佐藤治彦のパフォーミングアーツ批評 演劇 忍者ブログ
自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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ロジャース&ジャーマスタイン作詞作曲
バレットシール演出



 最近の50年代ミュージカルのリバイバル上演は現代の時間に会わせるために、人間関係の進展も、挿入される音楽のテンポも、早くコンパクトにされてしまう。そしてたいてい2時間30分位に収める。こちらは堂々3時間。オープニングでおけピットの天板をとってみせて30人のオーケストラが奏でているところを見せる。確かに通常の倍近くの編成で音楽も分厚い。美術は素晴らしいし、この南太平洋を味わえる音楽のテンポ。オペラ界から歌唱力のある人間を呼んで魅惑の宵を唄わせたのも正解だ。 トニー賞を8部門も受賞したのも良く分かる。それは、原作を丁寧にきちんと作り上げたからだ。それが今のブロードウェイの上演では新しさを感じさせたのかもしれない。

 しかし、この舞台の主人公は映画版でミッチーゲイナーが演じたはじけるようなお色気のあるヤンキー娘というよりは、ネクラなおばさんで、明るくない。そして、ブラッディメリー役の人はメイクもヘンテコで、何か宗教掛かっていておどろおどろしい。歌もあまりよくない。


画像はトニー賞授賞式の時の画像。舞台の雰囲気は味わって頂けると…。



ビビアンバーモント劇場(ニューヨーク)
2009年1月21日
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ディズニープロダクション



もうディスニーものの舞台はいいやと思っていたのだが、見たかった作品が次々とクローズした直後の訪米だったので、見たことのない大作は取りあえず見とこうというくらいの感じで観に行った。音楽はいいし、装置は華やか。音楽はカリブ音楽。スムーズな動きをだすために海の魚たちはみんなローラースケートで移動。踊りも楽しく、ディズニーの罠にはまって行く自分がいた。
 

リトルマーメイドオフィシャルサイト 音楽も映像も楽しめます。





2009年1月17日
ルナフォンエーン劇場(ニューヨーク)
リンマニュエルミランダ 作詞作曲/原案/出演



何しろ2008年のトニー賞のベストミュージカル賞を受賞しているし、会場は沸いているのだが、僕は嫌な予感をもっていた。でも見とかなきゃと思ってみた。そして、的中した。ブルックリンのラテン系の街のニューヨークでの成功を夢見る人たちのお話だというだけで、何の新鮮さがない。そして音楽やダンスが、ラテンの音楽で楽しいと思いきやそれが何曲何曲も同じようなものが続くとホントに退屈になってくるんだなあと改めて思わされた。
 とても周到には作ってある。老婆の使い方とか、親子の対立とか、従来からのミュージカルの王道の人間関係に上手くラテンの音楽を埋め込んだというだけ。正直言って2008年はミュージカル不作の敏だったんだなと思いたくなるくらいだった。1幕はちょっと寝てしまったくらい。




リチャードロジャース劇場(ニューヨーク)
2009年1月20日

キャメロンマッキントッシュ&ディズニープロダクション




この舞台版がロンドンで上演され始めたころ。2005年と思うのだが、その時にも見ているが、これほど原作の味わいを消し去った作品も少なくないと思った。音楽も新曲が中心となり…と文句ばかりとたれていた。今回ニューヨークで再度見て、その思いはあまりかわっていない。音楽に関してはオリジナルのものも中心となっていたが、ストーリーも味わいもやはり壊されたままだった。
 一番の問題点はメリーポピンズそのものにある。この作品は乳母と子供の関係をきちんと描かなくてはならない。敢えていうなら、メリーポピンズが主役ではいけないくらいだ。しかし、ここでは、あまりにも踊り唄い独りでかき回すだけだ。子供への愛情などなにも感じられない。それが台無しにしているのだと思う。ロンドン版と相当違うのかな。ニューヨーク版は味わいもなにもなくなっている。
 映画版やPLトラバースの原作とは全く違うものとして見た方がスッキリする。映画の舞台化は難しいのだとつくづく感じた。
 

メリーポピンズオフィシャルサイト 映像も音楽もあります!



2009年1月15日
ニューアムステルダム劇場(ニューヨーク)
演出 ステファンダルドリー
音楽 エルトンジョン
出演 トムホーランド






 映画「リトルダンサー」のミュージカル版である。とても評判がいいので、前からみたいと思っていた。一番前のかぶりつきで見た。芝居や音楽のもつ力のスゴさを改めて感じた。話はサッチャー政権の構造改革路線で、イギリスの炭坑が次々とダメになって行った時代の話でおなじみの通り。
 エルトンジョンの曲がいいのである。「連帯」とか「くそっくらえサッチャー」「電気が走る気持ち」とかの曲、好きだなあ。何かホントに名曲揃い。そして、子役が本当にスゴい肉体をもっていて、懸命に踊る、唄う、演技する。こんなに!というくらいにスゴくやる。もうそれに感動してしまう。それだけでない。80歳くらいのよぼよぼのばあさん俳優まで踊るし、唄うし、可愛いのである。イギリスの労働者が大変で必死に戦った時の話。舞台に立つ関わる人も必死になっている。何か通じるのです。
 いやあ、良かったです。少年が自立していくという誰もにもある人生の一ページの話。両親は追い込まれているのに、息子のために自分の価値観を捨てて応援する。自分の夢を叶えられなかった女教師もそう。出てくる人たちの訛りのある英語までがいとおしい音楽のように聞こえました。



