佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 プロペラ 夏の夜の夢 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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演出 エドワードホール
出演 プロペラ


 野田秀樹が絶賛するイギリス発のカンパニー。自らの就任記念プログラムで招聘した劇団だ!
 楽しい、ヘンテコな読み替えをしない。そして、何と行っても台詞回しが美しい。シンプルな舞台だけに役者達が舞台上と客席との間で作る空気がすべてを支配するのだが、これが心地よいのだ。客席は通常のシェイクスピアの公演と比較すると圧倒的に若者も多く大いに笑っている。シェイクスピアの王道でなさそうで、王道な作品だった。最後のパックの台詞で湧いた拍手も本物だった。この作品の演出、エドワードホールはピーターホールの子息だそうでイギリスでも世襲が行われているんだね。才能は受け継がれるのかとちょっと思った。オススメ。


  トレバーナン、ピーターブルック、ジョンケアード、木野花、加納幸和、そして、蜷川幸雄。内外の数々の演出家でいろんなマナツを見て来たのだが、日本では見て美しい蜷川版が何と行っても多くの人の心をとらえているのだと思う。このエドワードホールの演出のそれは、シェイクスピアの台本に立ち戻り、役者間と役者と客席との間で作られるコミュニケーションによって作られる空気をものすごく大切にし、それによって人々の心を動かした。肉体をものすごく使うし、そして、英語の美しい発音、台詞回しを楽しんだ。  シンプルな舞台、白人以外も多い男だけの出演者、繰り出されるギャグ…。こういう部分を見ていると、とても現代的に思えるのかもしれないが、私には現代の王道をいっていると思った。ヘンテコな読み替えをしない演出。シェイクスピアを敬愛し、作品を他の人の解釈に委ねず向き合って、作り上げたからこそ生まれた濃密感があったように思う。シェイクスピアの時代も今日の舞台のようにシンプルな舞台で、男の役者だけで演じられたわけなのだから。


東京芸術劇場中ホール
2009年7月5日
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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