佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 ワニの涙 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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「ワニの涙」 川村毅作演出
主演 手塚とおる 根岸季衣


 芝居を見る理由は割と単純なことも多い。一生懸命考えて観に行くよりも軽く考えて出かけた方が面白い経験ができることは少なくない。今のところに引越した時に、児童劇の巡業公演をやっていた中村崇君がたまたま僕の友達の後輩で手伝ってくれた。20年以上前に根岸季衣さんと「海と毒薬」という現場で2週間ほどご一緒した。もちろん、向こうはメインキャストで、僕はなぜか参加していたエキストラのような役柄ではあったけれど。その人がやる芝居を観に行きたい。それが観劇の動機。
 日本の演劇シーンを引っ張って来た第三エロチカの川村毅さんの作品はしばらく見ていなかったことも大きい理由。そして、主演はあの演劇キング、手塚とおるさんだ。第3エロチカのメンバーも大挙出演する。
 観に行ってみたら、ガラガラの客席で驚いた。そして、そのガラガラの客席に芸術を見るぞという気迫が漂っている。まるで祝祭のような客席だった。どうもこの作品は3部作のトリを飾る作品らしかった。観客の多くはこの作品の行く末を見守って作家や出演社と辿り着いたのだろう。僕はそうではない。何の予備知識もない。
 自由放送局の盲目のDJ役である手塚は自殺志願者や殺人志願者といった生死のぎりぎりの、さまざまな境界線上にいる人たちの電話を受付けて放送している。しかし、それに怒った一団に殺されてしまう前半。
 ほとんど手塚の一人芝居だった。妖気漂う手塚の柔軟な肉体と精神と、あの何とも言えない周波数を出す声の魅力。衣装もすばらしく、美術もシンプルで、その世界観を表現していた。



 この作品が好きか?と言われればそうではない。苦手だし、面白いとも思わない。しかし、手塚さんの演技力と川村さんの創りだす空気感は圧倒的であることも事実だ。社会と向き合う姿も素晴らしいが、どうもエンタティメント指向の僕にとって、哲学書のようなこのような作品は本当に苦手だった。

2008年3月12日
シアタートラム
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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