008年4月15日
紀伊国屋サザンシアター
Brian Friel 作
Jaltska igra
言語学については何も知識がないので何ともいえないが、スラブ系の言語には独特の響きがあり、低音の魅力に富んでいる。かつてモスクワ芸術座を初めとするロシアの舞台を見た時も、ああ、チェホフの言葉はこんな響きなんだと思った次第。それでなくても、古い英語のシェイクスピアも、ベルリナーアンサンブルのドイツ語も、ミラノピッコロ座のイタリア語も、フランス太陽劇団のフランス語も独特のものがあるそれ。特に外国の劇場で観る時には、現地の観客の反応も見られるわけだから興味を引くに決まっている。旅行で訪れたスロベニア。オーストリアとイタリアに国境を接した国。その首都のリュブリアナ随一の劇場 MALADRAMA劇場に足を運んでみた。この劇場はチェホフも、ワイルドも、テネシーウィリアムズも、三島もやっているのだ。
旅行中の夜に何もすることがなくて、劇場に行ってみた。チケットを手に入れようとしたのだが、売切れ。キャンセル待ちをしていたら、僕がチケットを売ってくれと声をかけているのをみたスケボー少年共々、無料で劇場に入れてくれた。
この劇場の小劇場は100人強のキャパの劇場だが、奥行きのある舞台に、椅子とテーブルがおかれているだけのシンプルな舞台。そこでの二人芝居。恋の駆け引きをする中年男と若い女の恋の話だった。言葉は分からないが、何となく関係性は分かる。
台本は心情吐露のシーンで繋いでいくのかよ!と思うくらいにいろいろと、これでもかって二人に語らせる。二人の会話と心情吐露で繋いでいくって感じなのだが、特にベテランの男がとても上手くて魅入ってしまう。観客は平均年齢50歳ってところか。週末にちょいとシニカルで知的な芝居をみにきた人がクスクス笑いを連発していた。きっと一生に一度しかこの劇場には来ないのだろうけど、親切にも無料で見せてくれてありがとうございました。
劇場公式ホームページ http://www.drama.si/eng/
マラ ドラマ劇場 小劇場(リュブリアーナ/スロベニア)
2008年4月5日
Jaltska igra
言語学については何も知識がないので何ともいえないが、スラブ系の言語には独特の響きがあり、低音の魅力に富んでいる。かつてモスクワ芸術座を初めとするロシアの舞台を見た時も、ああ、チェホフの言葉はこんな響きなんだと思った次第。それでなくても、古い英語のシェイクスピアも、ベルリナーアンサンブルのドイツ語も、ミラノピッコロ座のイタリア語も、フランス太陽劇団のフランス語も独特のものがあるそれ。特に外国の劇場で観る時には、現地の観客の反応も見られるわけだから興味を引くに決まっている。旅行で訪れたスロベニア。オーストリアとイタリアに国境を接した国。その首都のリュブリアナ随一の劇場 MALADRAMA劇場に足を運んでみた。この劇場はチェホフも、ワイルドも、テネシーウィリアムズも、三島もやっているのだ。
旅行中の夜に何もすることがなくて、劇場に行ってみた。チケットを手に入れようとしたのだが、売切れ。キャンセル待ちをしていたら、僕がチケットを売ってくれと声をかけているのをみたスケボー少年共々、無料で劇場に入れてくれた。
この劇場の小劇場は100人強のキャパの劇場だが、奥行きのある舞台に、椅子とテーブルがおかれているだけのシンプルな舞台。そこでの二人芝居。恋の駆け引きをする中年男と若い女の恋の話だった。言葉は分からないが、何となく関係性は分かる。
台本は心情吐露のシーンで繋いでいくのかよ!と思うくらいにいろいろと、これでもかって二人に語らせる。二人の会話と心情吐露で繋いでいくって感じなのだが、特にベテランの男がとても上手くて魅入ってしまう。観客は平均年齢50歳ってところか。週末にちょいとシニカルで知的な芝居をみにきた人がクスクス笑いを連発していた。きっと一生に一度しかこの劇場には来ないのだろうけど、親切にも無料で見せてくれてありがとうございました。
劇場公式ホームページ http://www.drama.si/eng/
マラ ドラマ劇場 小劇場(リュブリアーナ/スロベニア)
2008年4月5日
作演出 中島新
出演 外波山文明 井上カオリ ほか
