佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 映画 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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監督 : エリック・ブレヴィグ
出演 : ブレンダン・フレイザー 、 ジョシュ・ハッチャーソン 、 アニタ・ブリエム

 別にケチをつけるわけではないのですが、最近のディズニーはディズニーランドに作ったアトラクションを題材に映画を作るってのは増えましたね。昔は先ず映画があって、アトラクションだったのに。例えば、「ホーンテッドマンション」「カリブの海賊」、そして、これもそうらしいですね。ジューヌベルグの名作「地底探検」を原作にしたアトラクションを、なぜかハムナプトラシリーズのブレイザーを主演に92分のお手軽な長さでの作品に仕立てた。見ていて、笑いました。いろんな映画のつぎはぎみたいです。インディージョーンスとかジュラシックパークとか。次々と場面が変わるし、CGがスゴいので見ていて飽きません。楽しい冒険活劇になっていますから、ぜひお子さんとどうぞ!




2008年12月28日
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監督 ロブ・コーエン
脚本 マイルズ・ミラー アルフレッド・ガフ
出演者 ブレンダン・フレイザー ジェット・リー マリア・ベロ

 恐ろしく薄っぺらく、何のオリジナリティもないCG映画。登場する人物もつまらない。何でこのシリーズが3作も続いているのか分からない。

 

 2008年12月16日
プロデューサー ジョージルーカス
監督  スティーブンスピルバーグ
撮影 ヤヌスカミンスキー
出演 ハリソンフォード ケイトブランシット ジョンハート ほか

 「インディジョーンズ」というとてつもなく面白い映画をやってると教えてくれたのは、いま慈恵医大で教授をやってる浦島だ。高校時代の悪友である。吉祥寺の二番館で「ビックウェンズデー」との二本立てで見たのだが、元々の目的はこのサーフィン映画をみるためだったのだ。浦島に借りがあるとすると、この映画は絶対に面白いと言ってくれたことだ。説得力があった。「1941」などでスピルバーグは時々はちゃけるなあと思っていたので、あまり期待もしていなかった。
 まあそんな気持ちで出会ったのだ。身を乗り出してみた。最後は拍手をしていた。
 「インディジョーンズ」は最初から最後までとてつもなく生命力にあふれた映画だった。こうなるともうダメだ。2作目「魔宮の伝説」はいまはなき日比谷スカラ座での特別試写会を手に入れて観に行った。僕の隣には、少年役のキーホイクアンが座り、前席にはプロデューサーのロバートワッツが座っていた。この人たちとコミュニケーションできるようになればハリウッドで仕事ができるようになるかもしれない。僕は確かロバートワッツに何かひと言いった。覚えていないけど、そして、やはり英語は必要だ!そう真剣に思ったものだ。ああ、20代。銀行員になって3作目を見たのはマンハッタンの映画館だった。ちょっと英語が難しいところもあってアレレだったのだが、面白かったのは覚えている。
 
 1作目からすでに25年以上が経ち、映画にあるのは、老いと死への暗い影である。ハリソンフォードは台詞も身体のキレもなくなるし、スピルバーグはETや宇宙、現実世界と異なる世界との接点にあまりにもこだわった。現実の世界のあとのことを強く思っているのが伝わってくる。
 しかし、この金とコンピューターに頼り切った映像は、たとえアマゾンのジャングルの中でのチェイスシーンの撮影でもスタジオ感が漂う。例えば1作目でエジプトカイロへの道で敵とインディーがトラックチェイスをするシーン。インディがジープの下をロープで進んでいき引きづられるシーンなどは、スタントマンがコマ撮影でホントに肉体を使って撮影している。その肉体を使っている感がフィルムに刻まれたのだ。蛇が山ほど出てきても、良く集めたなあと、何万匹の蛇は、少なくとも画面に映るそれは、一匹一匹が懸命に生きている本物で、観客はその本物の何万匹の蛇の生命を見たものだ。
 しかし、今回は崖でのカーチェースは、はいはい。CGですね。奇麗な絵ですとなり、人食い蟻の大群がでてきても、全部CGだあ。本物は一匹もなしとなる。パソコンってすげーなーとしか思えない。人の頭の中で作られたこの世には存在しない生命を人の頭で創りだした像をパソコンで映画の中に入れているから迫力がないのだ。そこには、生命力は感じられない。
 脚本にも相当な無理がある。冒頭にソビエトの諜報部員がアメリカ国内で奪い取る宇宙人の死体。それが、後半の話の前振りになっていない。つながらない。なぜ?がサイコの最終戦を行いたいと思っている。それで終わる。当時は原水爆というとてもリアルな最終兵器の開発の時代にその発想か。ソビエトの動機は分からない。
 インディが水爆実験に巻き込まれ、その爆心地あたりで、冷蔵庫に隠れて助かるのだが、まずあり得ない。そして、冷蔵庫が転げ回るようにしてそこからはじき出されるのに怪我ひとつないどころか、ほとんど直ぐに歩き出す。生身の人間らしかったインディは超人ハルクになってしまっったのか?
 映像のすごさは感じるのだが、そこに真の迫力がないし、生命がないので、冒険アクション、アドベンチャーの空気がまったく伝わって来なかった。僕にとってはインディジョーンズは19年前に終わったのかもしれない。
 







