自ら演劇の台本を書き、さまざまな種類のパフォーミングアーツを自腹で行き続ける佐藤治彦が気になった作品について取り上げるコメンタリーノート、エッセイ。テレビ番組や映画も取り上げます。タイトルに批評とありますが、本人は演劇や音楽の評論家ではありません。個人の感想や思ったこと、エッセイと思って読んで頂ければ幸いです。
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作演出 倉持裕
出演 小林高鹿 玉置孝匡 片桐仁 ぼくもとさきこ ほか
好き勝手にやっているのに、面白い。そんな幸せな演劇人はどれだけいるのだろうか?初日の舞台を客席中央の最後列の通路際で倉持裕は時おり笑いながら見ていた。見事に描き分けられた登場人物はセンスのいい美術のポップアート、そう、レッドグルームスのような美術の廻り舞台で繰り広げられる。よくわからげな欧州の小国での出来事。流れからすると旧ソ連邦から独立した小国の感じ。まあ、そんなことはどうでもいいのだけれど、そんな国のようウな感じがするのは玉置さんみたいな人がそこいら辺の国には多くいるからかな?
ギャグで押し通すこともしないし、演技でなぎ倒すことも、もちろん物語で芝居を構成しようなどとも考えていない。ただ、倉持裕のイマジネーションの世界を具現化しただけの現代の「不思議の国のアリス」。それをキチンと形にしてくれるぼくもとさきこや片桐仁ら名うての役者が見事だ。
最近低調?なんて噂もあった倉持裕の作品であったが久々の快進撃。ヒットである。これで、岸田戯曲賞を取れば良かったのになんて思うくらいだった。
2008年7月10日
シアタートラム
出演 小林高鹿 玉置孝匡 片桐仁 ぼくもとさきこ ほか
好き勝手にやっているのに、面白い。そんな幸せな演劇人はどれだけいるのだろうか?初日の舞台を客席中央の最後列の通路際で倉持裕は時おり笑いながら見ていた。見事に描き分けられた登場人物はセンスのいい美術のポップアート、そう、レッドグルームスのような美術の廻り舞台で繰り広げられる。よくわからげな欧州の小国での出来事。流れからすると旧ソ連邦から独立した小国の感じ。まあ、そんなことはどうでもいいのだけれど、そんな国のようウな感じがするのは玉置さんみたいな人がそこいら辺の国には多くいるからかな?
ギャグで押し通すこともしないし、演技でなぎ倒すことも、もちろん物語で芝居を構成しようなどとも考えていない。ただ、倉持裕のイマジネーションの世界を具現化しただけの現代の「不思議の国のアリス」。それをキチンと形にしてくれるぼくもとさきこや片桐仁ら名うての役者が見事だ。
最近低調?なんて噂もあった倉持裕の作品であったが久々の快進撃。ヒットである。これで、岸田戯曲賞を取れば良かったのになんて思うくらいだった。
2008年7月10日
シアタートラム
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作/演出 サタケミキオ
出演 永井大 宅間孝行 ほか
観客で満杯の劇場だった。前売り券は完売の上、通路にもぎっしり観客が入っている。シアターサンモールのお芝居でこれほど大入りだった芝居は見たことがない。それも東京だけで30ステージもやるのだ。きっと7000人を超える動員があるのだろう。これほどお客を呼べる劇団っていうのは東京でも数少ない。しかし、なぜか東京の演劇界であまり注目されていないのも事実だ。
台本は良く練られていた。観客も笑い泣きカーテンコールの拍手も本物だった。
これは好みなのだろうが、僕は苦手な芝居だった。ひとつは人物の描き方。ブスな女の子と奇麗な女の子の描き方が嫌いだった。ブスな女の子は二人出てきて、デンスケ、いなかっぺ大将みたいなメイクをさせる。話し方も下品で、セックスをしたくてたまらない。人前で胸を何分もまさぐり踊る。比較して美人な女の子は性格も良くまっすぐ生きている。徹底的な描き分けだ。ブスはこういうものだろうと、これでもか!とやるのが、ちょい苦手。