注目を集めるファインベリーの中島新の作演出。公演期間中に観ることができないので、ゲネプロを見せてもらった。しかし、それも大幅に遅刻しているので(外波さん、ごめん!)あまりきちんとした感想を述べることはできない。しかし、面白かった。これは、中島版スゥイニートッドだ。話のスピード感がある。出てくるキャラクターも上手く描き分けられている。演出もしっかりしているので、見ていて飽きない90分だ。ストーリーはある集団の秘密が暴かれ崩壊していくといったもの。その秘密の暴かれ方が、例えば暗示や隠喩といった方法をあまり使わない。どんどん説明台詞を使っていく。自分たちの過去はこうだった。あの人は昔こうだった。これからこういうことをしようと思っている。そういう情報が台詞として与えられるので、ぶれがない。下手をすると陳腐になってしまう手法なのであるが、その出し方が絶妙に美味い。観客が迷い始めるころ、その情報をほしがるタイミングで、カードを一枚づつ見せてくれるのだ。予備校で、うまい講師が解答解説をしている様だ。
主な話は舞台上で行われない。裏や外で起きている。観客は起きたことの破片だけを観ることができる。そして、前述のような種明かし情報。観客はそれを想像させられるのだ。上手い。
役者の見事な演技が重なった。このような形式なので、役者は再び舞台に戻ってくる時に、裏で何が起きたのかをきちんと背負って出て来なくてはならない。そして、舞台から消える時に、見えないところで起こす動機をもって去らなくてはならない。それをキチンとやっていた。
先ずはファインベリーの佐久間淳也が初見だが、所属劇団の主宰の作品ということはあるものの、とても面白い。この作品のもうひとつの魅力は、異臭漂う歪んだ空間での物語の空気感を美味く出し、その空気感をクライマックスにどれだけ濃くしていけるかということなのだが、佐久間の存在は大きく貢献した。そして、長嶺と岡村の絶妙なコンビ。この3人を見て、ああ、これ、スゥイニートッドだ!と思ったわけ。
椿組で普段、良い役をやる人が、狂気の集団に属している。このキャスティングも妙。
外波山文明がまるでイエスの方舟のおやじさんのようなキャラを普通に演じきっている。
田淵、木下は不気味だが常識人。淡々と演じる。また、李と和泉も見せ場をきちんと抑えていて品のいい演技だった。宮本翔太と鳥越勇作はキレと緊張感の濃度を上手く調整して今までで一番良いかも。井上カオリはインテリな役柄を上手く演じ、巻き込まれて気持ちが変化の表現も良かった。というように、個々の役者が安定感をもって演じる。椿組を観ると劇団のアンサンブル芝居の良さを感じることができるのだ。また、音と照明の使い方も見事なので、是非とも注意してみてもらいたい。
2008年4月3日(ゲネプロ)
雑遊
出演 外波山文明 井上カオリ ほか
注目を集めるファインベリーの中島新の作演出。公演期間中に観ることができないので、ゲネプロを見せてもらった。しかし、それも大幅に遅刻しているので(外波さん、ごめん!)あまりきちんとした感想を述べることはできない。しかし、面白かった。これは、中島版スゥイニートッドだ。話のスピード感がある。出てくるキャラクターも上手く描き分けられている。演出もしっかりしているので、見ていて飽きない90分だ。ストーリーはある集団の秘密が暴かれ崩壊していくといったもの。その秘密の暴かれ方が、例えば暗示や隠喩といった方法をあまり使わない。どんどん説明台詞を使っていく。自分たちの過去はこうだった。あの人は昔こうだった。これからこういうことをしようと思っている。そういう情報が台詞として与えられるので、ぶれがない。下手をすると陳腐になってしまう手法なのであるが、その出し方が絶妙に美味い。観客が迷い始めるころ、その情報をほしがるタイミングで、カードを一枚づつ見せてくれるのだ。予備校で、うまい講師が解答解説をしている様だ。
主な話は舞台上で行われない。裏や外で起きている。観客は起きたことの破片だけを観ることができる。そして、前述のような種明かし情報。観客はそれを想像させられるのだ。上手い。
