佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 藤原歌劇団公演 どろぼうかささぎ 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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ロッシーニ作曲
アルベルトゼッダ指揮 デヴィデリヴァーモア演出
東京フィルハーモニー管弦楽団
出演 チンティアフォルテ アントニーノシラクーザ

 ロッシーニの作品は四半世紀前までは「セヴィリアの理髪師」ばかりが上演されてそれ以外の作品はほとんど上演されなかった。もちろん「ウィリアムテル」などの有名な序曲はコンサートなどでは演奏され、ロッシーニは他にもいろんな作品を書いていることは知られている。
 近年は「チェネレントラ(シンデレラ)」や「ランスへの旅」など他の作品も上演されるようになって来た。近年は言わばロッシーニルネサンス。今回上演された作品もその序曲は大変有名でさまざまなコンサートで聞いて来たし、アンコール曲としてラテン系の指揮者やオケがよく演奏してくれる作品。
 しかし、作品を上演するのは今回が日本初演なのである。もちろん僕も初見。それも、シラクーザ初めとする名歌手が勤めることもあり楽しみにして言った。結果はまあまあ。
 先ずはいつもは流暢なイタリアンサウンドをきかせる東京フィルの音が重たい。もちろん手探りで演奏するのは分かるし、欧米のオペラハウスだってそんなものなんだろうけれども、そこにロッシーニのばかばかしいほど明るいサウンドはなかった。それは、日本勢の歌手にも言えて、バス、バリトン以外の声の一部の人は、先ずは正確に唄おうということばかりに頭が言っていたようである。
 その点、シラクーザとフォルテはレパートリーとして確立しているのだろう。危なげなく聞けた。
 音楽はその程度の不満だったが、それ以上に退屈だったといいたいのが美術と演出である。どうでもいい演出。不必要な美術。へんなところにお金をかけてしまった作品になってしまった。
 聞いておいて良かったけれども、それだけの出会いだった。


2008年3月9日
東京文化会館

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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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