佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 こんにゃく座 オペラ ネズミの涙 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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作演出/鄭義信
出演 オペラシアターこんにゃく座
 


好きか嫌いかと問われれば、苦手な作品だ。芝居が始まって、この芝居で伝えたいメッセージは手に取るように分かってしまった。分かりやすい左翼系の芝居なのだ。来ている観客も、その多くが左翼的な芝居を見に来ているお客さん。別に、パフォーミングアーツにおいては、左翼的なものも、保守的なものもどちらもあっていい。「同期の桜」も、「民藝」もOKだ。
 しかし、苦手である。何しろ、お客の大多数が、もとよりその考え方に共鳴している人ばかり。客席に入ると、共鳴の空気がぷんぷんしている。今宵なら左翼的な時間を一緒に共有したい祝祭的な空気。同じ考えをもった人向けには素晴らしい作品だったろう。しかし、どうだろう。作品のもってるパワーなどで、人の考えを変えるところまで完成された作品だったのか?

 萩京子さんの音楽は、レシタチーボとアリアと古典的な分け方をさせてもらうと、アリアでは、ワイルのような風合いを出すこともあって引き込まれるが、レシタチーボの部分ではどんよりしてしまうことが多かったというのが僕の感想。オペラと銘打っておられるけれど、どちらかというと、ワイルやブレヒトの作った音楽作品に近いものだし。
 エンタティメント性はどうだろう。作品に出てくる登場人物が生き生きして面白いのか?と問われると、これに関しても、祝祭に参加する人でないと辛いのではないか?僕の隣の観客は異様なほど、いちいち笑い反応していた。何でこんなのが面白いのか?と思えるくらいだ。
 1幕は、正直少し寝た。何しろ、くどい。客いじりも台詞もくりかえされる。音楽もいまいち盛り上がらない。

 諦めかけたのに、2幕は盛り返した。「ライライライ」など、ショーとしての面白さも加味されたし、この作品の本質的なメッセージである民衆の生きる力を賛美する、肯定するという部分での力強さも感じられた。1幕はメッセージは冒頭で分かったけれど、それを裏打ちする力強い音楽と展開が弱かったような気がしてならない。楽しく面白い舞台こそ僕は多くの中立的な人に影響を与え力強いはずだと。祝祭的な空気のする芝居はちょっと苦手なのだ。ちょっとに変化したか。


2009年2月12日
世田谷パブリックシアター

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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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