役者の見事な演技が重なった。このような形式なので、役者は再び舞台に戻ってくる時に、裏で何が起きたのかをきちんと背負って出て来なくてはならない。そして、舞台から消える時に、見えないところで起こす動機をもって去らなくてはならない。それをキチンとやっていた。
先ずはファインベリーの佐久間淳也が初見だが、所属劇団の主宰の作品ということはあるものの、とても面白い。この作品のもうひとつの魅力は、異臭漂う歪んだ空間での物語の空気感を美味く出し、その空気感をクライマックスにどれだけ濃くしていけるかということなのだが、佐久間の存在は大きく貢献した。そして、長嶺と岡村の絶妙なコンビ。この3人を見て、ああ、これ、スゥイニートッドだ!と思ったわけ。
椿組で普段、良い役をやる人が、狂気の集団に属している。このキャスティングも妙。
外波山文明がまるでイエスの方舟のおやじさんのようなキャラを普通に演じきっている。
田淵、木下は不気味だが常識人。淡々と演じる。また、李と和泉も見せ場をきちんと抑えていて品のいい演技だった。宮本翔太と鳥越勇作はキレと緊張感の濃度を上手く調整して今までで一番良いかも。井上カオリはインテリな役柄を上手く演じ、巻き込まれて気持ちが変化の表現も良かった。というように、個々の役者が安定感をもって演じる。椿組を観ると劇団のアンサンブル芝居の良さを感じることができるのだ。また、音と照明の使い方も見事なので、是非とも注意してみてもらいたい。
2008年4月3日(ゲネプロ)
雑遊
作 デイヴィッド・オーバーン
演出 松本永実子
出演 伊原農 枝元萌 多根周作 はざまみゆき
ハイリンドは、とても真面目に演劇に取り組む加藤健一研修所の卒業生4人が集まって作った劇団で、みな30歳前後である。この台本はピューリッツア賞やトニー賞を受賞しているだけ会って世界最高峰の作品である。作品が面白いのは当たり前だ。松本さんの的確な演出は素晴らしく、翻訳物を日本で演出するのに、この人の存在をこれから僕は常に忘れないだろう。稽古場でダメだしをしているところも見せて頂いた。4人は素晴らしくトレーニングと稽古をし、プロとしていい舞台を作っていたと思う。伊原農とはざまみゆきは特に素晴らしかった。しかし、例えば、映画でアンソニーホプキンスが演じたという役を多根周作が演じるということは、どんなに演技を積んだところでも動かし難い大きな問題が残ってしまうものだ。
チラシ、ホームページ、会場受付、美術などなど、どこも手を抜かない姿勢は素晴らしい。そして、台本の面白さは彼らの熱意のこもった演技で十分伝わった。しかし、どうしても役と演じる俳優との乖離を感じてしまうのである。勿体ない。そう思ったのである。
2008年5月30日
下北沢 小劇場楽園
演出 松本永実子
出演 伊原農 枝元萌 多根周作 はざまみゆき
ハイリンドは、とても真面目に演劇に取り組む加藤健一研修所の卒業生4人が集まって作った劇団で、みな30歳前後である。この台本はピューリッツア賞やトニー賞を受賞しているだけ会って世界最高峰の作品である。作品が面白いのは当たり前だ。松本さんの的確な演出は素晴らしく、翻訳物を日本で演出するのに、この人の存在をこれから僕は常に忘れないだろう。稽古場でダメだしをしているところも見せて頂いた。4人は素晴らしくトレーニングと稽古をし、プロとしていい舞台を作っていたと思う。伊原農とはざまみゆきは特に素晴らしかった。しかし、例えば、映画でアンソニーホプキンスが演じたという役を多根周作が演じるということは、どんなに演技を積んだところでも動かし難い大きな問題が残ってしまうものだ。
チラシ、ホームページ、会場受付、美術などなど、どこも手を抜かない姿勢は素晴らしい。そして、台本の面白さは彼らの熱意のこもった演技で十分伝わった。しかし、どうしても役と演じる俳優との乖離を感じてしまうのである。勿体ない。そう思ったのである。
2008年5月30日
下北沢 小劇場楽園
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
HP:
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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