2008年12月18日
ビクトリアパレス劇場(ロンドン)

初見だったこともあるかもしれながロンドン版の方が面白かった。階級対立などは戯画化され、政治的ストなどの背景部分は薄められ、セットは豪華になりショーアップ化されたニューヨーク版。何か違うんだよなあと思いながら見た。音楽は素晴らしいしあれなんだけど。

2008年1月21日
インペリアル劇場(ニューヨーク)
サヨナラ?
作/佐藤治彦
演出/横内謙介&有馬自由




 横内謙介さんの公式ホームページから

 
 2009年02月01日(日)

ラブ×3

 ドリル魂 横浜現場 の進行と同時に、12回目の
 ラブ×3を作っている。

 今日も、その稽古に。

 佐藤治彦さんから提供して貰った、短編を稽古した。

 佐藤さんは、経済評論家である。時々、テレビなどにも出て、不況の問題など語っている。

 知り合った、十数年前は、完全にその道の人だった。

 でも知り合った頃から、猛然と演劇界に参入してこられ。
 今では 経済とH という自らの作品を上演する劇団まで主宰し、

 むしろ、お芝居の人 みたいなことになっている。

 その過渡期の頃、ラブ×3 に、何回か参加して頂いた。

 そして今回、久しぶりに また書き下ろしてくれた。
 でも今回は、かなり、プロチックな立場である。

 実際、書いてくれたのも
 いろんなとらえ方の出来る、繊細な男女の青春心理劇、みたいな短編だ。

 皆がエチュードで作る作品に混じり、
 いかにも専門的な作家の言葉が、ここにある、みたいな雰囲気で、
 今回の ラブ×3 の世界に深みを持たせてくれているのだけど、

 
 ただ、
 自分たちの世界である、エチュード作品と違って、
 作家の言葉を、肉体化するというのは、駆け出しの俳優にとっては、大変な作業で。

 実は、作家のセリフを言うことこそ、俳優の仕事なんだけど、
 まあ、ラブ×3 はそこらへんで、あんまり苦労しないように処理されているわけで、
 
 つまるところ、大変なのである。

 せっかく、良い作品を書いてくれたのに、
 申し訳ないので、
 必死に修正を加えてきた次第。

 にしても、
 初期の頃の、佐藤作品には、仕上げまでに、いろいろ手を加えた私だったが、
 今回は、一字も変えずに、そのまんま、挑ませて頂いている。

 それぐらい、
 緻密なホンになっている。

 佐藤さん、本当に、
 劇作家になったんだなあと、感慨深い。

 あのころ、会うたびに、芝居がやりたい、と言っておられた。
 勉強させて下さいなんて。

 それがねえ。
 

 たぶん、もう三十半ば超えてたはずだよ。
 彼が、そう言い出した頃には。

 遅すぎることなんか、ないんだね。
 
 
 そんな、
 佐藤さんも一本書いてくれた、ラブ×3 第12回
 
 
 間もなく開演。
 今も必死に、仕上げ中です。



 http://www.tobiraza.co.jp/blog/

 2月5日から8日までの短い間の上演ですが、よろしければごらん下さい。
この作品に出演している研修生は若いし、俳優としても人間としてもまだ成熟した人たちではありません。しかし、その中にほとばしるようなエネルギーを感じることがあると思います。素朴で演劇の根源的な感動の源泉があるように思えます。
 




扉座サテライト公演
LOVE LOVE LOVE 12
(ラブラブラブトゥエルブ)

扉座研究生の実体験に基づいた恋愛エピソードを元に作り上げられるオムニバス劇です。
約100本以上もの作品を研究生が自ら作り上げ、その中から厳選に厳選を重ねた作品が、実際に舞台上で演じられます。さらにシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』の印象的なシーンが組み込まれることで、現代を生きる若者の恋愛と、過去の究極の恋愛が対比される作品になります。

「Love Love Love」では、大道具から衣装、小道具、制作に至るまで、舞台作りは全て私たちの手で行い、それを扉座が全面的にバックアップします。


公演日程  2009年2月5日(木)~8日(日)


料金(全席指定)
前売り券 3200円  当日券 3500円

前売り開始日
2009年1月11日(日)

チケット取り扱い
劇団扉座 03-3221-0530

会場
六行会ホール 03-3471-3200
東京都品川区北品川2-32-3(財)六行会総合ビルB2
京浜急行 新馬場(新馬場)駅北口より徒歩5分

キャスト
小柳津佳浩 小嶋喜生 鈴木崇乃(以上サテライト2年)
上野真一 江花実里 小笠原結花 吉川沙緒梨 古賀信義 小森碧 齋藤沙由香 
齋藤美那子 鷺坂芳幸 笹沼典子 宍戸ともこ 柴田陽平 勢古尚行 多田聡 
谷直樹 飛塚ちとせ 艫居江梨 中村花織 野中絵理 林田梨那 平岩信子 
深谷美悠紀 星野愛 益子友希 峯裕美子 村井彩子 森崎美弥子 吉田有希

