佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 北区つかこうへい劇団 「大正・深川嘆歌」「君を感じる時2008」 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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澤田拓 作演出「大正・深川嘆歌(ぶるうす)」
西澤周市 作「君を感じる時2008」。
 

久しぶりに北区つかこうへい劇団の芝居を観に行った。遠い。遠い。南北線西ヶ原駅からまた歩いて、滝野川会館。立派なホールである。お芝居よりはコンサートの方が向いているかもしれない広ーい空間。作品もつかさんの作品ではない。つかこうへいさんの戯曲塾の作品など2編。澤田拓さんの「大正・深川嘆歌(ぶるうす)」西澤周市さんの「君を感じる時2008」。
 これが良かった。後者は10年以上前から繰り返し演じられている作品らしいが、分かり易く言えば、映画のゴーストみたいな作品なんです。まあ、どこかで見たような話。前者は女郎屋での恋話。こちらもありそうな話。
 でも、1時間程度の長さの芝居だったのだが、どちらも素晴らしかった。知らない俳優ばかり。素舞台。照明も最低限。それが、俳優の力によって、さまざまな空間が一瞬にして誕生する。
 劇団員の人たちの肉体のスゴさ。切れるし持久力がある。台詞をきちんと届けようとする力。時にはマンガチックだったりするんだけど、何の違和感もない。何だろう。この王道感。会場にいるのは一般のお客さんばかり。演劇関係者と思われる人はほとんどいない。トップスや下北沢の劇場と違う。久しぶりに北区つかこうへい劇団を観に行ったんだけど、何か本当に良かった。

 北区つかこうへい劇団やつかこうへいさんのお芝居をかれこれ20数回は見ているのだけれど、一度も劇場でつかさんのお姿を拝見したことがない。それこどころかホームページ等を拝見すると、いまは犬が一番みたいなことが書かれていて…。
 しかし、すでに劇団につかこうへいさんが息づいて、自分ですべてを仕切らなくても上手く行くシステムがあるようなのだ。伝統芸の継承みたいな感じだ。それがまたまたスゴいなと思った。つかさんの作品でも演出でもないのに、つかこうへいさんの匂いというか血というか流れを感じる作品なんです。それは本当にスゴいことです。

2008年2月23日 滝野川会館

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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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