佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 キースヘリング1978-1982展 ブルックリン美術館 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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ブルックリン美術館 キースへリング Keith Haring1978-1982 展




「キースへリングの初期を概観」
 キースへリングの版画を一枚持っている。89年の作品で彼は90年2月に亡くなっているから最晩年の作品のひとつだ。画商から買ってくれと言われて他の作品と比較する事もなく買ってしまった。直筆サインを見てにやにやしてる。
 彼は日本でも原宿の店を全て彼の描いたもので覆ってしまうというほど、注目されたアーチストであった。ちょうどバブルの頃に。あの作品はどうしたんだろう?横浜の東横線のガード下にはキースへリングに影響されたと思われる美しい落書きで覆われ、歩きながら鑑賞したものである。
 このブルックリン美術館の展覧会はキースへリングがまだ広く世の中に認められる前の、いわゆる初期の作品を概観するものセックスに関する表現を露に執拗にしていたりして、いろんなことがむき出しで面白い。伝説として聞いていた地下鉄の壁にした落書き?アート、街の壁にチョークで作品を残していったことは知っていてもどんなものなのかこの目で見る事ができた。巨大な壁画のようなものも見た事がなかった。アーチストは一度マーケット的な価値を持ち始めると世界がガラガラと変わる。キースへリングもそうだ。
 金の稼げるアーチストとして大成する前の彼を概観してみせる希有な機会だった。ただ、それらがどう有機的に結びつき発展していたのか、影響し合っていたのかは、展覧作品を見るだけでは分かりにくい。そして、初期の作品だとしても、それが後期の、彼の人生の最後の8年の作品にどう受け継がれていったのかを示す資料の展示があると良かったのにと思った。
 しかし、こうした展覧会を見た後には、ニューヨークの街にある落書きやオブジェといったものに次世代のキースがいるのではないかと思ってマジマジと観るようになるだろう。時には心をとらえるものもあるはずだ。街を新たな視点で観られるようになれる通過儀礼をしたい人向きかも?
 そして次のスターンファミリーのようになる人が出てきてくれればいいのに。
 つまり作品を集めてくれたのはいいけれど、集めただけに終わってしまったように思える。ブルックリン美術館は今回初めて出かけたのだけれども、マンハッタンから至近なのに、来場者は少なく、アジアや中東の美術のコレクションも見事。また、19世紀から20世紀にかけての印象派などの作品もあって(特にセザンヌが豊富)それも人のほとんどいないところでじっくり観られるのは良かった。
 

James Franco on WhoSay2012年4月11日@ブルックリン美術館
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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