佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 東京都交響楽団/エリアフインバル 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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 東京都交響楽団の評判がものすごくいい。
 とうとう2012年度は東京都交響楽団の定期会員にもなってしまった。
 このうち絶対に行こうと思ってるのはインバルのマーラーシリーズだ。
 マーラーの交響曲第1番〜第4番に加え「少年の不思議な角笛」など

指揮:エリアフ・インバル


 インバル/アムステルダムコンセルトヘボウ管弦楽団 マーラー交響曲10番


《マーラー》 少年の不思議な角笛(抜粋)交響曲第4番 ト長調**
ソプラノ:森麻季** バリトン:河野克典*
 マーラー演奏の頂点に立つ、珠玉の名演
 死への憧れと恐怖の二面性をマーラーは意識しつつ壮麗な管弦楽で9つの交響曲を完成させた。その中で2番以降の超巨大な楽曲の中で第4番は比較的短く、比較的平穏で、幸福感に満ちている。マーラーの交響曲の流れのなかで少々特異な存在にある愛すべき作品だ。華麗で分厚いスコアの管弦楽ではあるが、それを感じさせないふわっとした小品のように聞かせる、いや、聞く側に威圧感をまったく与えない演奏が理想なのである。
 インバルと都響はそのことを重々に分かっているのだろう。
 弦楽合奏のピッチの合い方、アンサンブルの素晴らしさ、微妙な変化もふわっと会う。それが上からの押さえつけでなく、楽員の内部からの何かで実現している様な自由さ、共感がある。出だし。鈴がなる。そして、主題が管弦楽によって引かれる中での有名なメロディ、一瞬のためと、そのあとの立ち上がり方、音量もテンポの復帰の仕方もぴたっとあう。こうした管弦楽演奏のアンサンブルの極限に挑戦しつつ、それを感じさせない。木管のアイロニー溢れる音楽の鳴らし方はなんだろう。
 マーラーをこんなに美しく、繊細に、そう繊細に演奏する団体はほかにあるだろうか?3月にきいたマーラーも驚いたが、都響/インバルはマーラー演奏に関して間違いなく現在、世界でトップの演奏をしているし、それは、マーラー=ユダヤという括りで演奏を極めていった、ワルター→バーンスタインという20世紀のマーラー演奏のひとつの頂きとは、また別の山。つまり、マーラーのテキストを純管弦楽として極めていく、欧州文化だけに頼らない、浸らない演奏のひとつの山をインバル/都響は登ったといえる。それは、これからもマーラー演奏のひとつの規範として語られて行くだろう。それは、これだけ科学技術が進んだ21世紀の演奏であるのだ。
 
 
 僕がこの4番を最初に聞いたのは16歳か17歳。ちょうどアバドとシカゴ響?の新しい録音がドイツグラモフォンから発売されて同級生の国平君から教えてもらって聞いてみた。この演奏は3回くらいしか聞いたことがない。あまり演奏されない名曲だ。僕のあやふやな記憶だと、1980年代の前半に若杉弘/ケルン放送響/エディットマチスの来日演奏会で聞いたのが初めてという記憶なのだが、どうも良くわからない。そのあと、日本のオケで生演奏に一度はあるかな。
 この交響曲は最後に女性の独唱が入る。森の声は3階席から聞くと弱いのだが、清い声で弱々しいのが却って天上からの声のようで良かった。
 何か言葉にするのがむなしくなってきた。あの感動は聞かなくちゃ分からない。いえることは、この日本人しか知らない、東京にある多くのオーケストラのひとつが圧倒的な世界でトップの、演奏をしているということだ。

2012年11月3日@東京芸術劇場



モーツアルト フルート協奏曲第2番 独奏 上野由恵
マーラー作曲 交響曲第5番
2013年1月20日@東京芸術劇場

《ベートーヴェン》歌劇「フィデリオ」序曲
ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲 ハ長調 交響曲第4番 変ロ長調
ピアノ:清水和音 ヴァイオリン:矢部達哉 チェロ:向山佳絵子
2013年1月27日@東京芸術劇場
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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