佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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一、 ひらかな盛衰記(ひらかなせいすいき)
   逆櫓
       船頭松右衛門実は樋口次郎兼光  幸四郎
                   お筆  福 助
                女房およし  高麗蔵
              船頭明神丸富蔵  松 江
              船頭灘若九郎作  廣太郎
                 畠山の臣  宗之助
                 畠山の臣  桂 三
                漁師権四郎  錦 吾
              船頭日吉丸又六  錦之助
               畠山庄司重忠  梅 玉



   四世中村雀右衛門一周忌追善狂言
二、 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)

   七段目
   祇園一力茶屋の場
               大星由良之助  幸四郎
                   お軽  芝 雀
                 赤垣源蔵  友右衛門
               富森助右衛門  廣太郎
                 大星力弥  廣 松
                 鷺坂伴内  男女蔵
                矢間重太郎  秀 調
                 斧九太夫  家 橘
               寺岡平右衛門  吉右衛門



三、 釣女(つりおんな)

                 太郎冠者  又五郎
                  大名某  橋之助
                   上﨟  七之助
                   醜女  三津五郎

※市川團十郎休演につき、配役変更にて上演いたします。



ここには正月興行の華やかさはなかった。
正月なので特等席で観劇。「逆櫓」も「七段目」も幸四郎がメインでこの正月興行はまるで幸四郎独演会の様相を醸し出している。ところが僕は幸四郎が苦手。以前は台詞はいいなあと思っていたのだが、最近はその台詞もクリアでなくなってきてしまって、なくなった勘三郎や悪の華であるが海老蔵などがもっている内面から出て来た感情で芝居をしているのと距離があるように思えてしかたないのだ。それは人間的な魅力に欠けるということを意味するわけで、舞台の華やかさはない。むしろ、衣装や美術の豪華さから俳優の魅力の欠如が浮き立ってしまったのだ。「釣女」でほっとした。これが正月興行かと思うと正直寒い。コメディダンスであるが楽しめた。

2012年1月10日@新橋演舞場
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2008年の監督・主演作「グラン・トリノ」で事実上の俳優引退宣言をしていたクリント・イーストウッドが、4年ぶりに銀幕復帰を果たしたドラマ。大リーグの伝説的なスカウトマンとして知られるガスは、年齢による視力の衰えを隠せず、その手腕に球団フロントが疑問を抱き始める。苦しい立場のガスを、長年離れて暮らしていたひとり娘のミッキーが手助けすることに。父と娘が久々に対じすることにより、秘められた過去と真実が明らかになる。「マディソン郡の橋」(1995)以来17年にわたり、イーストウッドから映画製作を学んだロバート・ローレンツがメガホンをとり、イーストウッドが自身の監督作以外で俳優に徹した主演作としては「ザ・シークレット・サービス」(93)以来19年ぶりとなった。撮影のトム・スターン、美術のジェームズ・J・ムラカミら、イーストウッド組のスタッフが集結。共演にエイミー・アダムス、ジャスティン・ティンバーレイクら。



映画としてはイマイチ。
Trouble with the Curve というタイトルはなかなかいい。カーブに問題。スカウトしようかどうか悩む選手。実はカーブが打てないヒッターであると見抜くイーストウッド親娘と、データだけでスカウトする人物を決める人間の話。もちろん、そこには人生とか親子とか老いとかいろんな要素が持ち込まれるのだが、イーストウッドがこの20年で生み出して来た映画でさんざん語られたもの以上は何もない。イーストウッドの姿は老いがひどくて正直見ていて痛々しい。この映画、要はイーストウッドの元で長年修行した後輩の監督デビュー作をイーストウッドが自ら出演することで華を添えた友情物語。その裏話の方が感動する。2013年1月6日
96時間/リベンジ Taken 2

監督 オリヴィエ・メガトン
脚本 リュック・ベッソン/ロバート・マーク・ケイメン
出演者 リーアム・ニーソン マギー・グレイス ファムケ・ヤンセン ラデ・シェルベッジア
なかなか良く出来たサスペンス×アクション映画
主な舞台はイスタンブール。そしてアメリカ西海岸。テロリストとボディガードの戦いのアクション映画。サスペンスもたっぷりあるし、トルコの街並を見事に捕えていて異国情緒も楽しめる。グロイシーンも少しあるので子どもには見せたくない。しかし、心に残る映画ではない。ポップコーンやピザとビールやワインとともに楽しんでみればいい映画。
2013年1月6日


京劇超入門公演。
幼い頃にテレビで観た京劇にはいろいろの様相があるのだが、この劇場での出し物では、外国人観光客が分かりやすいアクションとノンバーバールでも分かる笑いで構成されていた。まあ、生演奏もつくけれど、ちょっと物足りない。上演時間が60分なので、京劇超入門としてはいいかもしれないが少しでも知ってる人には物足りなさ200%かもしれない。もっと現代と向っている本物が見たかった。2013年1月5日@梨園劇場 北京/中華人民共和国


