佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 Fences 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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主演 デンゼルワシントン ビオラデイビス
オーガストウィルソン 脚本
ケニーレオン 演出


 デンゼルワシントンが舞台に立つというので見た。1987年の作品でピューリツア賞受賞のオーガストウィルソン(1945-2005)の代表作。1950年代の何部の家族を描きながら、それは、現代にも通じる話が脈々と流れている。テネシーウィリアムズ的な作品です。
 殺人罪で前科1犯の黒人の男はいまは社会の底辺の仕事をしている。妻とのセックスだけではものたらなく愛人もいる。息子がフットボールで大学からスカウト。それなのに承諾しない。親子のケンカ、家出。愛人との子どもは父親の死後、妻が育てる。
 まあ、とにかく出演者が見事ですなあ。しかし、参ったのは南部なまり。デンゼルワシントンといえば、シドニーポワチエ以来の知性的な黒人俳優のイメージだし、その知的な演技で2回もアカデミー賞を受賞しているわけだけれども、今回は南部の貧しい黒人で、いやはや訛りが強くて分かり難い。英語が!英語がわからねえという苦難はありましたが、おおよそのストーリーはつかめましたな。
 およそ知的な人間ではない男を演じているけれども、その演技自体は知性と品格にあふれていた。ステレオタイプな人間の描き方はしないし、感情をすぐに表には出さないし。素晴らしいものでした。開演前から幕があがっていたので、こっそりセットを撮りました。このまま2時間半、人間に迫る話が、、、、、
 妻役のヴィオラデイヴィスはトニー賞の候補にもなった実力派女優ということで、魅力も演技力もあるのですが、ちょっと感情を表に出し過ぎで分かりやすい演技。
 こういう芝居はとかく主演者だけが目だつ芝居になりがちですが、カンパニーとしてとても良かったです。デンゼルワシントン、本当にいい役者だと実感。今度はなまりの少ない役のものを見たいなあ。





2010年4月16日 コート劇場(ニューヨーク)
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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