佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 柿喰う客 「真説・多い日も安心」 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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作・演出 中屋敷法仁
出演  深谷由梨香 玉置玲央 七味まゆ味 中林舞(快快) 佐藤みゆき(こゆび侍) 須貝英(箱庭円舞曲)武藤心平(7%竹)ほか38名



 初見の劇団。出演者に誘われて拝見。とにかく38名も出ているのである。1時間45分、いろんな力量とバックボーンの38名の役者を巧みな演出で飽きずに観させてくれたことは特筆に値するといっていいだろう。何しろ一番年上がダントツで武藤心平なのだ。完全に新世代。それだけでいいじゃないかと思ってしまう。客席を見ていると面白がっているところと、ぽかーんとしているところと、明らかに気持ちがアレレになっている人と別れている。それも、それでいいのだと思う。
 一見すると、野田秀樹の芝居のようでもある。役者は頻繁に出入りし、ハイテンションで動き回る。叫び続ける。うまい役者は舞台上に腰を据えて中軸を担う。この芝居は1時間45分のハイテンションを要求するので、そのテンションが途切れてしまいそうなものは、すぐに引っ込んで行く。上手い方法だ。何しろ立っているだけの時に素になってしまっているひともいる。大勢いれば目立たないが少人数だとやばいのだ。そういうことを巧みに計りながら演出をつけていくところはさすがである。勉強になった。
 自分が注目すべきと思った役者で名前が分かったのは上述の人たちだ。女の子たちは存在感もあるし見栄えもいい。七味さんはアルトの感じで、20代も面白いが30代が楽しみな女優。深谷さんは美女で、メイクで顔をぐちゃぐちゃにしたり、きわどい台詞をいっても汚くない。ずるいなと思った。二人とももう少し台詞がはっきり聞こえたらなお良いのになと思うが、きっとこれからドンドン上手くなるのだと思う。玉置君は前に見た客演のときも存在感があったが、今回はさらにあった。この男が舞台の中央にいると、こんな話ありかよ!と思える設定も何となく受け入れてしまうのだ。笑いのセンスもありそうだし、身体能力もある。ほとんど全裸になっても鍛えているのが良く分かった。3人とも若さ爆発でありました。武藤心平は相変わらず上手い。おいしいところを作りさらっていく。偉い。
 野田芝居のようだと言ったが、その世界観の大きさはまったく違う。若いからか。そう、25歳くらいの若者が書いている作品らしい。もうなにも言うまいって感じだ。若いセックスに無限の興味のある世代が、興味の枠組みをセックスで固定化して、その中で遊んでいるのだ。面白いじゃないか。
 

 

 2008年8月28日
 吉祥寺シアター

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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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