自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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パッパーノ指揮 聖チェチーリア音楽院管弦楽団
ボリスベレゾフスキー ピアノ
ヴェルディ 歌劇「アイーダ」シンフォニア
リスト ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
(Pf:ボリス・ベレゾフスキー/アンコール)
サン=サーンス(ゴドフスキ編曲):白鳥
チャイコフスキー:四季~10月
(アンコール)プッチーニ:マノン・レスコー~間奏曲
ポンキエッリ:歌劇「ジョコンダ」-「時の踊り」から(最後の部分)
「突っ走る悲愴。パッパーノは21世紀のカラヤン」
とても分かりやすい演奏だった。去年来日するまでイギリスのロイヤルオペラは18年くらい来日しなかったのだが、その理由は明らか。オケが酷かったのだ。ロンドンで(特にバレエの公演)なと聴くと、下手すると、これ日本のアマチュアオケ以下かもと思うような演奏を聴かされて驚いたものだ。それが昨年の来日で聴かせたロイヤルオペラのオケ。全盛期とまでは言わないが確実に復活したのは間違いない。その立役者がアントニオ・パッツパーノだ。自ら故郷はイギリスというが、両親ともイタリア人なので国際的なイタリア人というのが正しいのでは?
このイタリアのオケも聴くのは始めてではないのだが、前に聴いたときの印象がほとんどない。その程度の演奏だったのだろう。しかし今宵の演奏は心に残る演奏だ。それは、音が溌剌としていてどこまでもハイテンションで観客をぐいぐい引っ張っていく演奏だからだ。イタリア的にカンタービレも抜群に聴かせてメロディを歌いまくることも特徴。何かそのノリはロックのそれに近いものがあった。
リストのピアノ協奏曲は、丁々発止の演奏というのは、こういうのだよね?と言われたら大きくうなづきたくなるような演奏。ベレゾフスキーの俺は技術力すげえんだというのが、俺は二枚目だ、抱いてやるよ!みたいな傲慢な感じもちょっと感じるくらいのグイグイ感。アンコールの白鳥などはさらっとしていて好感。いやリストのピアノ協奏曲第一番の生演奏ではきっと生涯で一番いいものだったと思う。
速めのテンポ、輪郭がくっきりとした音色とリズム。悲愴でもそれは変わらなかった。突っ走る悲愴といったらいいのだろうか?出だしから暗さというよりはグイグイ感。観客は大喝采だったし、僕もたまにはこういう演奏を聴かされるのは嫌じゃない。ただ、先日きいたNHK交響楽団/ブロムシュテットのチャイコフスキー第5番の名演と比べると、いい意味で幼稚な演奏といってもいいんだと思う。
きっとあまりオーケストラの演奏会を多く聴いてない人は、こういう演奏会から入るのが理想的だ。きっとカラヤンが21世紀に生きていたらこんな演奏をしたのだと思う。パッパーノのライバルは、きっとドゥダメルだろう。
2011年10月3日@NHKホール
ボリスベレゾフスキー ピアノ
ヴェルディ 歌劇「アイーダ」シンフォニア
リスト ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
(Pf:ボリス・ベレゾフスキー/アンコール)
サン=サーンス(ゴドフスキ編曲):白鳥
チャイコフスキー:四季~10月
(アンコール)プッチーニ:マノン・レスコー~間奏曲
ポンキエッリ:歌劇「ジョコンダ」-「時の踊り」から(最後の部分)
「突っ走る悲愴。パッパーノは21世紀のカラヤン」
とても分かりやすい演奏だった。去年来日するまでイギリスのロイヤルオペラは18年くらい来日しなかったのだが、その理由は明らか。オケが酷かったのだ。ロンドンで(特にバレエの公演)なと聴くと、下手すると、これ日本のアマチュアオケ以下かもと思うような演奏を聴かされて驚いたものだ。それが昨年の来日で聴かせたロイヤルオペラのオケ。全盛期とまでは言わないが確実に復活したのは間違いない。その立役者がアントニオ・パッツパーノだ。自ら故郷はイギリスというが、両親ともイタリア人なので国際的なイタリア人というのが正しいのでは?
このイタリアのオケも聴くのは始めてではないのだが、前に聴いたときの印象がほとんどない。その程度の演奏だったのだろう。しかし今宵の演奏は心に残る演奏だ。それは、音が溌剌としていてどこまでもハイテンションで観客をぐいぐい引っ張っていく演奏だからだ。イタリア的にカンタービレも抜群に聴かせてメロディを歌いまくることも特徴。何かそのノリはロックのそれに近いものがあった。
リストのピアノ協奏曲は、丁々発止の演奏というのは、こういうのだよね?と言われたら大きくうなづきたくなるような演奏。ベレゾフスキーの俺は技術力すげえんだというのが、俺は二枚目だ、抱いてやるよ!みたいな傲慢な感じもちょっと感じるくらいのグイグイ感。アンコールの白鳥などはさらっとしていて好感。いやリストのピアノ協奏曲第一番の生演奏ではきっと生涯で一番いいものだったと思う。
速めのテンポ、輪郭がくっきりとした音色とリズム。悲愴でもそれは変わらなかった。突っ走る悲愴といったらいいのだろうか?出だしから暗さというよりはグイグイ感。観客は大喝采だったし、僕もたまにはこういう演奏を聴かされるのは嫌じゃない。ただ、先日きいたNHK交響楽団/ブロムシュテットのチャイコフスキー第5番の名演と比べると、いい意味で幼稚な演奏といってもいいんだと思う。
きっとあまりオーケストラの演奏会を多く聴いてない人は、こういう演奏会から入るのが理想的だ。きっとカラヤンが21世紀に生きていたらこんな演奏をしたのだと思う。パッパーノのライバルは、きっとドゥダメルだろう。
2011年10月3日@NHKホール
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プロフィール
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佐藤治彦 Haruhiko SATO
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性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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