佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 演劇 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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意外な形で参加することになりました。
事務局からの要請で次の作品の演出家クリスコンディックと対談、インタビューすることになりました。

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作レジナルドローズ
演出 蜷川幸雄
出演 中井貴一、筒井道隆、辻萬長、西岡徳馬、品川徹、石井宣一、斎藤洋介、岡田正 ほか



 この希代の名台本。途中休憩15分を挟んで2時間40分間、12人の役者はほぼ出ずっぱりで芝居を続ける。オーソドックスな演出だが、出ている役者さんが華やかな分、そういった空気が全体を通して流れる。辻、品川、石井、斎藤、そして、岡田。本当に素晴らしい。筒井も抑えた演技ですばらしく、観客がこの民主主義の原点のような作品と出会っていることを心から感激しているのが手に取るように分かる。そういいながらも、自分は数年前の和田憲明演出の「12」を上に上げる。何か華やかすぎて。


2009年11月18日
シアターコクーン
『ヘンリー六世』三部作
<第一部>百年戦争 <第二部>敗北と混乱 <第三部>薔薇戦争
作:ウィリアム・シェイクスピア 
演出:鵜山仁      

出演 浦井健治 中嶋しゅう 津嘉山正種 勝部演之 渡辺徹 金内喜久夫 村井国夫 木場勝己 鈴木瑞穂 上杉祥三 立川三貴 久野綾希子 中嶋朋子 ソニン 今井朋彦 岡本健一
ほか



 素晴らしい。初めて見る作品だが、どうも西洋時代劇の匂いがぷんぷんとして、時代劇だし、登場人物は多いし、長いし(9時間)、、、、ユートピアの岸へが第二部で挫折して1枚チケット無駄にしていることもあり、正直引いていた。
 ところが、美しいセット。新国立劇場の中劇場の広い空間を見事につかった、しかし素舞台といってもいいほどシンプルな舞台で、特にヘンテコな読み替えもせず、ただただ台本をやってるだけなのに、何でこれだけ面白いのだろう。時間じゃなくて、ぐんぐん進むスピード感。一瞬たりとも客席のテンションと集中力を下げさせないように、舞台上の空気を紡いで行く役者陣。すごいなあ。非常に基礎的なんです。それで、十分面白い。一瞬も退屈しないんです。
 台詞をとちったりする役者も少なくないのだが、実はシェイクスピアはそういうこと計算済みで台本書いているんじゃないかなあ。全然グラグラしない。美しい詩的な台詞も恥ずかしくなく心に入ってくる。
 何か、演劇とはこういうこと。っていうのを教えてくれる今年屈指の名舞台だし、これほどまでのレベルでヘンリー6世を観られることってそんなにあるのかな?

 新国立劇場中劇場
 2009年11月
作/出演 パニッシュ




 いろんな意見があるのだとは思うけれども、とにかくお客さんがこれだけ喜んでいる。お見送りといって、サンシャイン劇場に来たお客さんを送り出す。徹底したサービス精神。スゴいです。

2009年10月31日
サンシャイン劇場
作演出 ラサール石井
出演  熊倉一雄 小宮孝泰 ほか




 素敵な劇場で3時間の長尺。笑いのポイントも山ほどある台本はラサール石井さんが劇場向けに書き下ろす芝居の台本として今年唯一?熊倉一雄さんがとにかく素敵でして82歳だとか。森光子さん並にスゴい肉体を使った芝居をしてらっしゃる。
 全体的にはいつも見ている小劇場から商業演劇と違ったテンションでして、ちょっと驚いた。


恵比寿エコー劇場
2009年11月12日
スーパーエクセントリックシアター
作 大沢直之
演出/出演 三宅裕司  出演 小倉久寛 ほか



劇団創立30周年記念公演。ミュージカルアクションコメディと称して上演し続けて来たことが先ずはスゴい。そして、この公演のために創立したというビッグバンド。本当の音楽がそこにはあった。三宅さんからそれをきいたとき泣けた。ここまでやるのか!!!!
 役者陣も看板の二人をのぞいても松野あけみほかスゴい人揃い。若者も育っている。惜しむらくは台本だ。個々の役者の面白さを楽しむための台本はそこにあるが、せっかく唄えて踊れるのに、例えば、レミゼラブルのような、例えば、プロデューサーズのような、例えば、ウエストサイド物語のような、すごい台本もスゴい楽曲もない。それが本当に残念でならない。今回も台本が陳腐。楽曲が陳腐。東京ヴォードヴィルショーとの違いはそこにある。
 

東京芸術劇場中ホール
2009年10月30日
 演劇ユニット経済とH 第7回公演 
 作/演出 佐藤治彦 (第1回演出作品)
     19 ナインティーン 夏 〜胸さわぎ編〜
 
             
            


