佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 扉座 サツキマスの物語 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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作・演出 横内謙介
出演  近藤正臣 伴美奈子 岡森諦 ほか

横内謙介の新作はもの静かに沁み入ってくるような作品で、ストレートで直截的なメッセージで迫る若い頃の作品とは明確に一線を画した作品。近藤正臣と菊池均也を客演に迎え、伴、岡森、有馬、中原といったこの劇団の上の世代の人間も真の意味で信頼し合える俳優が舞台上にいることで安心して挑戦的な演技ができているような感じがする。
 それが舞台上で次の世代にも受け継がれて行っているのが良く分かってみていて気持ちよかった。それはこの作品の核になる部分と共有されているからだ。本当に良く考えられた作劇である。別になにも起こる話ではないが心に沁み入る作品で年末の東京にこそ、このような作品は必要なのではないだろうか。
 しかし、近藤正臣さんが舞台にいるだけで重みが出る。30年前の近藤さんはもっとキャラで演じていた印象で、こんなにさらっとした演技をする人の印象ではなかったものだから。菊地均也さんは辞めた劇団に戻って演じたわけで、自分の青春をかけた劇団で13年ぶりに演じる。もしかしたら本当に最後になるかもしれないわけで、やり残さないぞという覚悟をどこかに秘めて演じているように思える。すさまじい集中力だ。伴美奈子がなにも起きないドラマの主軸になっていて、いつもながら非常に繊細な演技をしてみせる。そして、何よりも可愛い。杉山良一は短いシーンながら非常に印象的。若手のアンサンブルがとても素晴らしい。岩本達郎がギリギリのラインを行ったり来たりで面白く、鈴木利典が誠実で、鈴木理沙が思い切り。江原由夏が新境地。犬飼淳治は歳とって渋くなったなあと。モテてるでしょ。串間、安達がいいなあ。2人ともホントに誠実にいい芝居をする。扉座ってホントにいいカンパニーだなあと思った。 必見の作品。




紀伊國屋サザンシアター
2009年12月2日
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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