佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 大人のためのお伽噺 令嬢と召使い 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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原作 ストリンドベリ「令嬢ジュリー」
上演台本 笹部博司 
演出 手塚とおる
出演 純名りさ 貴水博之


 東京においてはtptなどで上演されている令嬢ジュリー。それを95分にぴしっとした二人芝居。これが濃密でセクシーで本質的で分かりやすい。純名りさの美貌は本当にスゴい。もう見ているだけで美しい。前に「ナイン」というミュージカルで見た時もキレイだなあと思っていたが、あの時は女優陣の個性がスゴくて美しいという部分以外に目がいかなかったが、この人の芝居は本当に上手い。そして、この作品にあっていた。相手役の貴水さんも、希代の二枚目であり、何をやっても絵になる。この二人だから許された空間なのだとも思ってしまうのだ。何しろ、物語は恋人同士が御芝居をしようという設定で始まるのだから。
 手塚とおるさんの演出は作品の肝にぐいぐいと迫るし、二人にいろんな空気を造り出すことを求める。そして、それがどんどんと変化していくスピード感。上手い。自分は見ていてこの二人の演者は素っ裸になって演じているなあと思うのだ。きっと自分の中にあるそういう部分をずばっと引きづり出して演じている。一瞬もウソがないし、引き込まれる。
 上演台本の良さも光っていて、笹部さんという人のことを勉強不足で良く知らないのだが、若手で何か新機軸を見つけ出して新しい地平線を見つけ出す人ばかりをたたえる傾向があるのだが、こういう本物の作品に堂々と渡り合うことをしている演劇人を僕は注目したいと心から思っている。今回、観る機会があったのをとても喜んでいるし、ちょっと無理して観に行く価値のある作品だった。

2009年3月23日
赤坂RED/THERTER

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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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