出てくる男子はどうくまんの「嗚呼!花の応援団」のようだった。喧嘩の強い不良は格好良く、頭のいい男子は、醜くてアニメ好きのオタクで、頭がいい以外は何の取り柄もないって感じに描く。苦手だ。最後に思いを伝えられなかった男の骨壺に、切々と思いを吐露するヒロイン。骨壺を納骨式に忘れ、それを部屋から運んだ家族が経営する食堂に放りっぱなしで出て行ってしまうのだ。おい!待てよって感じだ。普通は遺影に話すんじゃないの、そういうのってさあ。別に骨壺じゃなくていいんじゃないのって思ってしまうんです。それも終幕に急に死んでいるんだよなあ。
2008年7月6日
シアターサンモール
出演 永井大 宅間孝行 ほか
観客で満杯の劇場だった。前売り券は完売の上、通路にもぎっしり観客が入っている。シアターサンモールのお芝居でこれほど大入りだった芝居は見たことがない。それも東京だけで30ステージもやるのだ。きっと7000人を超える動員があるのだろう。これほどお客を呼べる劇団っていうのは東京でも数少ない。しかし、なぜか東京の演劇界であまり注目されていないのも事実だ。
台本は良く練られていた。観客も笑い泣きカーテンコールの拍手も本物だった。
これは好みなのだろうが、僕は苦手な芝居だった。ひとつは人物の描き方。ブスな女の子と奇麗な女の子の描き方が嫌いだった。ブスな女の子は二人出てきて、デンスケ、いなかっぺ大将みたいなメイクをさせる。話し方も下品で、セックスをしたくてたまらない。人前で胸を何分もまさぐり踊る。比較して美人な女の子は性格も良くまっすぐ生きている。徹底的な描き分けだ。ブスはこういうものだろうと、これでもか!とやるのが、ちょい苦手。
出てくる男子はどうくまんの「嗚呼!花の応援団」のようだった。喧嘩の強い不良は格好良く、頭のいい男子は、醜くてアニメ好きのオタクで、頭がいい以外は何の取り柄もないって感じに描く。苦手だ。最後に思いを伝えられなかった男の骨壺に、切々と思いを吐露するヒロイン。骨壺を納骨式に忘れ、それを部屋から運んだ家族が経営する食堂に放りっぱなしで出て行ってしまうのだ。おい!待てよって感じだ。普通は遺影に話すんじゃないの、そういうのってさあ。別に骨壺じゃなくていいんじゃないのって思ってしまうんです。それも終幕に急に死んでいるんだよなあ。
2008年7月6日
シアターサンモール
面白かった。満席の客席は大いに笑い、そして終盤ではすすり泣き、目をこするヒト多数。男女年齢問わずであった。スーパーエキセントリッツクシアターは三宅さんと小倉さんがどかーんと目立ち、特に若手の存在感はあまりないなあというのが正直なところなのだが、この芝居をみて、奥が深い劇団なのだと改めて思った。再演であるこの作品は、井上ひさし作「頭痛肩こり樋口一葉」、自転車キンクリーツの「蠅とり紙」や映画「ゴースト」「天国から来たチャンピオン」などなど、今までにも数多くある幽霊が出てくる。それだけに、大変むずかしく本当の名人芸が必要となるのだと思うのだが、台本がしっかりしている上に出演者のアンサンブルが素晴らしく見応えのある一級の作品に仕上がっていた。山崎大輔さんと安田裕のボケ突っ込みに三谷悦代さんが絡むだけで相当に面白いのだが、そこに杉野なつ美さんという大型キャラがいた。彼女は30年くらい前のゆうきちほ、今の樹木希林を思わせる独特の空気と時間軸を持つ素晴らしい女優さん。他の誰にも換え難い素晴らしさとがこのことだ!こんな素晴らしい女優がSETにはいるのだと今更ながら気がついた自分が恥ずかしい。
久下恵美さんの明るさは南イタリアの陽射しを思わせ、ハイテンションを揺るがすことなく突っ走る。また、出口哲也の抑えた演技は最後の仕掛けに重要な役割を担っていた。廻りが面白いから自分もやりたくなる。笑いが欲しくなる。それを全て捨ててやり通していた。すごいなあ。これに比べるとメインの3人はこれらの強力キャラの中で損な存在だが、軸をずらすことなく演じるところはスゴいなあと感心。
この作品は誰が見ても面白く感動できる。いや、この台本は商業演劇にも十分通用する普遍性をもっているのだ。そんな芝居は小劇場では少ない。素晴らしい芝居に出会えた嬉しさと、東京ヴォードヴィルショーと同じようにSETの老舗劇団の奥深さ、人材の豊富さに改めて驚いた次第。