2008年7月24日
新宿ピカデリー スクリーン5
監督 ピートトラヴィス
脚本 バリーレヴィ
出演 デニスクエイド シガニーウエーバー フォレストウィテッカー ウィリアムハート



 面白かった。スペインマドリッドで起きた大統領狙撃事件をそこに居合わせた人間8名の視点から8回振り返る。振り返りながら事件の結末に辿り着くという手法。正直3回目くらいから飽き始めるのではないかと思っていたが、脚本がとにかく上手くて、どんどん本質に迫るので全く飽きない。素晴らしいキャストにスペインマドリッドの魅力的な風景も嬉しく誰にでもお勧めできる上質なエンタチメント作品に仕上がっている。監督も脚本もこれといった作品を手がけた人ではないがこれからは要注目だ。この作品に出た俳優たちはきっと脚本の面白さに惹かれて参加したのだと思う。
 実績だけで判断しないんだなあ。素敵だ。

http://www.so-net.ne.jp/movie/sonypictures/homevideo/vantagepoint/

2008年7月3日


監督 和泉聖治
脚本 戸田山雅司
出演 水谷豊 寺脇康文 西田敏行 山中崇 六角精児 木村佳乃 ほか 



 とにかく見ていて飽きさせない工夫が随所にある和泉監督の職人肌を感じさせる一級エンタテイメント。脚本もテレビドラマを見ている人のテンポや姿勢を忘れない態度が潔い。テレビを見ている感覚と、例えば「風とともに去りぬ」を見ているときの精神状態というか作品に対する距離感って違うんだよね。きちんと観客のことを分かって作り上げるということがどれだけ難しいか。しかも観客はテレビとの距離感で見始めるのだけれど映画ならではのスペシャルも求めるものだから。ややこしい。日本映画は本当に面白くなった。僕の高校時代とはホントに隔世の感がある。
 役者も素晴らしい。水谷豊さんがこれほど受けるのも良く分かる。そして、残念なのは、西田敏行さん。本当に面白いが、この人が黒澤明の活躍した時代、小津さんがいた時代に出会っていたらいったいどんな作品を生み出したのだろうと思うと、残念でたまらない。例えば、ね、影武者。
 


http://www.aibou-movie.jp/#

2008年6月


監督 マイク・ニコルズ
出演 トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダム



 1979年。日本が高度経済成長の恩恵を預かっている頃、世界を震かんさせる事件がおきた。ソビエト連邦のアフガニスタン侵攻だ。世界がテロの恐怖におびえる今日の現況を作った事件だ。そこに果敢に挑んだひとりの政治家。ひとりの人間が世界を動かし得る可能性があることをこの映画ユーモラスたっぷりに描いている。トムハンクスの脂ぎった政治家ぶりはリアリティがありすぎるし、ジュリアロバーツも久々に当たり役をもらってとにかく笑わせてくれる。この映画は史実を土台に描かれているらしいが、そんなことはどうでもいい。ただ傍観しているだけでなく、行動することでいろんなことを変えることができる。そういう希望に満ちた映画なのだ。
 80年代のオバカな時代背景を忠実に再現した美術や衣装にも注目してもらいたい。



予告編などホームページ

アメリカ映画
2008年5月15日
監督 ジェイラッセル
脚本 ロバートジェイソン・ジェイコブス
出演 デヴィットモリッシー エミリーワトソン ほか


 ナルニア国物語を生み出したウォルデンメディアがネッシー伝説を描いた作品。子どもの幻想と現実が入り乱れているのは、ファミリーピクチャーとしては如何なものかと思う。これじゃあ、ネッシーはいたのだということで話が終わっているじゃないですか。まあ、いないものはいないんです。
 そういうことはよそにおいておいて、スコットランドの美しい自然が見られるのは、きっともう映画の中だけなんだろうなあと思ったりね。とてもきれいな映画なので、まあ、ファンタジー映画と思ってみればいいのでしょう。




