佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 遊座  リンゴの木の下で 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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作 小池竹見/広井王子
演出 茅野イザム
出演 井之上隆志 小林美江 


 戦後間もない頃の日本人に対してジャズが与えた影響は少なくない。秩序が崩壊し、新しいそれが生まれるまでの混沌とした時代は芝居になりやすいのだ。時代そのものがドラマであったのだから。 この作品は小池竹見が書き、広井王子が仕上げた台本に、注目の演出家茅野イサムが加わって出来た作品である。作品の面白さは、井之上隆志と小林美江といった名うての役者によって倍増される。そして、素晴らしい音楽が付け加えられる。どんどん加えて面白くなった作品なのだ。また、筆者は知らないがイケメン俳優も出ていてそのファンも多く詰めかけたらしい。興行的にはそうやって成り立ったらしい。
 多くの才能、人気者などが集まって出来た公演であるが、この公演は、あくまでも、声優として名声を確立した横山智佐の座長公演だった。ちょっと昔の演劇公演を見ているように思えるほど、横山智佐を中心に廻っていくのである。それが良さでもあり弱さでもある公演と思った。
 茅野イサムの演出は、王道を行くものである。
役者が袖に来ている迎えに向かって手を振り去っていくシーンでも、きちんと袖に裏方を配し演技をさせている。演技をしたふりということを嫌うのである。俳優を遊ばせて(好きにさせて)作ったシーンも、しめたところもあるのだろう。笑いたっぷりなシーンとドラマの進み方にアクセルが踏まれるシーンもある。その舞台には自由さと自発性があった。
 見ていてお客さんは飽きないし喜んでいた。決して今年を代表する傑作ではないし、6500円の入場料は少し高いが、どっしりとしたプロの仕事を見せてもらった感じがした。



2008年3月24日
新国立劇場小劇場

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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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