佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 マージンコール 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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監督・脚本: J・C・チャンダー 製作: ザカリー・クイント
出演: ケヴィン・スペイシー、ポール・ベタニー、ジェレミー・アイアンズ、ザカリー・クイント、ペン・バッジリー、サイモン・ベイカー、メアリー・マクダネル、デミ・ムーア、ス タンリー・トゥッチ



「リーマンショックの起こる日を淡々と見せる秀作」
 2008年に起きたリーマンショックはその後もアメリカ経済を苦しめ続けている。そのリーマンショックが起きる前日から起きた日までを淡々と描いた作品。少しでも金融に興味があれば物凄く面白いし、あそこで何が起きたかを知りたければ、この作品は真実であるかどうかは別としても、こういう類いのことが起きた事はほぼ間違いない。見ておいて損はない映画だ。その後、アメリカは変化を求めて彷徨っているが、この作品はまるでギリシア悲劇のように、同じ事はまた起きる。今までも同じようなことが起きて来たと繰り返し台詞で強調される。
 ちなみにタイトルのマージンコールとは、先物など証拠金取引(分かりやすくいうと借金して取引すること)などで損失が一定になったときに、裁定のために必要な資金を入れてくれと催促されること。レバレッジの高い(危険度の高い)取引をしていると、このマージンコールがかかりやすいのだ。
 出演者も豪華であることはお分かり頂けるだろう。会社の重役には映画界の大スターを配し、若手にはテレビドラマで成功した俳優を使っているのも旨いなあ。俳優の演技、それも映画における演技とはこうあるべきだというお手本を見せてくれる。
 それから、この映画の美術は特筆もの。ウォール街で働いた事もある自分が言うのもあれだけれど、あそこら辺の金融機関のビルの内部を緻密に再現している。美術すごい。現代の、それも日本に生きる私たちがぜひとも見ておきたい映画だ。
 80点 2012年2月18日
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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