佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 犬と串 宇宙remix 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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作・演出/モラル
出演/満間昂平・鈴木アメリ・藤尾姦太郎・堀雄貴・萩原達郎・廣瀬瞬
一色洋平・モラル

「新しいものとは何なのか?」
 この3作続けてみて来た。最初に観た「愛・王子博」が震災後の日本の空気に真正面に向き合って噴出するエネルギーと笑いとナンセンスを圧倒的な迫力で描いてみせた。全裸のシーンもあったが、それが社会対するものすごい矢となっていた。ああ、またスゴいのが出て来たなあと思ったのだが、前作の「ウズキちゃん」が話の展開にルールを作ってそこにこだわった。それを壊し乗り越えていくパワーがなく、小ネタと小道具と下ネタでの輪舞曲となっていた。ただ、照明のない通し稽古で観たので今回を本当に楽しみにしていた。
 今の世界=地球はどんづまりである。そのアンチテーゼとしての宇宙というキーワードと勝手に思っていたので、なるほどなあと思っていたのだが、全く違っていた。宇宙というキーワードにまつわることは冒頭にでてくるが、そこから延々と続く小ネタタイムに逃げてしまう。それが今の社会のどんづまり感の象徴であれば面白いのだが、ただの小ネタであった。下ネタであった。だから、出てくる「原発反対」みたいな言葉が、ああ適当なのかも?と思ってしまう。
 ナンセンスが成立するためにも今の世の中の座標軸を見せて欲しかった。そして、愛すべき俳優たちなのだが、小劇場の俳優としてはテンションも高くいいのだが、そういう条件付きの評価は彼らも喜びはしないだろう。リアクション、口跡、テンションの方向性、アクションの持ち技などなど、出てくるものが3回目の観劇で新しいものがない。毎回同じなので飽きてしまった。これは演出の問題でもあるだろう。ただ、堀の「俺、木村」という台詞での間合いと、満間のテンションの濃淡には過去2回にはなかったアクティングで俳優としての進歩を感じた。
2012年5月13日@早稲田大学演劇研究所アトリエ
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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