自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
一、夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)
序 幕 住吉鳥居前の場
二幕目 難波三婦内の場
長町裏の場
大 詰 田島町捕物の場
団七九郎兵衛/徳兵衛女房お辰 市川海老蔵
一寸徳兵衛 中村亀 鶴
玉島磯之丞 中村種之助
傾城琴浦 中村米 吉
三河屋義平次 市川新 蔵
釣舟三婦 片岡市 蔵
三婦女房おつぎ 市川右之助
団七女房お梶 市村家 橘
二、口上(こうじょう)
三、高坏(たかつき)
次郎冠者 市川海老蔵
高足売 中村亀 鶴
太郎冠者 市川新十郎
大名某 片岡市 蔵
仁義亡き戦い、歌舞伎若手俳優編(仁義あるかも?)
ル・テアトル銀座 で歌舞伎をやるのは珍しい。それも市川海老蔵が亡くなった中村勘三郎の十八番をやる。これは見ておきたいと思って、チケットを購入したらいけなくなって無駄にして、それでも歌舞伎通のというか、歌舞伎評論家の、というか、Nさんが見ておいた方がいいと言っていたので見に行った。確かに面白かった。
話は知っているのでどうでもいいのだが、海老蔵の歌舞伎役者としての商品価値というか、将来性というかがとても面白く思った。
「夏祭浪速鑑」という2時間半4場の大歌舞伎の芝居の中に、海老蔵は現代口語演劇とも思える発声や心持ちの芝居を山ほど放り込む。ナイロン100℃の役者がやるようなナンセンスなリアクションを取り込んだりする。俺はいちいち、なんじゃこれ〜!である。しかし、このルテアトル銀座という歌舞伎をやるには小さな小屋。海老蔵座長というすべてを背負える機会。いろいろと実験的なことをやるのはいい機会。それも、面白がってやってる姿も面白い。拍手喝采である。
実は、この態度、この歌舞伎愛こそが、すなわち勘三郎精神なのではないだろうか。現代における歌舞伎とはなんだろう。歌舞伎の可能性はどこまであるのだろうと、再生演劇だけにとどまる事を拒む心持ち。うるさい先輩がいなくなったからか。好きに試しているようにも思える。
こういうやんちゃブリなら若様、存分にお好きにやりなされ!
そして…。。。
見には行ってないが、本家本元の公演であるはずの新橋演舞場の花形歌舞伎公演がガラガラで、半額券がばらまかれているらしいが、そんな状態で見に行った客席の熱気のない芝居は面白いはずがない。行かなくて正解。再生演劇なんだろうと想像。そんなの、先輩達の方がもっと上手かったんだよ。客は行かずに彼らにヤキを入れる。
だから…。。。
それよりは、客の入りも評判もいいのがTBSの赤坂ACTシアターで公演されている、中村勘九郎座長の「怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)」。その噂話が絶えない。
こちらも勘三郎のおなじみの作品。最後にみたのは数年前の納涼歌舞伎だった(泣)。
主役はもちろん勘三郎。早変わりに大仕掛けで面白かった。沢瀉屋じゃこうはならないんだよなあと思いつつ、ああ、これこそ歌舞伎、かぶく、日本の芝居は世界で愛される理由だよと思った。そして、若い貧乏俳優と駆け出し女優を連れてきてあげれば良かったと後悔した。会場中は拍手喝采。幕が引かれても、客席は熱気むんむん。そのまま、夜の東銀座に繰り出すことになる。そんな芝居。納涼にならない(笑)。
勘九郎にしてみれば、亡き父の十八番を海老蔵が銀座でやってるのだから、負ける訳にはいかない。切符の売れ方も尋常でなく立ち見券が売りに出されているという。やるな、若様。中村屋にはこの人がいるといいたい僕のごひいき、亀蔵も出演して面白いのだろう。だろうな。でも、僕には早すぎる。まだお父さんの残像がくっきりしすぎていて見られない。
まさか勘三郎さん、亡くなるとは思ってなかった。昨年の4月5月の平成中村座、昼も夜も本当に面白かった。ブログに書いたけれど、勘三郎のすごさは見ればみるほど強くなっていった。でもね、去年はこうも思った。勘三郎ってすげえ、いいなあと思うと同時に勘九郎がすごい、すごくなったってこと。こんなに上手い俳優になったんだと思った。どんだけ頑張ったんだろう。すごいねえ。生まれてからすぐに、フジテレビがずーーっと追いかけてきたから、ホントに子どものころから世間にさらされて、そんな人がこんな大俳優の道を歩むようになったのかと感慨ひとしお。陰で血みどろの努力をしてるんだろうなあ。
そして、僕の髪の毛を20年以上やってくれている宮藤さんは、実は中村屋さんもごひいき。店で勘九郎さんや七之助さんが髪の毛をきってもらっているのも見た事があるし、僕の大好きな新派のあの方も、昔、四谷に店があったときにはよく拝見した。それに…。。。まあ、いいや。何かね、ちょっと親近感があるわけです。
この数ヶ月の同じ冬の季節に勘三郎と団十郎という歌舞伎界のトップスターの実父を亡くした若い二人の俳優。その二人の歌舞伎愛を証明するための、歌舞伎界の頂上決戦の火ぶたが切られた感じがする。若き男よ、ライバルとして激しくトップスターの座を争ってほしい。素晴らしき火花散る歌舞伎戦争の開戦だ。
となると、俺なんか江戸っ子ではないけれど、火事とけんかの見物が大好きな下世話な野次馬とすると、見せてもらおうじゃないのという感じになる。面白いぜ、あんんたもどう???若い血気盛んな花形役者が、舞台の上で戦うってよ、仁義なき戦いかどうかは分からねえが、面白い事は間違いない。いつからだって、そりゃ序盤戦は今月始まっちまったけど、いよいよだよ。いよいよ4月2日から。
いよいよ4月2日が近づいて、3年ぶりの歌舞伎座の開戦、いや開幕だ。素晴らしい重鎮俳優を5人も失い歌舞伎はどうなるか本当に心配だが、僕も野次馬見物券(チケット)購入しましたので見に行きます。お客は正直ですね。本当なら真っ先に売れてもいい第3部が売れ残り。団十郎がいない勧進帳なんか見たくないということなのでしょう。こけら落とし公演なのにね。4月は第3部のみ売れ残り。何とかしろよ。KとS。分かる?誰だか??? ちなみに見物料は4000円から。
さ、けんかだ、けんかだ。見に行こうぜ!
2013年3月@ルテアトル銀座
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プロフィール
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佐藤治彦 Haruhiko SATO
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性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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