佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 新国立劇場オペラ ローエングリン 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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 友人に不義理をしてでも観に行くべき。世界最高水準の公演が予想されます。
 新国立劇場のワーグナーは世界でもトップレベルのものになることがあります。この公演はまさにそれを予感させます。モダンでロマンチックなシュテークマンの演出、フォークトを初めとする現代最高の歌手。そして、今年(2012年)の秋、ウィーン国立歌劇場と来日し、フィガロの結婚を指揮するペーターシュナイダー(既に30年以上、ヨーロッパ最高の歌劇場で指揮をしているドイツオーストリア系オペラの最高峰の指揮者)がタクトを振ります。オケは東京フィル。東京フィルは既に新国立劇場で素晴らしいワーグナーを何回も聞かせています。時にロイヤルオペラなんかより数段いい演奏をします。またシュナイダーとは、交響曲も含めて何回もコラボレーションした周知の関係ということで、いやはや期待は高まる。
 さらにオススメする理由は、チケット代がリーズナブルだということです。今なら、1万円以下のチケットも買えるでしょう。最高席でも2万6000円です。シュナイダーが秋にウィーンと来日する時は5万円以上のチケット代もありえますから、ホントにオススメ。
 一度はワーグナーを聞いてみたいと思ってる方、迷わずこの公演をオススメします。近くなるとチケットが買えなくなるので御早めに。


指揮/ペーター・シュナイダー
演出/マティアス・フォン・シュテークマン

【ハインリッヒ国王】ギュンター・グロイスベック
【ローエングリン】クラウス・フロリアン・フォークト
【エルザ・フォン・ブラバント】リカルダ・メルベート
【フリードリヒ・フォン・テルラムント】ゲルト・グロホフスキー
【オルトルート】スサネ・レースマーク
【王の伝令】萩原 潤
【4人のブラバントの貴族】大槻孝志/羽山晃生/小林由樹/長谷川 顯
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団



「フォークトのローエングリンは声も姿も抜群に相性がいい」
「ローエングリン」初日鑑賞。先ずはフォークトが演技も歌唱も圧倒的。去年のバイエルンの来日時に唄ったポータと全く違うタイプの声で、ヘルデンテノールというよりもちょっとリリックがかった声で、僕はローエングリンにぴったりの声だと思った。どの音域も文句のつけようもない声なのだ。輪郭がくっきりしていることもあって、ピアニシモもものすごく通る。スター性もあり歌手として超一流。それなので、ハインリヒのクロイスベックは損した。立派でいい声なのに一流の粋だからだ。エルザのメルベートはいいところとそうでないところの差がありすぎ。残念だったのはオルトルートをやったレースマーク。演技はいいのだが、声が弱い。最後の大見得を切るところなど演技の迫力の1/10くらいの声しかこない。ヨハンナマイヤーはすごかったなあ。大健闘は伝令の萩原潤で声は大満足。しかし、演技が紋切り型で残念。
東フィルは初日だからか、冒頭はイマイチだったが、管のキズは少々あるが、次第に素晴らしいワグネルサウンドを演奏。二日以降は見事な演奏をきかせるだろう。これも、ドイツものの職人ペーターシュナイダーがピットにいることが大きい。それも、東フィルとの共演もオペラや東フィル定期にも登板して気心がしれてるからね。僕はN響の年末アンケートで、来て欲しい指揮者にいつも書いているくらい。
 美術も衣装はスタイリッシュ。音楽に集中できる演出。合唱の動かし方はうまい。2011/12のシーズンを締めくくる素晴らしい上演で、亡くなった若杉弘さんがこの出来をきっと喜んでいると思う。新国のOPは旧演出の「ローエングリン」で若杉さんの指揮だったと記憶している。
 新国立劇場に欧米人のお客さんがだんだん増えて来てる。きっと驚いていると思うな。やるじゃん、日本って。1階席のサイドに空席が目立ったのが残念。
2012年6月@新国立劇場オペラパレス
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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