佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 演劇 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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2009年2月公演に引き続き

扉座サテライト LOVELOVELOVE13 に作品を提供することになりました。
演出は横内謙介さんがしてくださいます。



構成演出/横内謙介
出演 劇団扉座サテライト生
2010年2月3日水曜日〜7日日曜日 全7公演
すみだパークスタジオ倉

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作・演出 鈴木聡
出演 ラッパ屋



 お芝居をみて心が豊かになる。笑って頷いてちょっと泣く。そんな芝居を鈴木聡さんとラッパ屋はいつも届けてくれる。今回も。あんなマンションは絶対にないのだが、そこがお芝居のいいところ。あんな登場人物はきっと世の中でなかなか出会えないんだけれど、そこがお芝居のいいところ。僕らの心の中にある一番大切なところを揺るがせにしていない。鈴木聡さんのお芝居。4800円。安いなあ。福本伸一さん、おかやまはじめさんがめちゃ素敵な人で、弘中麻紀、三鴨絵里子が今回も可愛く、俵木さんと大草さんの声が魅力的なのはいつもの通り。その他の方々も最高ですが、僕は今回カレー屋さんの二人に惚れました。ああ、面白かった。ホントに面白かった。大阪の方、九州の方、これから見られるんですね。お楽しみに!!!
 思ったのはシアタートップスのサイズってホントに良かったなあということ。紀伊國屋ホールも素敵だけれど、ちょっと大きい。ちょっと不思議な部屋でした。
 しかし、思うのだけれど、何で鈴木聡さんが岸田戯曲賞とか名だたる演劇賞をほとんど取っていないのだろう。本当に不思議だ。

 2010年1月11日
 紀伊國屋ホール






2010年1月11日
紀伊國屋ホール

二、梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)
  鶴ヶ岡八幡社頭の場

          梶原平三景時  幸四郎
               梢  魁 春
          俣野五郎景久  歌 昇
            六郎太夫  東 蔵
          大庭三郎景親  左團次

三、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)

           武蔵坊弁慶  團十郎
             源義経  勘三郎
           富樫左衛門  梅 玉


四、秀山十種の内 松浦の太鼓 (まつうらのたいこ)

            松浦鎮信  吉右衛門
              其角  歌 六
              お縫  芝 雀
            大高源吾  梅 玉



 新春の歌舞伎。華やかで豪華なのだが今年はいまの歌舞伎座最後の正月ということで、いろんな思いがある。大して歌舞伎をみているわけではないが、最初に歌舞伎座にいったのは、いまから25年くらい前。そして、この20年弱はなんだかんだとお邪魔している。ちょっと寝坊したために、見たのは2演目目から。2万円になった一等席は高いなあと思いながら。今回も勧進帳の面白さがイマイチなのだ。いままでいろんな人で勧進帳を見てきた。といっても、弁慶を幸四郎と団十郎で2回づつくらいなのだが、毎回、スゲー面白いなあとならないのだ。動きや顔や音楽は面白いと思うのだが、何か様式的すぎてもっと見ないと分かんないんだろうと思う。
 それに比べて、幸四郎の台詞回しの上手さが今回も映えた梶原平三誉の石切や忠臣蔵外伝となる松浦の太鼓などは分かりやすく面白い。美術も衣装も美しい。あと何回この劇場に来られるのかなあと思いつつ観劇した。

2010年1月10日 歌舞伎座
故林広志 台本 大森ヒロシ 演出 松田かほりほか 出演




 仲間だからこそ正直に語りたい。イマイチ? いや、イマ1.5!完璧な素舞台で演じられる90分の時間的にも長くない13のコント集で、コバヤシさんらしい作品。決してつまらないわけではないが、初日ということもあって、役者さんが自らのためにやっている感、つまり観客を多いに楽しませるというところまで至っていなかった部分も見受けられた。出色は江端さんがメインの最後から3番目のコント。自由席は最前列の桟敷と、2列目の椅子席。2800円の席で観劇。更地3が来年4月にあるというので、更に期待したい。