2008年7月4日
シアターグリーン BOXinBOX THEATER
作演出 平田オリザ
出演 山内健司 松田弘子 志賀廣太郎 篠塚祥司 大崎由利子 ほか
マレーシアには日本の高齢者が多く住む場所がある。日本が嫌いで抜け出したのなら日本人ばかりが住む老人ホームともホテルとも言えない場所に住む必要はあまりないのではないか。やはり物価が安いということがその理由なのだろう。しかし、そこは既にある意味「死んだ」人が残りの時間を過ごすサナトリウムというかある意味ホスピスみたいなところでもある。そこにまつわる人々を描いて平田オリザさんは死を迎えることについて、生きて行くことについて観客に向き合うことをさせるのである。作られたものでなく自然に生まれるユーモアがたっぷりなのは、志賀さんや大崎さんを初めとする強力な演技陣がそれこそチェホフの芝居をするように登場人物間のコミュニケーションをきちんと成り立たせるからであろう。平田の代表作になるのかは分からないが、少なくとも面白い作品なのだから、それで良しである。
ただ、青年団だからこそ相当高度な水準でのトータルとしての作品を求めてしまうのだが、吉祥寺シアターの中にある舞台の美術からは、洞窟というか地下世界ような空気を出しているのだから残念だ。床も黒いまま背景も黒が目立つ。おいたる調度品や植木も東南アジアのそれには見えない。
この作品は人間の死を意識させるからこそ、それが生命観あふれる東南アジアの陽射しの中で行われてこそ面白いのではないか。美術からは東南アジアのそんな場所には見えなかった。昼の陽射しから夕刻に向かう時間の変化を照明はあまり見せてくれない。そして、日本人なのに、現地の副支配人といっても現地の民族衣装は着ないのではないか?そんな、美術、照明、衣装では一考の余地ありと思った公演だった。
2008年7月5日
吉祥寺シアター
出演 山内健司 松田弘子 志賀廣太郎 篠塚祥司 大崎由利子 ほか
マレーシアには日本の高齢者が多く住む場所がある。日本が嫌いで抜け出したのなら日本人ばかりが住む老人ホームともホテルとも言えない場所に住む必要はあまりないのではないか。やはり物価が安いということがその理由なのだろう。しかし、そこは既にある意味「死んだ」人が残りの時間を過ごすサナトリウムというかある意味ホスピスみたいなところでもある。そこにまつわる人々を描いて平田オリザさんは死を迎えることについて、生きて行くことについて観客に向き合うことをさせるのである。作られたものでなく自然に生まれるユーモアがたっぷりなのは、志賀さんや大崎さんを初めとする強力な演技陣がそれこそチェホフの芝居をするように登場人物間のコミュニケーションをきちんと成り立たせるからであろう。平田の代表作になるのかは分からないが、少なくとも面白い作品なのだから、それで良しである。
ただ、青年団だからこそ相当高度な水準でのトータルとしての作品を求めてしまうのだが、吉祥寺シアターの中にある舞台の美術からは、洞窟というか地下世界ような空気を出しているのだから残念だ。床も黒いまま背景も黒が目立つ。おいたる調度品や植木も東南アジアのそれには見えない。
この作品は人間の死を意識させるからこそ、それが生命観あふれる東南アジアの陽射しの中で行われてこそ面白いのではないか。美術からは東南アジアのそんな場所には見えなかった。昼の陽射しから夕刻に向かう時間の変化を照明はあまり見せてくれない。そして、日本人なのに、現地の副支配人といっても現地の民族衣装は着ないのではないか?そんな、美術、照明、衣装では一考の余地ありと思った公演だった。
2008年7月5日
吉祥寺シアター
作演出 花組エクスプレス
出演 山口良一 たかはし等 大森ヒロシ フジワラマドカ ほか
今ではほとんどの人が悪口を言わなくなったが、男はつらいよ!シリーズはシリーズが始まってしばらくすると批判の矛先を一手に受けていた日本映画だった。それこそ有名な映画評論家はマンネリズムとか非現実的な設定を批判し尽くした。多くの観客は絶大なる支持を受けていたのだけれど。
