自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
Argo 監督/ベン・アフレック 脚本/クリス・テリオ
製作 ジョージ・クルーニー グラント・ヘスロヴ ベン・アフレック
出演者 ベン・アフレック、ブライアン・クランストン、クレア・デュヴァル、アランアーキン、ジョン・グッドマン
マイケル・パークス、テイラー・シリング、カイル・チャンドラー
撮影/ロドリゴ・プリエト 編集/ウィリアム・ゴールデンバーグ
一級のエンタティメント映画
腐敗に満ちたパーレビ国王を退陣させ、清廉潔白であるが世界秩序には歓迎される人とはいえないホメイニ師を表舞台に登場させた「イラン革命」は、その後の40年にも渡る対アメリカの始まりでもあった。1970年代のカーター大統領は人質に取られたアメリカ人を救出するために余りにも多くの代償を払った。当時の今とは全くの様相の違う時代を、でも多くの人がまだ何が正解か覚えている1970年代の映像をアフレックは見事に映像化することに成功した。ここでは、政治的なメッセージはなく、スリル、サスペンス、アクションを徹底的に楽しませてくれるエンタティメント映画になっていると同時に、現代のアメリカ政治史における傷であり、忘れたい出来事であった歴史のはずが、こんなこともあったんだぜ、やっぱアメリカスゲーと思いたいアメリカ人にとっては拍手喝采の映画であろう。オスカー作品賞はそういうドライブの掛かった受賞だと思う。もちろん、面白い一級のエンタティメント作品に仕上がっていることは事実である。2013年2月20日
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佐藤治彦 Haruhiko SATO
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男性
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演劇ユニット経済とH 主宰
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演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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