2009年12月11日
新宿シアターミラクル
作演出 東憲司
出演 池下重大 板垣桃子 鈴木めぐみ 原口健太郎 桑原勝行 もりちえ 稲葉能敬 小野瀬弥彦 ほか



 何年かぶりで桟敷童子を観に行った。変わっていないだろうなあと思って出かけたら、やっぱり、前とまったく変わっていなかった。東憲司さんの台本も演出も世界観も基本的には5−6年前と同じで変わらない。劇構造もおおよそのストーリーも、哀しい人間が山ほど出て来て、最後は屋台崩し的で終わるのも変わらない。客入れも客だしも劇団員総出で行うのも変わらない。客電が点くまえにとにかく誰かがお客さんを送り出せるところに行くのも変わらない。ホントに変わらないなあとポジティブにもネガティブにも思いながら見ていた。ただ大きく変わったことがある。それは、長年いる役者が自信にあふれ迷いなく演じていることだ。自分も含め観客の多くは、いや人間てものは勝手に中途半端に生きて行くものだと思う。そういう人間にとってこんなに自信に満ちあふれた時間なんかほとんどない。きっと役者の人たちの日常だってそうだ。桟敷童子の舞台に立っている時以外は、きっとそうだ。でも、桟敷童子の舞台に立っている時は、本当に自信に満ちあふれて輝いている。それが、圧倒的な説得力をもつのである。比較的若い役者は台詞も少なく舞台にだまって立っている人もいるが、そこが全然違う。演出で後ろの方に立たせているのだけれどあれれで目だつ。
 前は池下重大や板垣桃子っていうメインの役者の良さばかり感じていたものだけれど、昨日は鈴木めぐみや原口健太郎の何気ない表情や視線の動かし方、佇まいにほれぼれしてしまった。前から面白かったけれど稲葉能敬の「ちきしょー」ってのと座ったり立ったりするのは、ひとつの芝居で同じような台詞が何回も出て来て、もし自分でこの台本を書いていたらおそろしいのだけれど、役者稲葉がそのどれもをリアルにやるものだから観れてしまう。前にもトングをもって歩いているだけで面白かったけ。桑原勝行のおどけた顔も何回も何回もあるのだけれど、別にそれはお約束でそこで笑いを取ろうというようなものではないのに繰り返されるのだが、いやなものではない。ヨネクラカオリの絶望感、狂気の空気もそう。もりちえは本人にドラマは起きずに最初から最後まで同じ人間で通すのだけれど、そう。外山博美もそう。
 そんな感じで観客の中で相当クールに見ていた自分だけど、一瞬ウルっと来たところがあった。それは、カーテンコールで、小野瀬弥彦が「これからも劇団桟敷童子をよろしくお願いします」と頭を下げたところだ。こんなカーテンコールをされたら堪らない。カッコつけないで、気持ちを裸にして感謝の気持ちを伝えていた。桟敷童子は真心でお客さんを満足させて返す。錦糸町の駅から遠く遠く歩いて来て良かったと思わせる。たいしたものである。

2009年12月9日
鈴木興産第二スタジオ
作・演出 横内謙介
出演  近藤正臣 伴美奈子 岡森諦 ほか

横内謙介の新作はもの静かに沁み入ってくるような作品で、ストレートで直截的なメッセージで迫る若い頃の作品とは明確に一線を画した作品。近藤正臣と菊池均也を客演に迎え、伴、岡森、有馬、中原といったこの劇団の上の世代の人間も真の意味で信頼し合える俳優が舞台上にいることで安心して挑戦的な演技ができているような感じがする。
 それが舞台上で次の世代にも受け継がれて行っているのが良く分かってみていて気持ちよかった。それはこの作品の核になる部分と共有されているからだ。本当に良く考えられた作劇である。別になにも起こる話ではないが心に沁み入る作品で年末の東京にこそ、このような作品は必要なのではないだろうか。
 しかし、近藤正臣さんが舞台にいるだけで重みが出る。30年前の近藤さんはもっとキャラで演じていた印象で、こんなにさらっとした演技をする人の印象ではなかったものだから。菊地均也さんは辞めた劇団に戻って演じたわけで、自分の青春をかけた劇団で13年ぶりに演じる。もしかしたら本当に最後になるかもしれないわけで、やり残さないぞという覚悟をどこかに秘めて演じているように思える。すさまじい集中力だ。伴美奈子がなにも起きないドラマの主軸になっていて、いつもながら非常に繊細な演技をしてみせる。そして、何よりも可愛い。杉山良一は短いシーンながら非常に印象的。若手のアンサンブルがとても素晴らしい。岩本達郎がギリギリのラインを行ったり来たりで面白く、鈴木利典が誠実で、鈴木理沙が思い切り。江原由夏が新境地。犬飼淳治は歳とって渋くなったなあと。モテてるでしょ。串間、安達がいいなあ。2人ともホントに誠実にいい芝居をする。扉座ってホントにいいカンパニーだなあと思った。 必見の作品。