日本の現役の演劇でシリーズ化され、それが20回も続いている作品が他にあるだろうか?それがあるのである。山口良一さんとたかはし等さんが座長で勧めているあほんだらすけシリーズだ。そのベタな笑いや、時にはいろんな歴史があるんだろうなと想像しながら笑いの中に身を置いたりして
2008年6月
下北沢 ザ・スズナリ
出演 山口良一 たかはし等 大森ヒロシ フジワラマドカ ほか
今ではほとんどの人が悪口を言わなくなったが、男はつらいよ!シリーズはシリーズが始まってしばらくすると批判の矛先を一手に受けていた日本映画だった。それこそ有名な映画評論家はマンネリズムとか非現実的な設定を批判し尽くした。多くの観客は絶大なる支持を受けていたのだけれど。
日本の現役の演劇でシリーズ化され、それが20回も続いている作品が他にあるだろうか?それがあるのである。山口良一さんとたかはし等さんが座長で勧めているあほんだらすけシリーズだ。そのベタな笑いや、時にはいろんな歴史があるんだろうなと想像しながら笑いの中に身を置いたりして
2008年6月
下北沢 ザ・スズナリ
作演出 柿ノ木タケヲ
お客さんは喜んでいたし、個々の俳優はとても魅力的な人たちがいるのだが、自分の心が動かないのはなぜだろう。それは、例えば、お客の受けはいいものの、途中で物語を寸断してコント系の空気に換えてしまうからか。それをするには、新感線級の技量が必要とされるのではないか。ホント、全編に新感線の影響を強く感じた。僕が感心したのは芝居以上に、折り込みに入っていたそのアンケートだった。精密な調査項目が並べられていた。書き込めば景品をくれるというのだけれど、景品よりもこのアンケート用紙をもらって帰る方がいいなと思ったくらい。このデータをどう集計し、劇団活動に生かすのか。とても気になった。
2008年6月25日
下北沢OFFOFFシアター
お客さんは喜んでいたし、個々の俳優はとても魅力的な人たちがいるのだが、自分の心が動かないのはなぜだろう。それは、例えば、お客の受けはいいものの、途中で物語を寸断してコント系の空気に換えてしまうからか。それをするには、新感線級の技量が必要とされるのではないか。ホント、全編に新感線の影響を強く感じた。僕が感心したのは芝居以上に、折り込みに入っていたそのアンケートだった。精密な調査項目が並べられていた。書き込めば景品をくれるというのだけれど、景品よりもこのアンケート用紙をもらって帰る方がいいなと思ったくらい。このデータをどう集計し、劇団活動に生かすのか。とても気になった。
2008年6月25日
下北沢OFFOFFシアター
作 ごまのはえ
演出 天野天街
出演 藤井びん 阪井香奈美 流山児祥 甲津拓平 小林七緒 ほか
脚本ができあがったのが6月に入ってからという噂もありどうなることかと思っていた。稽古場を覗きにいくと流山児さんがダンスシーンでぶつかったりしていて、大変なのかなあと思いきや、本番を観劇したところとても面白く演劇的な悦びに満ちた作品だった。大雨で増水し浸水を逃れた民家に移り住んだ人々は団地の出身者や市役所の人、生きてる人も死んだ人も入り混じり、幻想と現実が入り混じり。めくるめく万華鏡のような芝居が続く。疾走する芝居であり、火事場の?アンサンブルの勝利である。古めかしく壁紙がはがれた室内は昭和の匂い、ダンスはテクノぽく、愛憎劇はさまざまで、愛情や追慕が中心となり進んで行く。特にリフレインの中で徐々に起きたことが解体されて行く様は記憶の中で過去の出来事が自分なりに変造されていく様を描いているようでもあった。
とにかく見ていて面白い。美術、音楽、照明、役者が一体となって作り上げる芝居だ。4200円というチケット代に躊躇するかもしれないが、大丈夫。見ておくべき芝居はここにある。ああ、面白かった。伊藤弘子のキレ方が、演技のドライブの掛け方が、アングラの歴史を綿々と伝える。小林七緒が素晴らしく、阪井香奈美が面白い。やはり、さとうこうじが絶妙のテクニックで芝居の根幹と流山児さんとのアンサンブルを支える。この前まで出ていた壱組印と同じ俳優かと思うくらい自由自在。ダンスもうまい。ファンになってしまった。今回の最大の収穫は平野直美か。平野が途中で交通整理するところはこの作品の最高潮になっていた感じがする。上田和弘や甲津拓平も相変わらず存在感があり作品にかかせない。
