佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 る・ぱる 八百屋のお告げ 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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作:鈴木 聡
演出:鈴木裕美

松金よね子/岡本麗/田岡美也子
加納幸和/井之上隆志/津村知与支

「鈴木聡の傑作。生きる喜び、観劇の喜びを再認識させてくれるマスターピース」
 ラッパ屋の鈴木聡は現存する日本における最高の喜劇作家である。僕はその鈴木の最高傑作のひとつではないかと思う。この作品の日常の会話や生活の中にペーソスを感じさせる手法は抜群である。生きることの面白さとおかしさ、それも笑いだけでなく可笑しさをにじませる作品だった。これこそ傑作である。こういう作品に出会いたいがために劇場に通うのだし、こういう作品を自分でも書いてみたいから僕は書くのである。
 ちょっと無理気味な設定もあるのだが、観客をぐいぐい引き込んでいくのは3人の女優の力量のみせどころである。上手い、いい味、魅力がある。うーーん、何といっていいか分からない。3人とも素晴らしいのだが、例えば松金よね子さんは、テレビや他の舞台では、もっとハチャメチャに役を作り上げる。それは、メインであってももっと分かりやすく登場人物を見せる。それは、メインであっても短時間にプレゼンテーションしなくてはいけないことが多いからなのかもしれないが、今回の作品では登場人物に本当に丁寧にじっくり向き合って作っている。いつもと比べれば、表情は無表情のことが多い。だけれども、なんてことはない時の表情の見事さ。間合いの取り方も、いつもの爆笑喜劇の時と違って慎重なのである。ただ笑いが取れればいいなんて間合いでやらない。なんていうか、喜劇の間合いでなく、日常にありそうな間合いで笑いを取るのである。その抑えた演技の見事さ。2時間10分の積み重ねで最後の20分でお客をきちんと終着点に連れて行く。もちろん、そこまで、ずーーーーっと楽しませ続けてくれる。いやはや見事。
 大好きな井之上隆志さんは、ちょっとやり過ぎだろ!と思ってみていたら、15分もするとそれを自然と受け入れてしまう。この人の腕はもうスゴすぎる。こういう俳優たちをハリウッド映画は使って欲しい。
 4人の喜劇俳優は本当に本当に見事のひとことだ。もちろんあとの二人もいいんだけど。4人が良すぎてねえ。こういう演技をみると、僕はやっぱり喜劇俳優の技量のスゴさを感じてしまうのだ。再演があったら、何を差し置いても観に行かれることを強く薦める。2012年2月28日@座・高円寺
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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