スタッフ
構成・演出  横内謙介、田中信也  
指導  有馬自由、犬飼淳治、春日井もも代、田井中智子、柳瀬亮輔、若井田久美子
製作  (有)扉座


 公演は無事にすべて終了しました。ご覧頂いたみなさま、興味を盛って頂いたみなさま、どうもありがとうございました。
構成/演出 横内謙介 田中信也





 こんなに緊張したことは久しぶりだった。何しろ僕の座席の横には近藤正臣さんが座っておられて、御芝居の話などもさせていただいて、業界関係者もいろいろときていて。ラブラブラブ12 開幕しました。 自分の作品が出てくるのに緊張していたのです。
 有馬自由さん、そして、横内謙介さんが僕の小さな作品を演出してくれました。
 10日くらい前までは本当にヤバいなあと思っていたのだけれど、本番でみて、すごく変わったなあと。ある研究生が終演後、僕のところにやってきて、日曜までこの役を大切に演じさせてもらいますと言ってくれた。もう大丈夫。本当にちやんと演じてくれていた。特に二人の女優のタマゴは、稽古場と芝居を大きく変えて来た。1週間で全部が変わると思えない。でも、表面上は本当に良く変えてくれた。きっと危ういのですが、本当に良くやってくれたんです。もう幕はあいたのだから、気を抜かずに、あとは楽しんで欲しい。

 ダンス。ゴキブリ。サウナ。初めての彼女が家に来る。僕の好きな作品です。
 公演のあとに、面白かったと何人にも言ってもらいました。あんなに心配だったけれど、終わると欲がでてくる。まあ。そんなものか。
 演劇が好きな方こそ見て欲しい。いろんな演劇のことがあぶり出されている芝居でもあります。ラブラブラブ12 日曜マチネまでです。



2009年2月5日〜8日
六行会ホール


日曜日の夜はほとんどのブロードウェイのショーは上演されていない。上演されているものの中でまだ見ていない上に、長期間上演されている。その上、チケット代も割引クーポンで35ドルと安めだったこともあり見てしまったのだが後悔している。正直言ってアイドルグループのコンサートにストーリーをかぶせたみたいなお間抜けな80分だった。本当に見なくていいものだった。何だこれって感じだ。





2009年1月18日
ニューワールドステージ(ニューヨーク)
出演 中村勘三郎 坂東玉三郎 ほか

 夜の部を鑑賞。「壽曽我対面(ことぶき そがのたいめん)」は吉右衛門、幸四郎、菊五郎だけでも豪華なのに、芝雀、梅玉、松緑、染五郎、菊之助、亀蔵と襲名披露なみの超豪華キャストで47分のモノローグ芝居にものすごい緊張感。いやあ、スゴい。「春興 鏡獅子(しゅんきょう かがみじし)」勘三郎がものすごい。前に見たのはいつかなあ?確か2回くらい見ている。あのときもスゴいと思ったのだけれど、太い勘三郎が物怪に心を奪われていく。獅子をいじっていると、獅子が勝手に動き出す。そこがね。前もスゴいと思ったけれど、今回はきっと手から先が別の生物になりきっているんです。スゴいです。最後の「鰯売戀曳網(いわしうり こいのひきあみ)」。こちらは可笑しくて楽しくて。勘三郎が今度はバカ殿みたいなキャラでやるわけですよ。これがまたいいんですね。嘘をついたり、恋の喜びに心をひかれたり。いやあいいですね。そして玉三郎の美しいこと。神々しいほどでした。こちらも豪華キャスト。勘三郎が信頼しているキャストがね。弥十郎さん、あの風体、声、笑顔が本当にいいですね。亀蔵はホントにいい。僕の一番のお気に入りです。東蔵さんも芝居上手いし。びっくりしたのは、染五郎。苦手だしむしろ嫌いな俳優で今までいいなあと思ったのは「女殺油地獄」くらいだったんですけれど、今日は二本とも素晴らしかった。全く違う配役にこれほど溶け込み、もう染五郎が見えて来ない。こんな謙虚な御芝居をされる方だったんですね。これからはじっくり見続けて行こうと思います。
 やっぱり歌舞伎は面白いなあ。徹夜で行ったので途中で寝たらどうしようかと思いましたが、チケット代が高いからかな(笑)。幕があくと集中してみられました。この歌舞伎座がなくなってしまうのはやはり残念だなあ。閉まるまで何回か通おうと思いました。
 




2009年1月11日夜の部
歌舞伎座
加納幸和演出
武蔵屋組

 何回見ても素晴らしい演出だ。これは数年前にみたグローブ座版とほぼ同じなんだけれども、桂さんや原川さんを始めとする花組芝居の役者さんたちの思いの入れ方が半端でなくて非常に高いレベルになっていた。日替わりゲストの鹿殺しも好演。



2009年1月12日
青山円形劇場
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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