2008年6月13日
下北沢 ザ・スズナリ
演出 天野天街
出演 藤井びん 阪井香奈美 流山児祥 甲津拓平 小林七緒 ほか
脚本ができあがったのが6月に入ってからという噂もありどうなることかと思っていた。稽古場を覗きにいくと流山児さんがダンスシーンでぶつかったりしていて、大変なのかなあと思いきや、本番を観劇したところとても面白く演劇的な悦びに満ちた作品だった。大雨で増水し浸水を逃れた民家に移り住んだ人々は団地の出身者や市役所の人、生きてる人も死んだ人も入り混じり、幻想と現実が入り混じり。めくるめく万華鏡のような芝居が続く。疾走する芝居であり、火事場の?アンサンブルの勝利である。古めかしく壁紙がはがれた室内は昭和の匂い、ダンスはテクノぽく、愛憎劇はさまざまで、愛情や追慕が中心となり進んで行く。特にリフレインの中で徐々に起きたことが解体されて行く様は記憶の中で過去の出来事が自分なりに変造されていく様を描いているようでもあった。
とにかく見ていて面白い。美術、音楽、照明、役者が一体となって作り上げる芝居だ。4200円というチケット代に躊躇するかもしれないが、大丈夫。見ておくべき芝居はここにある。ああ、面白かった。伊藤弘子のキレ方が、演技のドライブの掛け方が、アングラの歴史を綿々と伝える。小林七緒が素晴らしく、阪井香奈美が面白い。やはり、さとうこうじが絶妙のテクニックで芝居の根幹と流山児さんとのアンサンブルを支える。この前まで出ていた壱組印と同じ俳優かと思うくらい自由自在。ダンスもうまい。ファンになってしまった。今回の最大の収穫は平野直美か。平野が途中で交通整理するところはこの作品の最高潮になっていた感じがする。上田和弘や甲津拓平も相変わらず存在感があり作品にかかせない。
2008年6月13日
下北沢 ザ・スズナリ
作 妹尾 夫
演出 伊東四朗 三宅裕司
出演 伊東四朗 ラサール石井 渡辺正行 三宅裕司 戸田恵子 春風亭昇太 小椋久寛 東貴博
もちろん面白かった。しかし、昨年の伊東さんの舞台「社長放浪記」のようなお芝居というよりはコントとギャグの連続という感じだった。お客さんも笑い待ちをしているし。伊東さんがもっと活躍するのかなと思いきや、割と一座の中のアンサンブル的な存在。僕は「追いつ追われつ」みたいなすり抜けを延々とやるのが好きなんですよね。何でだろう。
今回、従来の古典的な笑いを追求していたのは東さんのような気がする。あの身体を張った自然の笑いはやっていることをひたすら信じてやり続けることから生まれる。きっと孤独なんだろうなあと思う。また、伊東四朗さんの円周率記憶シーンもそれ。古典的な笑いの王道を行くもので見ていて面白い。ちゃんとオチもある。小椋さんの立ち位置も王道なそれで貫禄がある。そういう意味で渡辺正行さんの世界はご自分で確立したそれである。とことん楽しんでやっていることで廻りまで楽しくさせてしまうという勢い笑いである。ラサールさんはそう言う中で縦横無尽に対応。さすが劇作家であり演出家である。見ていてホントに面白かった。というよりも、その技、自由さが怖かった。
2008年6月12日
本多劇場
演出 伊東四朗 三宅裕司
出演 伊東四朗 ラサール石井 渡辺正行 三宅裕司 戸田恵子 春風亭昇太 小椋久寛 東貴博
もちろん面白かった。しかし、昨年の伊東さんの舞台「社長放浪記」のようなお芝居というよりはコントとギャグの連続という感じだった。お客さんも笑い待ちをしているし。伊東さんがもっと活躍するのかなと思いきや、割と一座の中のアンサンブル的な存在。僕は「追いつ追われつ」みたいなすり抜けを延々とやるのが好きなんですよね。何でだろう。
