佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 劇団新派 お嬢さんに乾杯 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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出演
バーのマダム/水谷八重子
池田鶴代(泰子の母)/波乃久里子
池田泰子/瀬戸摩純
高松五郎/井上恭太
池田浩三(祖父)/安井昌二
石津圭三/市川月乃助
青柳喜伊子/田口守/石原舞子/鴫原桂/川上彌生/鈴木章生/児玉真二

あらすじ 昭和二十四、五年頃。
自動車工場を経営する石津圭三は今年三十四歳になるのだが未だに独身で仕事一途である。そんな圭三に見合い話が持ち上がった。その相手とは得意先の会社の専務佐藤が以前仕えていたお邸のお嬢さん、池田泰子であった。佐藤専務の手前義理で会う事にしたのだが、泰子に会った瞬間、想像していたような高慢さもなく気高さと美しさを兼ね備えた彼女に心を打たれた。意外にも泰子からも結婚の了解を得、家を訪ねた圭三はあまりの豪邸に目を見張る。

しかし、立派な作りではあるが何となく寒々とした様子。よくよく話を聞いてみるとこの邸は抵当に入っていてその期限もあと三月。結婚は金目当てかと不信感を抱くが泰子の事が諦め切れない圭三は期限を定め、交際を始めるのだが…。


新派の125周年に乾杯田口守に乾杯
朝日新聞の劇評が厳しいものだったので心配だったのだが、いやあ面白かった、楽しかった。
冒頭の口上。15分のものなのだが、歌舞伎の口上のようなものを想像していたら、素晴らしい日舞の披露が主なものだった。新派の俳優さんは皆さん踊りを勉強されているだろうが、なかなかそれを見ることはできない。それを存分に見せて頂いた。正月らしい華やかさが劇場に広がる。実際の口上はさらっとしていてとても良かった。
 で、本編。朝日の劇評は若手を売り出すための興行か!みたいな書き方なのだが、僕は全く別の感想。それはベテランのスゴさである。今年85才の安井昌二は、子供のころの子供向けテレビドラマ、チャコちゃんシリーズのお父さん役で見てから知ってるからもう45年くらい前から知ってるわけで。。。今や、どかーんといるだけで存在感があり、その表情から家庭のおかれている立場と実情を表現していた。美術やセットやストーリーや説明台詞があっても俳優がそれを体現していなくては仕方が無い。それが安井にはある。
 そして、水谷八重子。例えば、終盤に、石津が彼女と別れたと言った時のリアクション。もう絶品。あの哀しさと戸惑いと落胆と愛情といろんな感情が混ざり合った感情の噴出。そして、幕切れの喜びに満ちてグラスを上げた時に出す空気。この素敵なドラマが、昭和を舞台にし昭和の感性を大切にしながら創り上げているけれども、それは今の時代の気持ちにも通じることを演じてみせた。そして、今回驚いたのが井上恭太。僕はこの人は化けるかもしれない新派の秘密兵器だと思うし、水谷さん自身も舞台で語っているけれども、その期待を背負ってみる度に巧くなる。僕はこの人の問題点は滑舌だと思っていたのだが、それがこの2年で見事に克服された。こういう鍛錬が物凄く大変なのだ。そして台詞を語っていない、舞台の脇にいる時の表情や佇まい。演技をし続ける腕前は大したものだ。この人、朝の連ドラにぴったりなのだ。一度出てしまえばスターになること間違いない。
 そして、誰が何といおうと今回の最大の功労者は、田口守だ。巧い。巧すぎる。そして、俳優としての存在感がものすごい。この人は例えば加藤大介のような昭和の俳優のもっていたスゴさがある。映画やテレビがこの人をもっと使わないのはバカだ。演技力も、存在感も抜群なのだ。名バイプレイヤーとして絶対に注目すべきだ。
 演出にひとこと。主役の二人の話し方は、映画の二人のそれと非常に似すぎていて、そこまでやらなくてもと思った。特に石津の演技がオーバー過ぎて見ていて時々辛かった。
 

2012年1月22日@三越劇場
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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