佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 アルドチッコリーニ ピアノリサイタル 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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曲目 フランツリスト作曲 詩的で宗教的な調べ 全曲 



 知らない曲だ。だいたいこのご時世にリストだけでプログラムを組めるピアニストはどれほどいるのだろうか?あのポリーニでさえ、集客に困ったほどなのだ。今日のピアニスト、2005年の来日に初めて聞き巨匠の音楽に打ちのめされた。その時が80歳。再来日を待望していただけに本当に嬉しかった。
2005年のとき、チッコリーニ聞いてないや、一度くらいは生をきいておきたいなあと、ほんとぶらりと東京文化会館でヴェートーヴェンなどを聞きにいった。2003年の来日で一部のファンでものすごい騒ぎとなっていたからだ。驚いた。素晴らしかった。そして、懸命に完売の武蔵野文化会館のコンサートのチケットを取った。予定の変更をしてでかけた。あまり音響的には良くないホールだけれど、ぜひとも聞きたかった。展覧会の絵とドビッシーの前奏曲の第2集。ああ、聞いて良かったと思った。今回は、曲が知らないリストの曲なので、これなんだあ?とはちと思ったが、チッコリーニなら何でもいい!というわけ。で、前々から楽しみにしでいたのだ。去年から僕のデスクの前に、そのチラシが貼られていた。もう一度いいます。理由はアルドチッコリーニだから。まさに最後の巨匠!。82歳の大巨匠!
 で、知らない曲を聴く。そのピアニズムは、美しい音色に包まれ、リストというと荒々しい激情型のピアノを思い浮かべるかもしれないが、そんな気配はまったくない。早いパッセージも早いだけで気持ちは走っていない。紡ぎだされる一音一音には知性とあふれる心がこもっていて、決してやっつけの音がない。技術を見せつけようとか、上手く聞かせてやろうというものもない。ただ、美しいのだ。これこそ、本来の青年の心ではないか。年齢を重ね余計なものが全部とれたものだけが到達できる頂点なのだ。  しかし、客席の多くは空いていた。それは、きっと僕と同じ理由だろう。  高校のときから名前は知っていてたまに来日もしていたのに行かなかった。なぜか、二本の東芝EMIが積極的に録音を出さなかったからだ。氏は山ほど録音していたのに、ギーゼギングやフランソワ、リパッティという何十年も前の録音にこだわって、1960年代に録音されたチッコリーニの録音を出さない。そうなると、日本では人気がでない。日本のクラシックコンサートは、先ずはいい録音がメジャーレーベルから発売されているかということがとても重要となるからだ。
   僕自身も同じ理由で行かなかったのだが、外国でCDを買うようになると、チッコリーニの録音がいかに多く、また扱われているかをしり、気になりだしたのだ。しかし、この10年で巨匠と言われるピアニストはほんとに全員といっていいほど死んでしまった。リヒテル、ゼルキン、ギレリス、アラウ、ホロヴィッツ、チェルかスキー、アニーフィッシャー、ラザールベルマン。ラローチャも引退してしまい。出かけていってききたいピアニストはほとんどいない。アルフレッドブレンデル、ポリーニ、内田光子、ジャンマリアピリス、ボゴレリッチ、ツイメルマン、ルプー。最近のアルゲリッチはスゴく乱れているし、他に誰がいたのかなという感じ。これら聞きたい人たちの師匠といっていいピアニストがチッコリーニなのだ。イタリア人でフランスを地盤に欧州で活躍してきた。日本はこの数年でコンサートゴウアーの中で話題騒然となっている。
 今宵もアンコールに、ドビッシーなどが弾かれたが、最後は観客総立ちの大拍手だった。  すくなくても、良く分からない20代のコンクールで優勝したてのピアニストのそれを聞くよりも圧倒的に絶対的にこちらのコンサートを取るべき。ああ、行って良かった。
 すぐにでも来日して欲しい。来日が終わったばかりだが、いま、ききたいピアニストは?と聞かれたら、間違いなく答えます。先ず第一に、アルドチッコリーニ!曲は?何でもいいす!
 



すみだトリフォニーホール
2008年3月22日

26日に協奏曲の夕べがあったが風邪のためきけなかったのは深く不覚!
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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