佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 3.14ch 宇宙船 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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3.14ch三回目公演 『 宇宙船 』
2012.1.18(水)~22(日)
作・演出/ムランティン・タランティーノ
出演/斉藤小徹 妹尾果奈 内田龍 前彩子 佐々木キミテル(PLUS TIC PLASTICS)上松コナン(散歩道楽) 野田孝之輔(地下空港) 熊崎久実(東京蝉ヌード) 鵜沼ユカ 富岡英里子 祖父江唯(虎のこ) Velma(キアロスクーロ撮影事務所) 富士たくや 山森信太郎(髭亀鶴) ヴィン・ボー(猫☆魂) こじまゆき(メガロザ) 田所ちさ(海ガメのゴサン) 村木雄 篠田藍郎 (東京蝉ヌード)

舞台美術:福田暢秀(F.A.T STUD IO)



「度肝を抜かれた舞台美術、キューブリックへのオマージュを感じさせる作品」
 実は初めての東演パラータでの観劇。富士君と内田君が出ているので観にいった。小劇場なのに幕がしまったままだった。そして、オープニングの簡単な映像のあとに開いた。そして、誰もがその美術に驚いただろう。スゴい!この美術をこの小空間に作ることは物凄く金がかかるし、ハイテンションでなければできない。そろばん勘定ではできないのがすぐに分かる。
 話もハイテンションだ。西暦3013年後(1000年後!)、全地球は統一国家とあなっていた。そして、地球から行くと350年掛かる星からコンタクトを取ろうとする電波が!きた!!!!ーーっ。じゃ、2000人まで収容できる、どでかい宇宙船でひと世代じゃつかないけど、そん中で人生を過ごしてもらいながらで、行ってみようという設定。もうひとつ重要なのが、人間の寿命はきっかし150年で死ぬということ。
 哀しい中間世代は、地球も行き着く星のことも知らずに、世代をつなぐだけで生まれ生き死んでいくわけだ。また、本来の150年を越えて生きることのできた男もいたりして。何とも面白い設定だ。ここだけできちんと物語れば良かったのにと思ったけれども、ムラティンタランティーノはそうはしない。1時間50分の上演時間では支配される階級の革命、短絡的な行動で住民はほとんど死に絶えたり…と、さまざまな事が起きるし、繰り広げられる。
 1000年後の未来の音楽、美術、洋服って?人間関係って?食べ物って?テクノロジーは?音楽はクラシックなの?地球は統一国家になって話すのは日本語?いろんな突っ込みどころ満載。テクノロジーでいえば、未来なのに結構今風。音楽はアイパットで選んだり…とか。まあね、突っ込みどころは満載。
 だけれど、このハイテンションな話を舞台にかけようとしたこと自体。スゴすぎるぞ。ムランティン。こちらの集中力が続かなかったのか、芝居がつまらなかったのかは別として退屈はした。最初の15分で退屈してしまう。でも、登ろうとした頂きが高いことは伝わる。嫌いじゃない。
 しかし、そのための準備が少なくないか?一番気になったのは一部の役者のテンションが低かったこと。いやあ、相当低い。それは、この物語をやるテンションとして低いっ。ってことで、
 設定はキューブリックの「2001年宇宙の旅」と非常に似ていて、着ている服とかも似ていて、世代が変わると「時計仕掛けのオレンジ」みたいになって、ベートーベンやワーグナー、マーラーの音楽を使うところもそうだけど。なんかね、キューブリックへのオマージュかなって感じたよ。もう1回同じ事言う。せっかくいろんなことのテンションが高いのに、役者のテンションが、ちょっとね。そう思ったのでありました。 2011年1月21日ソワレ@東演パラータ
 
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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