紀伊國屋サザンシアター
2009年12月2日
ケビンスペイシー デビッドスロートン 出演
トレバーナン演出



 イギリスにこの芝居をみるために行った。しかし、心配だった。戯曲を読んだこともどんなストーリーかも知らないし、ましてや、ダーウィンの進化論にまつわる裁判もの。それでもトレバーナンの演出、ケピンスペイシーが大評判ときいたらどうしても行きたくて。何百も見たロンドンの芝居なのに考えてみたらオールドビック劇場は初めて。何て素敵な劇場なんだ。新しく面白いものをやるという清新さが伝統なのだ。
 そして、非常に重たいテーマを日に洒脱に、しかし掘り下げて芝居は進んだ。実年齢よりも老けた格好のスペイシー氏は、実にクリアな発声で、そして、台本というよりも絶妙の間合いで笑いを作って行く。その作り上げた人間像は非常にクリアでシューレリアリストの絵画のような明確なアウトラインが引かれ、ちょっとまぶしいくらいの色が配色されていた。2時間半の芝居は何ら退屈することなく、そして語学の問題もなく終わって行った。実はチケットが取れなくてに立見で見た。見て本当に良かった。ロンドンでこの芝居を見たことは長く覚えて行くだろう。








オールドビック劇場(ロンドン)
2009年11月29日
作詞・作曲ジェリー・ハーマン(Jerry Herman)
脚本 ハーヴェイ・ファイアスティン(Harvey Fierstein)






 僕が見た公演は主演の2人の最終日で盛り上がりがスゴかった。この作品は映画「バードケージ」でもあるように、もう傑作中の傑作なので、なにも言うことはない。完璧に作られたエンタティメントなのだ。前にブロードウェイでも見たのだが、疲れきった体で見たのでなんか寝てしまって、今回はきっちしみられて勉強になった。もう面白いのは当たり前なのでなにも驚かない。
 思っていたよりも音楽も名曲があるなあという感じ。

 僕が見た物とは相当違いますが…。




ロンドンプレイハウス劇場
2009年11月29日


 主役を演じる  と尼僧長の  が偉い俳優らしいが、とにかく何か最初から最後まではしゃいでいる感じでイマイチだなあ。歌もソウルな感じは分かるんだけど、イマイチ。脇役の描き方も分かりやすく、王道感ありありでイマイチ。でもまあ楽しみましたけど。いつまでも残るって作品じゃないなあ。映画がスゴすぎるからね。ウーピーがやったらどんな感じなんだろうと思いました。



2009年11月24日
ロンドンパラディウム劇場
高き彼物

マキノノゾミ作 高瀬久男演出
出演 加藤健一 小泉今日子 占部房子 石坂史朗 海宝直人 滝田裕介 ほか



 とても自然で深みのある作品だった。さすがマキノノゾミ。そして、それをさらに素晴らしい人間ドラマにしたすべての出演者に拍手を送りたい。休憩入れて2時間25分。決して派手なことが起きるのではないのに、観客の心のうちに喜怒哀楽の気持ちが生まれているのが分かる。そうだ。人生の喜びも哀しみも日常の中にあるのだ。そんなとても大切なことを加藤健一は教えてくれた。

2009年11月20日ソワレ 本多劇場
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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