佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 NHK響の次期 首席指揮者 にファビオルイージ 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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2021年4月9日夕刻、東京がコロナウィルス感染症の蔓延防止等特別措置の適用のニュースが流れる重たい空気の中で、素晴らしいニュースが正式に発表になった。それは、イタリアの名匠、ファビオルイージが2022年からのシーズンで、パーヴォヤルヴィの後任としてNHK交響楽団の首席指揮者になることが正式に発表されたのである。
N響の首席指揮者のポストは、パーヴォヤルヴィの就任時に初めて設けられたポジションで、それを継ぐ2代目となる。ファビオルイージはイタリア出身であるが、主なレパートリーはドイツ・オーストリアもの、そして、オペラである。私は、ドレスデン国立歌劇場、メトロポリタンオペラハウスなどの来日公演、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、スイスロマンド管弦楽団。デンマーク国立交響楽団の来日公演。そして、ローマで、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団の定期演奏会に接しており、大半がドイツ系の作品であった。ローマでも聞いたのは、モーツアルトのピアノ協奏曲(ルプー)とマーラーの巨人だった。読響とも一度共演していて、それも聞いた。現在62歳。キャリアの頂点に差し掛かる年齢で就任するわけだが、すでに巨匠の域にあるファビオは、世界中の名門オケとの演奏も兼ねながらとなるだろう。

 ドイツものの良さを軸に据えつつ、北イタリア的な彫琢された美しさや現代の息吹も大切にする。本当に嬉しい就任のニュースだ。N響との共演記録は次の通り。
2001年7月 ブルックナー7番 魔法使いの弟子、牧神の午後、
        パガニーニバイオリン協1(渡邊玲子) 火の鳥
2002年7月、ピアソラのバンドN協(小松)とブラームス1、ナブッコ序曲。
2004年11月、チャイコ6「悲愴」ラフマニノフピ協2(ゲルナー) 
         ローマの噴水 海 ブラームスバ協(ツイートマイヤー)
2008年7月、ベートーベン7、チャイコバ協(ユジャン)、
2014年4月、カルミナブラーナなどオルフの声楽曲2曲、
        モーツアルトのピ協20(ブフビンダー)とブルックナー9番、
2017年4月、ブラームスの交響曲第4番にベートーベンのピアノ協1(ラナ)、
       マーラーの交響曲「巨人」とメンデルスゾーンのバ協(ズナイダー)。
2020年1月、リヒャルトシュトラウス 英雄の生涯、4つの最後の歌など。
 ということで、すでに計7回の来日で共演を重ねている。
今後の予定としては、
2021年11月 Aプロで魔弾の射手、リストのピ協2、Fシュミットの交響曲2、
     Bプロでパガニーニのバ協1とチャイコ5、
     Cプロでブルックナーの4番「ロマンチック」。
2021年12月 ベートーベン第9交響曲
2022年5月、Bプロ ラヴェルのピ協、シェエラザード、
        Cプロ ドン・ジョバンニ序曲、ピ協20、ベートーベン8
 これらが予定として発表されている。きっと将来は特別演奏会などで、オペラなども振ってくれるはずだ。それもまた楽しみだ。
 これからのN響の指揮者陣はまたすごくなった。
 ファビオルイージは首席として年に6プログラム以上は振るようになるだろうし、2月の3つの定期は今後もパーヴォヤルヴィが年に1度のお楽しみで登場する。さらに、高齢ではあるが、ヘルベルトブロムシュテット。そして、才気あふれるトゥガンソヒエフが毎年2プログラム。さらに、レギュラー陣である、クリストフエッシェンバッハ、マレクヤノフスキ、ジュナンドレアノセダ、エドデワールドと煌びやかな名前が並ぶ。また、素晴らしい共演となった、ステファヌドゥヌーブ、トンコープマン、ファンホメナ、さらに、初共演が発表されたものの、コロナで中止となったマイケル・ティルソン・トーマスとの演奏会も期待される。そして、コロナの苦境の時に指揮台に登った日本人指揮者たち、例えば、世界的に評価の高い、鈴木雅明や、聴衆の支持の厚い井上通義に加え、中堅でアメリカでキャリアを育んできた原田慶太楼、ほか何人かの日本人指揮者との共演も充実の極みである。
年間の定期公演、全27プログラムのうち、少なくとも6つはファビオルイージ、3つはパーヴォヤルヴィとお元気ならばブロムシュテット、2つはトゥガンソヒエフと14のコンサートは指揮者が固まっている。残りもレギュラーゲストが6つは占めるだろう。日本人の登場は3プログラムほど。いやはや、N響の定期公演は今後も本当に楽しみになってきた。
 政治家がステイホームなどと言っても、もはや心は何も動かないが、早くマスクをしないで、2020年2月までのN響の定期を楽しめるようになりたい。その思いでこれからもコロナを乗り越える覚悟ができたように思えた。
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プロフィール
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佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
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演劇ユニット経済とH 主宰
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海外旅行
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演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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