雑技は上海の方が上でした。
上海でみた雑技団とほとんど同じ演目なのだが、ひとつひとつの技術は上海の方が上だった。開幕前から緞帳が完全に閉まっていなくて練習しているのが見えるのだ(ただし、最後の5台のバイクのアクロバット走行は全く同じ)。しかし、途中で何回も技術は失敗。雑技はここまでなのか?それなら、金を払ってみるのは、もういいやと思った次第。
2013年1月4日@工人倶楽部金沙劇場 北京/中華人民共和国












カンフーはスゴかったけれど。
すでに数千ステージやっているカンフーミュージカル。貧乏な子供が口減らしのために寺に入れられ、さまざまな欲望(主にセックス)を捨てて立派な坊さんになるまでの話。まあ、いろいろのカンフーをどう見せるかを考えて作られた作品である。2008年の北京オリンピックでリニューアルしたというが、要は台詞部分を英語の録音に合わせて口パクするというもの。これが行けない。あの北京五輪の開会式の口パク少女やら合成映像花火とかを強く思わせてしまった。パフォーマーの肉体のスゴさだけで勝負すればいいのになあ。中国の欧米文化への憧れと劣等感。けれども自らの自負心というのが入り交じったものだった。この劇場は毛沢東夫人の紅青夫人の活躍した劇場らしい。それだけでいいか。。。
2013年1月3日 紅劇場@北京/中華人民共和国

出演者: ウィル・フェレル、ザック・ガリフィアナキス、ジョン・リスゴウ、ダン・エイクロイド、ディラン・マクダーモット、サラ・ベイカー、キャサリン・ラナサ、ブライアン・コックス、他
監督: ジェイ・ローチ

コメディ映画で社会風刺は殆どなし。
 アメリカの国会議員選挙のドタバタコメディ。佳作。この手の作品は笑いながらも社会風刺に溢れた映画になっているのが通例だが、これはドタバタコメディを作るために上院議員選挙の設定を借りただけのもの。見事な俳優たちの間合いと演技を楽しめばいいのではないか? 55点。
2012年12月20日@機内映画
ベートーベン作曲 交響曲第9番

指揮:ロジャー・ノリントン
ソプラノ:クラウディア・バラインスキ
アルト:ウルリケ・ヘルツェル
テノール:トーマス・モア
バリトン:ロバート・ボーク
合唱:国立音楽大学

魅力的なノリントンの演奏

名演。ノリントンのピリオド奏法をN響は見事に向い合って演奏する。この奏法はデジタルなのである。アナログな楽器をデジタルの様に演奏する。それは何を意味するかといえば、合奏のなかで、他の人の音を高度な集中力をもって聞き音質を合わせ、スコアに対していつも以上に忠実に音の出し入れをしなくてはならないのだ。だからこそ、いつもは聞こえない音までもが聞こえてくる。合唱までノリントンの要求に応えていたのが面白かった。
 10年ぶりくらいで聞いた第9。面白かった!
2012年12月25日@NHKホール
監督クリストファー・ノーラン
クリスチャン・ベール/マイケル・ケイン/ゲイリー・オールドマン/アン・ハサウェイ/トム・ハーディ 


21世紀の技術を導引し創り上げた究極の映像
 残酷なシーンや物凄いアクションシーンが連続する映像の万華鏡のような映画ではある。映像はスゴい。ノーラン監督は「インスペション」でも思ったのだが、ものすごい映像作家なのだが、物凄い映像に比較してドラマの部分では見る側の能力や感性に任せてしまっている部分がありすぎで、集中し懸命に作品に向い合わないとただ唖然として終わってしまう映画である。
2012年12月21日


メインディッシュはバリの空気だった。
バリ島に旅行した際に生まれて初めてケチャックダンスのライブを見た。ダンサーたちはプロというよりも、昼間の生活と夜のバイトなケチャックダンスという人たちだ。技術的なものよりも一体感が必要なレベルだからそれでいいだろう。それに毎日やっていれば、それなりに巧くなるのも良くわかる。ケチャックダンスはあの有名な群舞だけでなく、それはコーラスのようなもので、メインの芝居をする人たちが別にいて、それは観光客相手ということもあるが、分かりやすくユーモアに富み客いじりもし、仮面やら伝統的な衣装やらいろいろと繰り出してみせてくれた70分だった。向こう側にバリの海とウルワツ寺院を見つつ陽がくれていくなかで見るものでまあ面白かった。ただ、これ劇場で見せられるとどんな感じなるんだろうなあ。分かりやすくいうと、自然という劇場がメインディッシュだった。要は外国のビールはその土地で地元の料理と共に飲むと巧いのと同じ。2012年12月17日@ウルワツ寺院野外劇場 バリ島インドネシア
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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