自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
アルドチッコリーニ ピアノリサイタル
セヴラック/《休暇の日々から》第1集
演奏会用の華麗なワルツ「ペパーミント・ジェット」ほか
ドビュッシー/前奏曲集第1巻


崩れかかった究極の美はまるで水墨画のようで。
チッコリーニは非常に高度で美しい、難しい小さな標的を狙って音を繰り出すピアニストである。ピアニストとしてはもうすぐ崩れてしまうだろう。
つまり、さすがに80代のピアニストなので技術的には時おり外す。それは仕方のないことだ。しかし、ギリギリ彼の創り上げたい造形美は見事に伝わって来て、その造形美は現代最高のものであることから、やはり聞き逃せない演奏会だなと思った次第。
ドビッシーなどはイタリアのピアニストとして、鋭角なデジタル感に溢れたミケランジェリなどと比べるともっと自由で色彩感に富む。古い見事な水墨画を見てる様な感慨だ。彼は水墨画を提示したいわけではないのだから、技術の後退で色が褪せてしまったと表現すべきかもしれない。前半のセブラックは知らない作曲家であったが魅力的な曲ばかりで、初聴の曲馬借りだが非常に楽しんだ。昨年の協奏曲はオーケストラとあまりにも合わなかったので聞いているのが辛いくらいだったが、揺れ動くチッコリーニの気持ちのままに演奏するリサイタルはやはりひとつひとつが聞き逃せないなと思った次第。
2012年12月1日@すみだトリフォニーホール
セヴラック/《休暇の日々から》第1集
演奏会用の華麗なワルツ「ペパーミント・ジェット」ほか
ドビュッシー/前奏曲集第1巻
崩れかかった究極の美はまるで水墨画のようで。
チッコリーニは非常に高度で美しい、難しい小さな標的を狙って音を繰り出すピアニストである。ピアニストとしてはもうすぐ崩れてしまうだろう。
つまり、さすがに80代のピアニストなので技術的には時おり外す。それは仕方のないことだ。しかし、ギリギリ彼の創り上げたい造形美は見事に伝わって来て、その造形美は現代最高のものであることから、やはり聞き逃せない演奏会だなと思った次第。
ドビッシーなどはイタリアのピアニストとして、鋭角なデジタル感に溢れたミケランジェリなどと比べるともっと自由で色彩感に富む。古い見事な水墨画を見てる様な感慨だ。彼は水墨画を提示したいわけではないのだから、技術の後退で色が褪せてしまったと表現すべきかもしれない。前半のセブラックは知らない作曲家であったが魅力的な曲ばかりで、初聴の曲馬借りだが非常に楽しんだ。昨年の協奏曲はオーケストラとあまりにも合わなかったので聞いているのが辛いくらいだったが、揺れ動くチッコリーニの気持ちのままに演奏するリサイタルはやはりひとつひとつが聞き逃せないなと思った次第。
2012年12月1日@すみだトリフォニーホール
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
HP:
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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