佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 エンドオブザレインボー end of the rainbow 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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ジュディガーランド、最後の日々の物語
作/Peter Quilter
演出/Terry Johnson
出演/Tracie Bemmett


「見事な演技と歌唱。まさにそこに降りてきていた」
 トレースベネットの演じるジュディガーランドは、彼女の私生活などは全く分からないけれども、それが人間として透徹されていて見事としか言いようがない。さらに歌唱場面での彼女の声やしぐさが、話し方、唄い方、何から何までそのままで驚いてしまう。それは最初の一言で、最初のワンフレーズの唄い方で観客の心を虜にしてしまう。
 ジュディガーランド、彼女は当時47歳の女性として孤独やセックスにもみくちゃにされていたのかもしれないけれども、この若くして死んだ彼女の芸へのこだわりとか、次に何をしたいと思っているのかといったこと。そういう要素が台本に少なかった。
 「おしっこいった?」とか「私はベットではものすごくいいのよ」といった下ネタばかりが多すぎてちょっとひいてしまう。僕は彼女の女としても興味はあるが、アーチストとして、キャリアを積んできたその最後に、どう芸能人として歌や演技に取り組んでいたのか向き合っていたのかをもう少し見てみたかったのだ。彼女のあの唄い方、あの演技のアプローチは彼女の私生活のどういう部分が影響していたのか?
 この本では彼女の歌や演技に対する深い愛情と執着をあまり感じられないのだ。やりたいことができない葛藤やもどかしさもあまり伝わって来ない。そこをもっと強く出していかないと彼女が薬や酒につぶされていった過程も弱くなる。そういう意味でこの作者と興味の方向性が違うんだろうなと思った。
 まあ、そうやってケチをつけることもできるけれど、素晴らしいトレシーベネットの歌唱を聞くだけでこの作品は見る価値が十分にある。観客に取って素晴らしい夜になる。ミュージカルというよりも歌入りの芝居として完成度高い作品だ。


2012年4月12日@ブロードウェイ ベラスコ劇場
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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