自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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ネヴィル・マリナー指揮
シプリアン・カツァアリス ピアノ
モーツアルト 交響曲第32番
モーツアルト ピアノ協奏曲第21番
ブラームス交響曲 第1番
「余りにも期待が高すぎて」
NHK交響楽団への期待値がものすごく高くなっている。定期演奏会での名演に圧倒されているからだ。9月はブロムシュテットとの3回の演奏会はどれもが心に残るものだった。さて、ネヴィルマリナー。2010/11のシーズンはこの87才のイギリス人指揮者と開幕した。1年とちょっとぶりの再会。最近お気に入りの1階サイドブロックで聴いたのだが、今宵の演奏はイマイチな感じ。
最初のモーツアルトの32番交響曲は3楽章で9分弱の短いものだが、モーツアルトのエッセンスを楽しめる作品である。この10月はアンドレプレヴィンが3種の定期演奏会を振ってくれるからとても楽しみにしている。NHK交響楽団から魅力的なモーツアルトを「僕に取って」始めて引き出してくれたのはプレヴィンだった。弦のアンサンブルは完璧なのに自然にやってのけてるように聞こえる。フレージングまで皆の息があってるのに心から弾いていると行った感じのそれ。今宵はそこまではいかなかった。まるで10年〜20年前のNHK交響楽団のアンサンブルのレベルだ。時おり素腹いい音も出てくるのだけれど、まるで蜃気楼のように消えてしまった。
続いてピアノ協奏曲。この有名な曲でも不満は残る。カツァリスのピアノも自らのテクニックの完璧さに時に酔ってしまっているように聞こえて。
でも期待はブラームスだった。確か昨年のシーズンで、オーチャード定期でマリナーと演奏して評判になった。行けなかったので聴きたかったのだ。しかし、ここでも9月にブロムシュテットと聴かせたような超一流の音はなかなか出て来ない。これくらいのN響なら、もう20年前から聴いている。弦は荒い。特に第一バイオリンが高音を奏で始めると聴きづらい。金管や打楽器はきちんと演奏しているのだろうけど、音が大きすぎたり、アクセントをつけすぎで、なんかアンサンブルとしてハーモニーを奏でる感じでない。変な音が飛び出して聞こえたりしてしまうのだ。
最近のNHK交響楽団の名演のレベルの音が聞こえ始めたのは終楽章に入ってからだった。あの素晴らしいメロディで弦がやっと納得できる音を聞かせてくれた。しかし、それでも他の金管などとのバランスは悪いまま。こうして演奏は終わった。
もっと上に行けたはずだよなあと思わせる演奏会だった。
2011年10月6日@NHKホール
シプリアン・カツァアリス ピアノ
モーツアルト 交響曲第32番
モーツアルト ピアノ協奏曲第21番
ブラームス交響曲 第1番
「余りにも期待が高すぎて」
NHK交響楽団への期待値がものすごく高くなっている。定期演奏会での名演に圧倒されているからだ。9月はブロムシュテットとの3回の演奏会はどれもが心に残るものだった。さて、ネヴィルマリナー。2010/11のシーズンはこの87才のイギリス人指揮者と開幕した。1年とちょっとぶりの再会。最近お気に入りの1階サイドブロックで聴いたのだが、今宵の演奏はイマイチな感じ。
最初のモーツアルトの32番交響曲は3楽章で9分弱の短いものだが、モーツアルトのエッセンスを楽しめる作品である。この10月はアンドレプレヴィンが3種の定期演奏会を振ってくれるからとても楽しみにしている。NHK交響楽団から魅力的なモーツアルトを「僕に取って」始めて引き出してくれたのはプレヴィンだった。弦のアンサンブルは完璧なのに自然にやってのけてるように聞こえる。フレージングまで皆の息があってるのに心から弾いていると行った感じのそれ。今宵はそこまではいかなかった。まるで10年〜20年前のNHK交響楽団のアンサンブルのレベルだ。時おり素腹いい音も出てくるのだけれど、まるで蜃気楼のように消えてしまった。
続いてピアノ協奏曲。この有名な曲でも不満は残る。カツァリスのピアノも自らのテクニックの完璧さに時に酔ってしまっているように聞こえて。
でも期待はブラームスだった。確か昨年のシーズンで、オーチャード定期でマリナーと演奏して評判になった。行けなかったので聴きたかったのだ。しかし、ここでも9月にブロムシュテットと聴かせたような超一流の音はなかなか出て来ない。これくらいのN響なら、もう20年前から聴いている。弦は荒い。特に第一バイオリンが高音を奏で始めると聴きづらい。金管や打楽器はきちんと演奏しているのだろうけど、音が大きすぎたり、アクセントをつけすぎで、なんかアンサンブルとしてハーモニーを奏でる感じでない。変な音が飛び出して聞こえたりしてしまうのだ。
最近のNHK交響楽団の名演のレベルの音が聞こえ始めたのは終楽章に入ってからだった。あの素晴らしいメロディで弦がやっと納得できる音を聞かせてくれた。しかし、それでも他の金管などとのバランスは悪いまま。こうして演奏は終わった。
もっと上に行けたはずだよなあと思わせる演奏会だった。
2011年10月6日@NHKホール
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
HP:
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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