佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 流山児☆事務所 双葉のレッスン 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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作   ごまのはえ
演出  天野天街
出演  藤井びん 阪井香奈美 流山児祥 甲津拓平 小林七緒 ほか

 脚本ができあがったのが6月に入ってからという噂もありどうなることかと思っていた。稽古場を覗きにいくと流山児さんがダンスシーンでぶつかったりしていて、大変なのかなあと思いきや、本番を観劇したところとても面白く演劇的な悦びに満ちた作品だった。大雨で増水し浸水を逃れた民家に移り住んだ人々は団地の出身者や市役所の人、生きてる人も死んだ人も入り混じり、幻想と現実が入り混じり。めくるめく万華鏡のような芝居が続く。疾走する芝居であり、火事場の?アンサンブルの勝利である。古めかしく壁紙がはがれた室内は昭和の匂い、ダンスはテクノぽく、愛憎劇はさまざまで、愛情や追慕が中心となり進んで行く。特にリフレインの中で徐々に起きたことが解体されて行く様は記憶の中で過去の出来事が自分なりに変造されていく様を描いているようでもあった。
 とにかく見ていて面白い。美術、音楽、照明、役者が一体となって作り上げる芝居だ。4200円というチケット代に躊躇するかもしれないが、大丈夫。見ておくべき芝居はここにある。ああ、面白かった。伊藤弘子のキレ方が、演技のドライブの掛け方が、アングラの歴史を綿々と伝える。小林七緒が素晴らしく、阪井香奈美が面白い。やはり、さとうこうじが絶妙のテクニックで芝居の根幹と流山児さんとのアンサンブルを支える。この前まで出ていた壱組印と同じ俳優かと思うくらい自由自在。ダンスもうまい。ファンになってしまった。今回の最大の収穫は平野直美か。平野が途中で交通整理するところはこの作品の最高潮になっていた感じがする。上田和弘や甲津拓平も相変わらず存在感があり作品にかかせない。



2008年6月13日
下北沢 ザ・スズナリ

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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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