無事に千秋楽を迎えることができました!ご来場頂いた方、興味をもってくださった方、関わって下さった皆さん、どうもありがとうございました!
 この作品は2010年3月 下北沢シアター711 で上演予定の「19 ナインティーン 春」〜旅立ち編〜へと引き継がれます。この作品への出演者を募集しています。詳しくは経済とHホームページの「リクルート」をごらん下さい。http://keizai.sub.jp
作演出 中島淳彦 
出演  山口良一 あめくみちこ 佐渡稔 市川勇 山本ふじこ 玉垣光彦 ほか






 中島淳彦さんの最高傑作、待望の再演!それも超小劇場!面白かった〜!中野ポケットの隣にできた新劇場。中野BONBON。120席の本当の小劇場で、あめくさん、山本さん、市瀬さん、ほかヴォードヴィルショーの女優さんを満喫できるだけでなく、佐渡さん、山口さん、石井さん、市川さん、たかはしさんらという超豪華キャストで観られるなんてことは最初で最後の豪華さでしょう。中島作品の中でも傑作です。ばかばかしい面白さ!あめくさん、石井さん、市川さん、山本さんらの芝居の上手さは絶品!国宝級の面白さ。残念だったのはたったひとつ。座席がまだちょこっとだけ空いていること。勿体ない!!!!

中野テアトルBONBON
2009年10月
作/じんのひろあき
演出/司茂和彦(ふくふくや)

出演/福島まりこ 種子 小山萠子 井上カオリ 大出勉 佐藤正和 44北川 ほか
 


 初めて見た44プロデュース。非常に良質で誠実な芝居作りをされていてとても好感。再演ものらしいが、確かに素晴らしい作品だった。12人の怒れる男、12人の優しい日本人へのオマージュもあって書かれた作品だろうが、この作品はそれらと同等の魅力のある非常に良質な台本だった。
 舞台設定もユニーク。日本国憲法前夜、分かりにくい条文を噛み砕いて表現して欲しいと、政府は日本の文筆業関連の人々を一室に呼び2時間でなんとか分かりやすく書き換えてくれないかと頼む。
 小説家、劇作家、コピーライターなどなどが悪戦苦闘。そして、、、、、。思い切り笑いながら最後はじーんとして日本という素晴らしい国に生まれたことの誇りまで感じさせてくれる。
 描かれている人物の中には、まだ戦時中の気持ちを引きずる人もいて…。名うての役者、特に女優陣の素晴らしい活躍によって珠玉の作品は非常に完成度の高いものになっている。福島まり子と種子のものすごい女優対決は最高に面白いし、井上カオリは今までのどの作品よりも素晴らしい。江原里実が手堅く自分の役割を演じきり、小山萌子がいつもながら見事に演じる。男優では佐藤正和(ブラボーカンパニー)が出色。芹沢、大出、白井、そして44北川も素晴らしい。
 井上ひさしが見たら地団駄踏んで悔しがるだろう。正直、昭和三部作と匹敵する作品であり、1本の作品で井上さんが描きたかったことを描きっているのだ。超オススメ!
 



ザスズナリ
2009年9月2日


トムストッパード作
蜷川幸雄演出


阿部寛 アレクサンドル・ゲルツェン(思想家)
勝村政信 ミハイル・バクーニン(バクーニン家の長男。革命家)
石丸幹二 ニコライ・オガリョーフ(詩人、ジャーナリスト)
池内博之 ヴィッサリオン・ベリンスキー(文芸批評家)
別所哲也 イワン・ツルゲーネフ(作家)
長谷川博己 ニコライ・スタンケーヴィチ(哲学者)
紺野まひる リュボーフィ(バクーニン家の長女)
京野ことみ ヴァレンカ(バクーニン家の次女)
美波 タチヤーナ(バクーニン家の三女)
高橋真唯 アレクサンドラ(バクーニン家の四女)
佐藤江梨子 ナタリー・バイエル(バイエル夫人の娘)
水野美紀 ナタリー・ゲルツェン(ゲルツェンの妻)
栗山千明 ナターシャ・オガリョーフ(オガリョーフの妻)
とよた真帆 エマ・ヘルヴェーク(ヘルヴェークの妻)
大森博史 ニコライ・ポレヴォーイ(「テレグラフ」誌の編集長)
松尾敏伸 ゲオルク・ヘルヴェーク(急進派のドイツ人詩人)
大石継太 ニコライ・サゾーノフ(ゲルツェンのサークル)
横田栄司 ニコライ・ケッチェル(ゲルツェンのサークル)
銀粉蝶 バイエル夫人/マダム・ハーグ(ゲルツェンの母親)
毬谷友子 メアリー・サザーランド(オガリョーフの愛人)
瑳川哲朗 アレクサンドル・バクーニン(バクーニン家の家長)
麻実れい ヴァルヴァーラ(アレクサンドルの妻)





2009年9月15日〜17日
シアターコクーン

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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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