佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 劇団扉座 トラオ 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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作演出 横内謙介 

 学校で観る芝居が大多数の子どもにとって演劇体験の始まりとなる。いや多くの場合、それが最後?小学校の体育館で演劇教室をみた覚えがある。知り合いの若い俳優は、俺、いまピーターパンのワニを1年以上やってます。もう何百ステージも!と言っていたから、今もあるのだろう。体育館に集まって芝居を見る。しかし、その多くの質は低い。劇団扉座の横内謙介は将来の演劇人口の担い手となるのは子どもであり、芝居好きにしてしまえという真っ当な考えをもって行動を始めた。面白い芝居をみて、俺、演劇好きだなあと思わせれば、演劇好きの子どもが増えるのである。いまの劇団四季の興隆は30年以上も前に当時の浅利慶太さんが、日本生命をスポンサーにして、こどもミュージカルというのを作った。例えば、今でもバージョンを変えて上演される「王様の耳はロバの耳」は脚本が寺山修司、音楽はいずみたく。超一流だ。出演者に市川正親も鹿賀丈史もいた。アンサンブルだったけれど。とにかく超一流だったのだ。これを何十万人という子どもに見せた。出演した役者も食えた。そして、それを見た子どもはミュージカル好きになり、コーラスラインやキャッツ、オペラ座の怪人の観客となった。なかには、劇団四季の門を叩いて役者になったものも少なくないはず。
 しかし、時代は変わり。大手のスポンサーもいない。学校の限られた予算の中で、どう芝居好きを作るか?
 横内謙介は子ども向きに芝居を作らなかった。大人がみても十分観られる作品である。いや、面白い。スピーディな展開、飽きないような仕掛け。しかし、演劇的な高揚のあるストーリー台詞。1時間15分という短い時間の中に今の扉座の総力をかけて作り上げた作品がある。演劇であり、ショーである。すみだパークスタジオに来ていた子どもたちは、大喜びし歓喜しながら見ていた。それは、騒いでいるのではなく、芝居中の役者に反応しているのだ。その子どもたちのリアクションが芝居をよりいっそうみていて楽しいものにしていた。喜ぶ子どもを観る親御さんの嬉しそうな顔。カップルも、ひとりで着ている人間もみんな楽しそうだった。75分間の笑顔。幸せな空気が生まれた。
 見た観客は、また、あの暖かい楽しい雰囲気に浸りたいね。テレビや映画館やビデオと違ったねと思ったであろう。
 横内謙介は全部計算ずくなのだろう。この作品はここから大きく花開く可能性のある注目すべき作品である。
 



2008年3月22日土曜日
すみだパークスタジオ
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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