佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 ONEOR8 莫逆の犬  忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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作演出 田村孝裕
出演  田中直樹(ココリコ)小林隆 関川太郎 和田ひろ子 ほか

 田村孝裕は既に大御所の域にあり、業界の注目やチェックも既にきびしいものになりつつある。業界は残酷だから、取りあえず持ち上げるところまでは持ち上げる。いまはその過程にある。そう言う中で、田村は、絶賛を受けた前回公演の「ゼブラ」のような作品など、向田邦子の世界を思わせる力作を書くかと思えば、そこに安住せずに、今回のような作品や、「パレード」のような作品も発表する。まだまだ、俺の守備範囲は広がるはずだと頑張っているのだ。その意気込みはスゴい。
 今回は劇団公演ではあるが、表記の4人の出演者を中心に描かれる10数年の年月の話は、時に良く分からなかったりもするし、この作品って面白いのか?と思ったりもする。田村が書きたいことはこれなのだろうからそれでいい。もう観客に分かりやすく理解してもらうことだけを書く作家ではないのだ。特に劇団公演では。しかし、プロだからやり過ぎ、行き過ぎは抑えるのだろう。今回も、話がちょいだれそうになると、出番の少ない表記以外の劇団員がワンシーンづつ出てきて、渾身の力を込めてシーンを盛り上げて去って行く。素敵だなあ、劇団ってよーと思うのだ。
 小林隆さんはパレードのような作品で見たかったなあとか、関川太郎には、もっとドロドロとした嫌な人間を書いてもらいたいと思うのだが、それはそれで、僕の希望というだけなのでどうでもいい。気になったのは、田中直樹の演技だ。もちろん、舞台人であるから、上手いのだが、時々演技者から芸人になってしまうことがあり、田中自身もぎりぎりのところでやろうと思っているのも伝わってくるのだが、ぎりぎりのところで留まりきれず、やりすぎてしまった部分があるような感じがして仕方がない。映画の場合は上手く編集されるけれど、舞台はそうはいかない。
 引きこもりの役柄で、言わば自らを縛り付けるような、囲いの中に入って、そこから出て来ない窮屈な部分が大切なのだろう思うのだが、1時間50分、ほぼ出ずっぱりで演技している身としては、時々解放されてぇと思うのだろうなあ、と、思えて仕方がないのだ。それが、漏れてくるのはいいが、あからさまにしてしまってはいけないと思うのだが。どうだろう。的外れかな?
 僕はこの劇団員の演技がとても好きだし、好感をもってる。恩田隆一や冨田直美、冨塚智など、観る度に上手くなってる。スゴいなあと思うのだ。
 



2008年4月24日 
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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