今回、従来の古典的な笑いを追求していたのは東さんのような気がする。あの身体を張った自然の笑いはやっていることをひたすら信じてやり続けることから生まれる。きっと孤独なんだろうなあと思う。また、伊東四朗さんの円周率記憶シーンもそれ。古典的な笑いの王道を行くもので見ていて面白い。ちゃんとオチもある。小椋さんの立ち位置も王道なそれで貫禄がある。そういう意味で渡辺正行さんの世界はご自分で確立したそれである。とことん楽しんでやっていることで廻りまで楽しくさせてしまうという勢い笑いである。ラサールさんはそう言う中で縦横無尽に対応。さすが劇作家であり演出家である。見ていてホントに面白かった。というよりも、その技、自由さが怖かった。
2008年6月12日
本多劇場
作/演出 本多 誠人
芸達者な人たちが見せるお芝居だった。本田さん初め、とにかく皆さん身体のキレがいい!そして全員が独特の間合いと演技法を共有している感じだった。登場人物がひとりひとり同じ希望と、同じ絶望と、同じ再起をしていく。それが、割と定式化されて繰り返される。だから、先が読めてしまうのだが、それが、凡庸と見えるのか、安心感につながるのかは微妙なところなのであります。
また、内容はてんこもりで、ミュージカルシーンが入ったりサービス満点だが、詰め込み過ぎと思う人もいるだろう。そうはいってもペテカンはすでに14年という月日を重ねた。作品の中では、「何とかなるさ!」「ありのままの自分を受け入れる」といったことがキーワードなのだが、劇団としては、もっと多くの人に認められたい、先に行きたいという思いがひしひしと伝わって来た。観客に有無を言わせず納得させたいと、もっともっと!的な内容につながっているのかも。押しまくり引くところが少ない感じがした。役者全員が魅力的だが、羽柴真希を初め女子部3人と斎田さん、濱田さんは特に魅力的だった。僕自身が演劇をしているので、色んな事を感じてしまうのだが、作品として好感のもてる公演であった事は間違いない。何しろものすごく丁寧に稽古も積み重ねて一生懸命に練り上げられた作品だからだ。
2008年6月11日
シアタートップス
芸達者な人たちが見せるお芝居だった。本田さん初め、とにかく皆さん身体のキレがいい!そして全員が独特の間合いと演技法を共有している感じだった。登場人物がひとりひとり同じ希望と、同じ絶望と、同じ再起をしていく。それが、割と定式化されて繰り返される。だから、先が読めてしまうのだが、それが、凡庸と見えるのか、安心感につながるのかは微妙なところなのであります。
また、内容はてんこもりで、ミュージカルシーンが入ったりサービス満点だが、詰め込み過ぎと思う人もいるだろう。そうはいってもペテカンはすでに14年という月日を重ねた。作品の中では、「何とかなるさ!」「ありのままの自分を受け入れる」といったことがキーワードなのだが、劇団としては、もっと多くの人に認められたい、先に行きたいという思いがひしひしと伝わって来た。観客に有無を言わせず納得させたいと、もっともっと!的な内容につながっているのかも。押しまくり引くところが少ない感じがした。役者全員が魅力的だが、羽柴真希を初め女子部3人と斎田さん、濱田さんは特に魅力的だった。僕自身が演劇をしているので、色んな事を感じてしまうのだが、作品として好感のもてる公演であった事は間違いない。何しろものすごく丁寧に稽古も積み重ねて一生懸命に練り上げられた作品だからだ。
2008年6月11日
シアタートップス
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プロフィール
HN:
佐藤治彦 Haruhiko SATO
HP:
性別:
男性
職業:
演劇ユニット経済とH 主宰
趣味:
海外旅行
自己紹介:
演劇、音楽、ダンス、バレエ、オペラ、ミュージカル、パフォーマンス、美術。全てのパフォーミングアーツとアートを心から愛する佐藤治彦のぎりぎりコメントをお届けします。Haruhiko SATO 日本ペンクラブ会員
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