2008年5月14日






映画サイト http://www.sonypictures.jp/movies/thewaterhorse/site/
監督:ピーター・ヘッジズ
出演:スティーヴ・カレル、ジュリエット・ビノシュ


 アメリカンコメディの王道。若くして妻に先立たれ、3人の娘の世話をするエッセイストが久々に恋に落ちたのは、兄弟の彼女だった。このどうしようもないほどティピカルな設定を本当に上手く見せるのは脚本がすぐれていること、演技者の力量があるからに他ならない。
 予想通りの展開ではあるが、とってつけたような展開は決してない。本島に勉強になる作品だと思った。そして、恋の素晴らしさ、生きること、愛されること、愛することの幸せさを改めて実感させてくれる作品となった。





アメリカ映画 2007年
2008年5月14日
監督 ティムバートン
出演 ジョニーデップ アランリックマン ヘレナボナムカーター



 ティムバートン監督作品は好きですか?と聞かれれば、もちろん!と答える、もう食傷気味だったバットマンシリーズだってティムバートンに掛かれば暗いダークな美術に彩られて素晴らしい作品になる。シザーハンズ!泣いたよ、俺も!ビートルジュース、エドウッズ、猿の惑星、チャーリーとチョコレート工場、マーズアタック!。何しろ、アメリカの劇場で見た最後の映画が93年のサンクスギビングデイとクリスマスの間に、ロスで見た「ナイトメアーヴィフォアクリスマス」だしね。
 そして、ジョニーデップ! ティムとジョニー。世界中の誰もが認める最強コンビの作品だ。
 しかし、この作品にはもうひとりの主役がいる。スティーブンソンドハイムだ。いま世界中のミュージカル俳優の最高の尊敬を受ける正真正銘現存するナンバーワンソングライターだ。それは、「オペラ座の怪人」「キャッツ」などの、アンドリューロイドウエッバーを上回る。独特のメロディライン。難解なリズム。しかし、現代の息吹を感じさせ、深い音楽性にあふれる彼の作品は、本当に素晴らしいそのものなのだ。その彼の出世作が1979年のこの作品だ。こんな暗く陰湿な作品を取り上げたことは本当にスゴい。
 ちょっと待ってくれ。ティムもジョニーもスティーブも暗いのだ。陰湿なのだ.ダークなのだ。
そして、作品そのものも黒と青を基調とした色彩の中で、無実の罪を負わされ妻と娘を奪われた目の下の隈はまるで歌舞伎俳優のようなジョニーが、暗い室内で、残酷な犯罪を繰り広げる。そんな作品なのだ。それが行けない.今回は違うのだ。話が暗く重く陰湿なだけに、廻りまで暗く重くしてしまっては、その恐怖はあまり感じられない。むしろ、普通の明るい空気の中で、いつの間にか罪の意識も忘れ職人のように喉をかっ切るから怖いはずのだ。
 何か怖いものを怖く見せられてもなという感じなのだ。この作品には、もう、見る側の想像力をかき立てる余地が残されていない。むしろ起きていることと反対の空気を創りだすことこそが、観客の心の中にくらい空気を生んだのではないだろうか?面白いが、こういう才能の集結だけに、当たり前のものを見せられてちょっとがっかり。期待を上回るものは生まれなかったのだ。





予告編付き日本語ホームページ

アメリカ映画
2008年5月6日
監督 デンゼルワシントン
脚本  ロバートアイズル
出演  デンゼルワシントン フォレストウィットテーカー 


 アメリカという国のユニークさはこういう素晴らしい映画作品が生まれてくることだ。時に政権のあまりにもの身勝手さや横暴さにアメリカ全体を否定してしたくなることもあるだろう。しかし、それを批判し新たな動きを導きだすのもアメリカなのである。デンゼルワシントン監督第二作目になるこの作品はまぎれもない感動大作になっており、暴力でなく心と言葉と思想で世の中を変えていけるというメッセージが含まれている作品である。もちろんハリウッド映画である。決して押し付けがましくもなく、自然に、ひとりの人間の生き方、成長を通して訴えかけてくるのである。
 1930年代の南部アメリカを舞台に素晴らしい映画が出来上がった。久々に泣きながら見た作品となった。真面目にデンゼルワシントンにファンレターを出したくなったくらいだ。そんな感想しか持てません。あ、音楽もいいです。正統派の映画音楽でした。




公式ホームページ http://www.thegreatdebatersmovie.com/

日本語解説 http://www.blackmovie-jp.com/movie/greatdebaters.php
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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